ヌマンタの書斎

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医療崩壊

2021-11-09 16:37:00 | 社会・政治・一般

単純に医者を責めれば良い訳ではない。

むしろ最大の戦犯は、このような医療体制に安住していた厚生労働省である。

昨年以来のコロナ禍により散々聞かされたのが、医療崩壊である。確かに「コロナ感染者」の受け入れ先となった医療機関においては、極めて過酷な状況に置かれたことは事実である。

医師は疲弊し、看護師や医療事務従事者まで巻き込んでの感染症対策は本当に厳しい状況であったと思う。それは事実ではあるが、これをおかしいと思う人が相当数いるはずだ。

なぜなら、日本は先進国でも有数の医療用病床数を誇る病院大国だからだ。医師も看護師も十分確保されている国である。ところが日本よりも感染者が多い他の先進国では医療崩壊の声はさほど高くない。

これに疑問を持つのは当然だと思う。

しかし、政府は相変わらず「マスク着用」「自宅待機」「飲食店には自粛」だと言い、医師会は盛んに医療崩壊の危機を煽るのみ。

おかしくないか?

もう既に判明していることだが、新型コロナ患者を受け入れていたのは国公立の病院が中心で、病院の7割を占める民間では元々感染症を受け入れていたところ以外は無関係であった。そりゃ病床不足も起ころうってもんだ。

もちろん医師としての矜持から積極的に受け入れを表明した民間病院もあった。しかしごく少数にとどまる。これは致し方ない部分もある。病院のスタッフ全体の協力が必要だし、資金的な負担も大きい。そして風評被害による経営悪化の心配もある。

更にもう一つ、医師の技量の問題である。あまり声だかに話せる問題ではないのだが、治療法の未確定な感染症に対応できる医者はそう多くない。病床で受け入れる場合、どうしても複数の感染症に対応できる医師が必要になる。もちろん看護師にも相応の知識、研修、経験が求められる。

このハードルが高い、高すぎる。

私が最大の戦犯だと考える厚生労働省は、この問題を知りつつ先送りした。それを歓迎した医師会も同罪である。私が菅前首相のコロナ対策を半分しか評価できぬ所以である。

厚生労働省及び医師会がなにを考えて、この新型コロナに対応できる病院の拡充に消極的なのかは、未だ明らかにされていない。ただ心あるジャーナリストたちは、既にこの問題に切り込んでいる。

ただマスコミ全般に、この問題に対する関心が薄い。政治家も同様である。これだけ騒ぎになったにも関わらず、この関心の低さはよく分からない。新型コロナが一過性の疾患ならいいかもしれない。

しかし、私はこの新型コロナは毎年微妙にタイプを変えて、今後も続くと予測している。もちろんワクチンも改良されるだろうけど、ワクチンも万能ではない。やはりインフルエンザにおけるタミフルのような特効薬が出ないと、今後も厳しいと思う。

自宅待機とワクチン接種は、そう間違った対策ではないが、それでも医療機関への対応を怠った厚生労働省の失政は、後々に大きな問題となると私は考えています。

ついでだから書いておくと、厚生労働省はこの30年近く失政、失策続きで、民間企業ならとっくにリストラされてもおかしくない醜態なんです。ただ、マスコミ様があまり追求したがらないので、反省も改善もなく現在に至ってますけどね。


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