入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

     ’16年「夏」 (43)

2016年06月20日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


今日は重い厚い雲がかかっている。権兵衛山の上半分は霧の中。時折鳥の声が森の奥から聞こえてくるが、静かだ。雨の雫をいっぱいに含んだ木々の葉に霧が絡み、まとわり、そしてすぐまた白一色の霧が湧いてきて山を閉ざしてしまう。かと思ったらまた、ゆっくりと幕が上がるように森が姿を現す。しばらく眺めていると、霧はそうやって同じことを何度も繰り返していた。時々その白い霧の一部が背景になって、何本かの林が幻想的な情景を見せる。上手い具合にそんなときにホトトギスが歌い、カッコーが鳴けば、いつまでもここにいて、たった一人の観客を気取りたくなる。

 昼近くになって、二日ばかり見回りを怠っていた罠を大沢山へ見に行った。そしたら、思いがけずも鹿が1頭掛かっていた。今年はそれほど鹿の被害がなかったから、彼らへの敵対意識は薄かった。一瞬戸惑った。困惑した。今年はまだ一度も、直接には鹿に手をかけていないせいもあって余計に、処置をするのが気が進まない。しかし捕獲した以上は、その鹿の運命をこちらが決めなければならない。
 いつものことだが鹿は、人の近付く気配を察知して必死で逃げようとした。だが、非情の罠は妥協などしない。なんの用意もしてこなかったから、それ以上恐怖におののく鹿を刺激しないよう、取り敢えずその場を離れた。
 実は、鹿に付いているダニが、牛の感染症と関係があるのではないかと疑われていて、鹿を捕獲したら県の家畜衛生保健所に連絡すると約束していた。で、担当の獣医が、これから来ることになった。もちろん、彼女に殺処分までは頼まない。

 町田隊は、無事に里へ帰っていった由、何よりでした。入笠山からの下山路は、さすがに大丈夫だろうと思っていました。都会は暑いでしょう。また、涼しい風に吹かれにいらっしゃい。

 本日、管理棟の☎0266-62-4122が復活しました。留守がちですので、伝言を留守電に残してください。

 山小屋「農協ハウス」とキャンプ場の営業に関しましてはカテゴリー別の「H28年度の案内」をご覧ください。
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