今日は晴れた。澄み渡った青い空に、爽やかな風が一日中吹いていた。
昨日に続き、鹿のことについてもう少しだけ書いておきたい。前日9日の毎日新聞長野県版によれば、「GPS発信機で鹿の移動経路を把握して効率よくわなを仕掛け、捕獲数を増やす」という県による初めての試みを大きく報じていた。
どうもこの記者は、有害動物の駆除についてよく知らないままに記事を書いたと思われる。捕獲目標を達成できないのは、『子供を毎年産む雌の捕獲目標が達成できていない』からだと、県の鳥獣対策担当の言葉をそのまま紹介し、その理由は「猟銃を使って雌を選んで捕獲しようと計画していたが、猟銃による捕獲は効率が悪いため、雄雌ともに捕獲するわなを使った方法に頼っているためという」と書き、これで説明したつもりかもしれないが、文意がよく分からない。県の担当者が、だから雌が減らないのだというのなら、これまた呆れるしかない。
雌は群れを作るが、雄は雌の群れといつでも行動を共にしているわけではない。行動していたとしても雌に比べその数は少ない。通常は、群れを狙って罠を掛けるから、捕獲される鹿は圧倒的に雌の方が多い。罠で雌雄の区別なく捕獲しようとした結果、雌の捕獲目標が達成できないというのは、何の説明にもなっていない。かつて、銃で雄ばかりを狙っていた結果が、現在のような状況をつくってしまったということを、もう忘れてしまったとしたら、問題である。
それでGPSだが、計画では八ヶ岳を中心にナント15頭の鹿に付ける予定だという。それで一体、何が分かるのだろうか。また、捕獲の効率を上げるためなら、移設可能な囲い罠、監視カメラを利用した獣道の調査、誘引方法の工夫と普及、くくり罠の集中設置などと、もっとやるべきことがありそうに思う。
先日罠の点検に行ったら、1頭捕獲したまま見落としていて、足しか残っていなかった現場を見た。これでサンクチュアリーから鹿の気配は完全に消えた訳が分かった。くくり罠に掛かった鹿は、見せしめに2,3日そのままにしておけば、群れは別の場所に移動する。
かつて”本州一”の捕獲数を誇った当牧場の囲い罠は、今年はいまだ6頭という結果しか出していない。鹿も囲いの中の捕えられた鹿を見て学習するから、固定式はいつかはこうなる。
TDS君、海老名出丸さん、ありがとうございました。また、書きます。
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