アメリカの大統領選挙がトランプの勝利で終わった。
別に自慢なんてする気はないが、私は当初からトランプ優勢だと踏んでいた。だからこそ、やたらと日本のマスコミがハリス候補を持ち上げるのが不可解であった。いや、日本だけではない。アメリカのマスコミもどちらかといえばハリスを贔屓しているように思えた。
もっと言えばトランプに否定的な報道が少なくなかった。これはアメリカのマスメディアが基本的に民主党寄りだからだ。ただし、そのことを隠していない。日本のように公正中立を謳うという厚顔無恥な嘘つきぶりよりはマシだと思う。
私自身はアメリカに駐在している知人や、アメリカに暮らす知人の世間話からマスコミの報道とは裏腹に、案外とトランプを支持する層が一定数いることを知っていた。またこの30年以上、アメリカ社会が中産階級から仕事を奪い、富裕階級や超富裕階級に便宜を図ってきたことを思えば、トランプ支持も当然との思いもある。
もちろんトランプ自身も超富裕階級の出身ではあるが、不動産業が中心で、アメリカ国内の工場などを閉鎖して労働者を解雇し、メキシコや中国へ工場を移転させて株主の利益拡大を図るような経営をしていない。だから中産階級から転落したアメリカ市民はトランプをけっこう支持している。
困ったことに日本のマスコミは、地道な取材よりも快適なオフィスで英文記事の翻訳で記事を作成する。だから民主党寄りの記事をアメリカの実相として平然と報じる。反トランプがアメリカの市民の多数意見だと断じるのも当然だろう。
アメリカ・ファーストを謳うトランプに疑いの目を向けるが、その一方でアメリカが相対的に諸外国に押されて経済が縮小傾向にあるのだから、アメリカの国内を重視するのが当然だとの視点が欠如している。
私はトランプの政策が全て正しいなどと肯定する気持ちはない。だが、アメリカの市民の生活向上にはグローバリゼーションやTPPはむしろ有害だと思っている。その意味で、アメリカ第一を掲げるトランプのほうがマシな気がする。
だいたいアメリカ国民の上位5%足らずが、アメリカ国内の金融資産の9割を握る状況自体がおかしい。彼ら富裕層の政治的影響力は極めて強く、民主党はその受け皿としてアメリカ政治を主導してきたのだから、今回の選挙の結果はある意味当然だと思う。
ただし、トランプのやり方は、ほぼ間違いなくアメリカの分断を進めると思う。アメリカンドリームを失ったアメリカが21世紀、どのような方向に進むのかは重要な指針となると思います。そして、その動向を知るのに、日本のマスコミはあまり良いメディアとは言いかねる。このことは認識しておいた方が良いと思いますね。
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