改めて書くことでもないが、私は民進党は支持していない。
旧・民主党政権の失敗と、その後の反省のなさに吐き気を感じるくらいに嫌いでもある。
そんな私でも首を捻らざるを得ないのが、現・党首である蓮舫に対するバッシングである。まず、日本の国籍法は、二重国籍を認めていない。だが、政治家が二重国籍であることを禁止する規定もない。
そもそも、日本の法律は、国際化とか外国人が日本で定住することを前提にしていない。部分的には対応している部分があるが、ちぐはぐであり、一貫性にも乏しい。
当たり前である。日本の政治において、外国人が本格的に政治参加することが前向きに議論されたことはない。あくまで一部の役所内部での議論はあるが、公開された政治の場において、二重国籍問題が本格的に議論の対象としてこなかった。
それどころか、外国人排斥の方が議論になる始末である。まぁ、一つの民族が長きにわたり支配してきた地に、異国の住民が増えれば、当然のように反発と排斥が起こることは普通である。これが現実である。
だが、高齢化と少子化が進む日本では、今後社会を維持するために外国人を活用せざるを得ないのが現実であり、既に現在進行形でもある。外国人労働者の流入反対を訴える人は少なくない。
それは必然的な声であり、既に発生しているトラブルを思えば、心情的に理解できる。実際に外国人が多く流入し定住化している群馬県大泉市や、静岡県の磐田市などでは、無視できぬ問題として十数年前から多くのトラブルが生じている。
地域住民だけでは解決できず、小さな役場から市役所まで巻き込んで、如何に受け入れ、如何に対処するかが試行錯誤されている。生活習慣、労働慣行、宗教上の制約など、外国人が日本社会に持ち込むトラブルは既に各地で問題となっている。
しかしながら、それでも今後日本に定住する外国人は増える。まず、純粋な日本人が減少している事実があり、労働力不足は今既に起きている課題である。ロボット導入などを主張する声はあるが、全ての労働をロボットで代替するのは非現実的である。
また単純に外国から日本へ移住するのではなく、国際結婚などを通じて家族単位で外国人が増えている。大人はともかく、子供たちは日本語ペラペラであり、教育環境如何によっては読み書きも日本人並である。
外国人労働者反対論者も増えるだろうが、現実的に受け入れてしまうほうが多いと思う。そして当然ながらトラブルも増える。はっきり言って、日本の行政及び司法は、外国人に十分対応できたものではない。
そこで政治の出番となる。政治的主張をする外国人は今後、今まで以上に増えるはずだ。この事態にどう対応しなければならないのか。
まず一番ダメなのは禁止してしまうことだ。これをやると、問題解決にはならず、事態を複雑化させる。地下に潜っての政治的な動きが増え、贈賄汚職が横行する。暴力的な動きも増える。
公的な組織を信用できなくなった外国人が、自らの権利を守るための自治組織を地下に造り、密かに活動を始めてしまうことが目に見えている。この場合、その活動は暴力や非合法なものになりがちなのは歴史が証明している。
だからこそ、彼ら日本に定住している外国人の政治的主張を公的に取り上げる仕組みが必要になる。表で堂々と主張させることで、犯罪の防止、社会不安の鎮静化が可能となる。
実際問題、外国人が多く住む町では、役所などが自主的に先行して始めている。自治会活動やボランティア活動への参加を促し、フリースクール、盆踊りなど町祭りでの交流を増やし、地域社会の安定化を図ろうと試行錯誤を重ねている。
住民の暮らしの直結している地方自治では、既に外国人問題への現実的対応を進めざる得ないのだ。ところが、国政がこの状況に手をこまねいている。
冒頭の蓮舫議員の二重国籍問題でも、法務省の対応は鈍く、国会でも正面から問題視を避けている。
私は蓮舫議員を支持する気はまったくないが、台湾と日本の橋渡し役として彼女のような存在は必要だと思っている。二重国籍でも、日本の国政で堂々と意見を述べる政治家がいることは、日本に定住している外国人にとっては、未来に希望を持たせる点も無視できない。
二重国籍が問題だと言うのならば、それを国会なり委員会なりで堂々議論して欲しい。禁止している国もあるが、一定の条件の元で認めている国も多い。日本の国情に合った新しい要件なり、規制なりを設けて議論が必要だと思う。
私は民進党は支持しないし、蓮舫議員も支持してはいない。それでも、今回の二重国籍問題の取り上げ方には疑問を呈さざるを得ません。