第1牧区では和牛が目立つが、実際は総数44頭のうち11頭と4分の1しかいない
権兵衛山よ、名無しの権兵衛山よ、お前も寒がりなのか。今日も、その灰色の衣をまとって・・・。たまには素裸になって、お前の方が入笠山より4.9メートルも高いのだと、あの山頂に蝟集している登山者に見せたらどうなんだ。そうだとも、お前たち名無しの4兄弟の中では、2千メートルを越えている山もある。入笠山ごときに負けるんじゃない。なに、入笠山のように名前が欲しいと。ウムー、ここだけの話だが、とりあえず南に向かって六兵衛、七兵衛、八兵衛でどうだ、ン。
オオダオ(芝平峠)に出てしばらく来たら、鹿の親子に出くわした。母鹿の跡を追う生後間もない子鹿は、すぐ目の前で雨に濡れた道路に滑り、危うく尻餅を突きかけた。あ、と思ったら、なんとか持ちこたえて、親の後を右手の藪の中に消えていった。
鹿の親子をほほえましく眺め、転びかけた子鹿を気にかける。同じ人間が、その一方で、鹿の生命を絶たなければならない。早くそんなことをしなくても済むように、前にも提案しておいたが、鹿の好物である塩と避妊薬を一緒に食べさせ、個体数を抑えるというやり方を本気で検討してみてはどうなのか。
少し慣れたかジャージー子
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