少し安心した。
私が年をとったからかもしれないが、若い人に対して幾つかの疑問というか反感を持つことが増えた。これは何時の時代でもよくあることなのは、エジプトのピラミッド建築時に残された悪戯書き(若いものはなっとらん!)んどからも分かる。
最近特に苛立ちを禁じ得ないのは、若い人に小手先の浅知恵で物事を動かして悦に入る傾向が目立つことだ。これはコンピューターの発達により、クリック一つで様々なことが可能になったこととも連動していると思う。
そりゃ、私だって楽をしたい。手軽に結果を出せれば、それに越したことはないと思う。しかし、世の中には地道な努力の積み重ねなくして得らえないことも多々ある。
そして、その労苦は若いとき、体力のあるときにこそやるべき努力なのだ。それなのに、今どきの若いもんには、小手先の知恵や喋くりだけで物事を進めることが賢いと思い込んでいる節が見受けられる。
これに私は苛立つのだ。
世の中、理屈だけでは動かない。いかに論理的に正しかろうと、それが心を動かすものでなければ人は動かない。いかに過去のデータ分析が良く出来ようが、長年の経験に裏付けされた勘に劣ることはよくある。それが現実だ。
もちろん正しい論理構築は大事だし、データー分析を活かすことは役に立つ。だが、なにより大切なのは人の心である。心を慮ることを怠れば、いかに正しかろうとそれは支持されない。
表題の映画で一番気に入ったのは、優秀だが偏屈で組織に馴染まなかった主人公の動機であった。犯人捜査は彼にとっては単なる仕事に過ぎない。しかし、彼を怒らせたのは、大切なものを傷つけようとした犯人のやり口だった。
警察という組織のなかで、優秀だが孤立していた主人公を本気で怒らせたのは何か。それが分かった時、その不器用さと真摯な思いに素直に共感できた。
表題の映画、原作の小説をTVドラマ化し、その映画化であるようだが、私はまるで知らなかった。だから、戸惑う部分も多かったのだが、それでも十分楽しめた。今度は原作を読んでみよう。
警察もの大好きなのて、チェックしておいて、機会をみて観てみます。