ヌマンタの書斎

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クマさん大喜び

2024-11-20 09:19:26 | 社会・政治・一般

元を糺せば、現場知らずの事なかれ主義の公安委員会が悪い。

事の起こりは、2018年に砂川市でヒグマ駆除の要請を受けた際、ハンターの男性が発砲した弾が建物に当たる危険性があったとして、公安委員会が猟銃所持の許可を取り消された問題があります。

当然にハンターの男性は許可取り消しはおかしいとして訴訟に及び一審は勝訴。しかし札幌高裁が逆転敗訴の判決を下したことから、ヒグマの駆除を依頼されていた北海道の猟友会が、今後は自治体からのヒグマの駆除要請は受けないと言い出した。

北海道のハンターたちが怒るのも当然です。件の砂川市のヒグマ駆除の際は警察官が同行しての発砲でした。しかも、ヒグマに命中した弾丸が、ヒグマの体内で方向を変えて近くに着弾したのです。これは跳弾といってしばしば生じる現象です。

この跳弾で予期せぬ死傷事故が起こることもあるのですが、残念ながら現在の技術では跳弾を無くすことは出来ません。これは日本よりもあるかに銃器の使用が多いアメリカにおいて、FBIの研究所が長年研究した上での結論です。

跳弾による第三者への被害は悲劇でもあり、出来るだけ防ぎたいのは人情です。そこで命中したら破裂する弾丸やなどが開発されましたが、銃身内で破裂しては意味がないし、なによりヒグマのような危険な大型獣を倒せるだけの威力が必要なため、実用化には至っていません。

ましてや昨今のクマは都市部に出てきて餌を探し求める傾向がありますから、クマに命中した後、跳弾として近くの建物などに打ち込まれることを回避するのは、ほぼ不可能だと思います。このことを知っている人がいたならば、札幌高裁もあのような馬鹿げた判決は出さなかったでしょう。

いや、なにより北海道の公安委員会の誤判断が招いた事態でもあります。ちなみに公安委員会のメンバーは地元の名士や財界の大物などで構成されますが、警察の同意が事前に必要なため、どうしても警察の意向に沿うことが大半です。

おかしなことに当初、猟銃免許の取り消しを決定した公安委員会のメンバーは誰一人、この件に関して発言していません。いや、最初から雲隠れしてだんまりを決め込んでいる。更におかしいのは、そのことを指摘したり追及している大手マスコミが皆無なことです。

警察に睨まれ、記者クラブから追放されたくないマスコミの私的な事情も分からなくもないですけど、それでいいのですかねェ・・・

嫌な推測ですけど、逃げまくって責任追及を回避する行政と、動く気のない政治、追及する気のないマスコミのせいで、このまま立ち消える話題になりかねないと思います。もし変わるとしたら、街中でヒグマに殺された市民が出た場合でしょうね。特にその市民が、高級官僚の家族か、あるいは政治家の家族ならば確実に政府が動くと思いますけど。


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