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約四年ぶりで連載を再開した冨樫義博の「HUNTER×HUNTER」だ。
同時に単行本37巻が発売された。散々と長期休載に文句を言っておいてなんだが、もう夢中で読んでいる。特に最近のH×Hは熟読しないと理解できぬ難解さがある。
これ漫画だよなァと思いつつ、あまりの科白の多さ、特に説明書きとも思える独白の多さに閉口するが、これを読まないと面白みが半減する。
冨樫義博は絵の上手い漫画家だ。絵に対する拘りが過ぎるあまり、アシスタントを全て解雇して一人で作画していた時期もある。連載中はラフなスケッチ画のような絵を描くこともあるが、単行本ではしっかりと修正してくる。
だからこそ、この漫画の製作には相当悩んでいるはずだと思う。少し前のキメラアント編では二ページ丸々と使った絵柄や僅かな科白で読者の胸を打つ場面を描き出すことに成功している。しかし、暗黒大陸への移動に過ぎないはずのBW号の中で行われている次期国王継承戦においては、一転して科白の多さ、説明書きの多さが目立つ。
漫画とは絵と科白、擬音などで成立する表現形式なのだが、今冨樫義博はその限界を感じ、その限界を打破しようと模索しているのではないだろうか。これは初めてではない。「レベルE」などでも実験的な表現、作画を試みている。だから現在のやたらと文字の多い表現は、ある種の実験あるいは試みなのではないかと思う。
そうでもなければ、4年余りの休載という週刊誌連載漫画家としては許しがたき怠惰があるはずない。ちなみに今回の連載再開は8週分だそうだから年内に再び休載に入ることは、ほぼ確定だと思う。
繰り返すけどまだ暗黒大陸への移動中であり、主人公のゴンはお休み中、キルアも妹と旅行中に過ぎない。なのに面白い。当初は殺人奇術師ヒソカvs幻影旅団がメインかと思ったら、王子同士の国王継承戦が凄まじく面白い。
そこにクラピカの復讐が絡むのはほぼ確定的だし、レオリオの見せ場も必ずあると確信している。いったいこの先、どうなっちゃうの?
まったく悩ましい漫画である。
「HUNTERXHUNTER」、発売日に即完売しちゃいました。待ち焦がれた人も多かったでしょうね。
うちの超漫画オタクの同僚は、何だか難しくて話がわかんなくなっちゃったし、間があきすぎてるからもう読むのやめたって言ってました・・。^^;)
同じ日に「ワンピース」の104巻が発売でしたが、こっちは3日ほどかけてHUNTERの3倍売り上げました。(入荷も3倍だった。)
あの漫画はモンスターですね。^^;)
私はどっちも読んでないのですが。(^o^;)
絵とセリフと擬音で二次元で表現するマンガという形態が進化の頂点を越えてしまったのだろうと思います。他の表現方法も出現してるし、読者の想像力に任せられる小説とは違い、マンガは絵という視覚的制約をかけてるからある意味しんどいでしょう。
読者の行間を読む能力も落ちてきてるし、マンガ家も大変でしょう。
この漫画、少年漫画としては難解に過ぎるようになってしまいました。でも熟読すると、とんでもなく面白い。だからこそ単行本を待ち焦がれてしまうのです。
「ワンピース」はようやく佳境に入ってきたようです。完結まで、後数年かかるとは思いますけどね。