アメリカは変貌しつつある。
先のアメリカ大統領選挙は、僅差ながらも現職のオバマが勝利した。これは予め予測されたことであり、ロムニーの善戦がむしろ予想外であったのが実情であろう。
率直に言って、オバマ政権の一期目は成功とは程遠い。軍事的にはアルカイーダを痛めつけたことと、アフガン撤兵ぐらいしか功績は見当たらず、当初盛んに言っていた太陽光発電などでアメリカに大量雇用を生み出すなどの経済政策は、ほとんどが失敗に終わった。
現在のアメリカ経済は、決して好調とはいえず、むしろオバマが再選されることは不思議といっていいが、困ったことに対立する共和党にも有権者を惹きつけるだけの候補者、政策に欠ける。実際、ロムニー候補自体が主張をコロコロと変える始末である。
これは共和党も、そして民主党も現在のアメリカを大きく変える処方箋を持ち合わせていないといって良い。にもかかわらず、オバマが当選した。
極論かもしれないが、オバマは黒人だからこそ再選したと私は思う。アメリカにおいて、もはや白人(特にWAPS)は有権者の7割であるにもかかわらず、社会の主導層ではなくなりつつある。もちろん、政府の重要な機関、主要な大企業のトップクラスを占めるのは白人たちだ。
しかし、社会の中核から末端に至るまで、白人だけでは成り立たない構成となっている。黒人を含め有色人種との融和なくて、アメリカは機能しない。とりわけ黒人とメキシカンに代表されるラティーノたちの支持なくして、オバマ再選はあり得なかった。
そして白人たちにも、この現実を受け入れ、多数の人種の融和の象徴として、黒人大統領を望んだ。これが失政、失策だらけのオバマ大統領が再選された背景であると思う。
だが、再選したオバマ大統領が抱える問題は大きい。これは一個人の抱える問題としては大きすぎる。
根幹的には、衰退しつつある西欧文明のなかで、如何に生き延びるのか。更に現代文明の基盤である石油の枯渇、増大しつつある世界人口と食糧と水の危機。これは全世界的な規模の課題であり、歴史的な流れでもある。
18世紀の産業革命に端を発した西欧文明は、今黄昏を迎えつつある。既に科学技術は周辺技術しか発展は望めず、民主主義と議会政治さえも限界を露呈しつつある。社会主義の失敗は、民族感情と宗教への情熱を甦らせた。
もはや進んでいると思われた西欧文明は、途上国の憧れとは言いかねる。
こんな状況下で西欧文明のトップをひた走るアメリカを指導する立場を続けるオバマ大統領に、どれだけの選択肢が残されているのか。
かつて人種のルツボと言われたアメリカだが、現在は人種のサラダボールと称される。ルツボのなかでは、あらゆる金属(人種)が融合して新しいアメリカ人が産まれたが、サラダボールでは色合いの異なる野菜(人種)が混じり合っても、それぞれ別々に味を主張する。
今は白人中心だが、半世紀後には過半を占めるのも難しく、変わってスペイン語を話す(英語を話せない)有色人種が大きな割合を占めることが分かっている。アメリカは否が応でも変わらざる得ない。
ハンティントンはそれをアメリカの分断だと捉えたが、既に現在進行形であり、このことに危機感を抱くアメリカ人は少なくない。だからこそ、白人と有色人種の融和の象徴として、オバマ大統領が選ばれたのではないか。
私には、そのように思えてなりませんでした。
先のアメリカ大統領選挙は、僅差ながらも現職のオバマが勝利した。これは予め予測されたことであり、ロムニーの善戦がむしろ予想外であったのが実情であろう。
率直に言って、オバマ政権の一期目は成功とは程遠い。軍事的にはアルカイーダを痛めつけたことと、アフガン撤兵ぐらいしか功績は見当たらず、当初盛んに言っていた太陽光発電などでアメリカに大量雇用を生み出すなどの経済政策は、ほとんどが失敗に終わった。
現在のアメリカ経済は、決して好調とはいえず、むしろオバマが再選されることは不思議といっていいが、困ったことに対立する共和党にも有権者を惹きつけるだけの候補者、政策に欠ける。実際、ロムニー候補自体が主張をコロコロと変える始末である。
これは共和党も、そして民主党も現在のアメリカを大きく変える処方箋を持ち合わせていないといって良い。にもかかわらず、オバマが当選した。
極論かもしれないが、オバマは黒人だからこそ再選したと私は思う。アメリカにおいて、もはや白人(特にWAPS)は有権者の7割であるにもかかわらず、社会の主導層ではなくなりつつある。もちろん、政府の重要な機関、主要な大企業のトップクラスを占めるのは白人たちだ。
しかし、社会の中核から末端に至るまで、白人だけでは成り立たない構成となっている。黒人を含め有色人種との融和なくて、アメリカは機能しない。とりわけ黒人とメキシカンに代表されるラティーノたちの支持なくして、オバマ再選はあり得なかった。
そして白人たちにも、この現実を受け入れ、多数の人種の融和の象徴として、黒人大統領を望んだ。これが失政、失策だらけのオバマ大統領が再選された背景であると思う。
だが、再選したオバマ大統領が抱える問題は大きい。これは一個人の抱える問題としては大きすぎる。
根幹的には、衰退しつつある西欧文明のなかで、如何に生き延びるのか。更に現代文明の基盤である石油の枯渇、増大しつつある世界人口と食糧と水の危機。これは全世界的な規模の課題であり、歴史的な流れでもある。
18世紀の産業革命に端を発した西欧文明は、今黄昏を迎えつつある。既に科学技術は周辺技術しか発展は望めず、民主主義と議会政治さえも限界を露呈しつつある。社会主義の失敗は、民族感情と宗教への情熱を甦らせた。
もはや進んでいると思われた西欧文明は、途上国の憧れとは言いかねる。
こんな状況下で西欧文明のトップをひた走るアメリカを指導する立場を続けるオバマ大統領に、どれだけの選択肢が残されているのか。
かつて人種のルツボと言われたアメリカだが、現在は人種のサラダボールと称される。ルツボのなかでは、あらゆる金属(人種)が融合して新しいアメリカ人が産まれたが、サラダボールでは色合いの異なる野菜(人種)が混じり合っても、それぞれ別々に味を主張する。
今は白人中心だが、半世紀後には過半を占めるのも難しく、変わってスペイン語を話す(英語を話せない)有色人種が大きな割合を占めることが分かっている。アメリカは否が応でも変わらざる得ない。
ハンティントンはそれをアメリカの分断だと捉えたが、既に現在進行形であり、このことに危機感を抱くアメリカ人は少なくない。だからこそ、白人と有色人種の融和の象徴として、オバマ大統領が選ばれたのではないか。
私には、そのように思えてなりませんでした。
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> 軍事的にはアルカイーダを痛めつけたことと、アフガン撤兵ぐらいしか功績は見当たらず・・・・・
撤兵したのはイラクですね。
アフガンは、これからますます困難を極めると思います。大英帝国もソ連もここでやられました。次は、米国の番です。
アフガン、歴史的にみても難治の地だと思います。アレキサンダーもここで足踏みし、ついにインドの地を踏むことはありませんでした。米国の目的はアフガンそのものではなく、中央アジアへの経路としてのアフガンですから、イランとの関係も含めて、オバマ大統領は難しい決断を迫られるでしょうね。