青色申告って（４）

毎年３月の時期になると、書類を抱えて税務署に行かれる方は、３年ほど前から困惑されていると思います。以前は書類を見ながら税務署の職員や、応援の税理士が申告書を書いてくれたものですが、現在では自分で書かなければなりません。これを自書申告と言います。

まあ、書き方などは教えてくれますが、昔と異なり自分で書き込まなければならないため、面棟Lい思いをされていると思います。実のところ、税務署の職員や応援の税理士も内心は面棟Lいと思っている人は少なくないだとろうと思います。間違いなく自分たちで書いた方が、早いしミスは少ない。さすがに口には出しませんが、内輪の席では不満がボロボロ出ています。

ぶっちゃけ本音を言わせてもらえば、医療費控除や２箇所以上の給与所得の申告などは、国税庁のＨＰからダウンロードしてやってくれ～です。年に一回の申告ですから、毎年やっていても書き方を忘れることは、ある意味当然ですから申告書の記入は苦労するのは当然です。でも面棟Lがらずに頑張ってみてください。自分で計算して、自分で申告して、自分で納税する。この苦労があるからこそ、税金の無駄遣いや、政府の無為無策に本気で怒れるのです。これこそシャウプ博士が狙った、健全な納税者の育成そのものですから。

ただ、日本の納税者の大半は給与所得者であり、年末調整で課税が終結してしまうため、納税の苦労知らずのお坊ちゃま、お嬢様なのです。税を納める苦労を知らず、還付されることしか念頭にない人がほとんどです。年末調整還付なんて、毎月多めに税金を徴収していた分が、適正な税額に戻るだけの話。当然のことなのです。

実は今年（つまり平成１７年分の申告）から、青色申告は変わります。規模の小さい業務から生じる所得は、従来と変わらず青色控除１０万円です。しかし、規模が大きい、または主たる生計を営む事業から生じる所得は、複式簿記に基づく帳簿が作成されていることを要件に、６５万円の控除が認められる事となりました。まさに飴と鞭の政策です。よほどしっかり記帳していないと、６５万円控除の要件は満たさないと思います。

最近の税務調査に立ち会った感触からすると、以前より帳簿に関する視線が厳しくなった印象があります。先日も青色控除を否認されそうになりましたが、その理由が適正な帳簿とはいえないとの事でした。まあ、今後の改善を約束して、否認は免れましたが、平成１７年分以降の申告には注意が必要だと考えています。

現在、東京国税局管内では、前述した所得率や概算経費による申告（一部例外あり）は認められていません。つまり事業所得者、不動産所得者にとって白色申告のメリットはないわけです。青色申告をお勧めします。それも１０万控除ではなく、６５万控除を受けるために適正な帳簿を作成しての申告をすべきだと思います。