現在、読者から一番突っ込まれていると思われる漫画家が冨樫義博だ。
なにせ一年以上も休載していたのだから、叩かれるのは当然である。腰痛からの病気休養であったようだが、それは嘘ではないでしょう。でも、この情報化時代、いろいろ遊んでいたことがファンにバレている。そりゃ、叩かれる・・・はずだった。
ところが、再開した漫画が面白い。久々に刊行された単行本34巻も馬鹿売れ状態である。叩くよりも、今後の展開を巡って議論沸騰である。少し前まで圧涛Iに、冨樫の怠慢を非難する声が大きかったはずなのに、今では状況は一転している。
はぁ~、思わずため息でちゃいます。
プロの漫画家として、週刊誌を一年以上休載するなんて言語道断だと思う。しかし、面白いものは面白い。だから、ファンは冨樫を見放さない。漫画の面白さに押し切られてしまうのだから、この敗北感は半端ではない。
でも、読まずにはいられないのが、冨樫の漫画の恐ろしさ。まったくもって、頭の痛い漫画です。
今、ベストセラーランキング独走中の34巻なんざ、購入以来5回は読みなおしている。丁寧に読み込まないと、あのバトルの凄味が理解できない。なにせ、作品中でも屈指の強さを誇る、殺人狂の奇術師ヒソカと、残虐非道な幻影旅団・蜘蛛の頭であるクロロとの戦いである。
観客を巻き込むどころか、武器にして残虐に殺してしまう両者のバトルは、とても少年漫画誌に掲載されて好ましいものではない。R指定されてもおかしくないと思ったが、子供たちはさして苦にしてないようだ。
よく親が文句言わないものだと思うが、聞いたら親も一緒に読んで、子供とバトルについて議論しているとか・・・
そう、この漫画は子供から大人まで幅広い読者層を誇る。伊達や酔狂で十数年、連載が続いている訳ではない。イイ年の大人が夢中になれる内容の漫画なのだ。プロとして作者の姿勢はどうかと思うが、それでも悔しいかな、私も夢中であるのは事実である。
なんだか負けっぱなしの観が否めないので、悔しいから一言。
主人公のゴンが不在だぞ!
まぁ、その分今まで不在であったクラピカが活躍しているからいいか・・・
いいのか? なんだか、自分がダメ大人になった気分だぞ。