昨夜も9時間ほど眠った。その間に目が覚めたかも知れないが、記憶にはない。一昨日は、小手調べに今冬初の夜の散歩をして、小太郎とHALの墓も含めて4カ所の墓参りをした。4,5キロは歩きそれなりの運動をしたと思ったが、夜間に2度目が覚めた。ところが昨日は、夜の散歩に出掛けなかったのに、あれだけよく眠れた。
当面の冬ごもりの楽しみは読書と散歩ぐらいだが、目がどうもおかしくなって、長時間細かい文字を読んでいることができなくなってきた。極東軍事裁判を傍聴し、靖国神社を参拝し、今は月の世界に行っていて、この後はアラスカにも旅しなければならないというのに、これでははなはだ心許ない。
読書は旅のようなものだと呟いた。列車に揺られながら変わりゆく窓外の景色を眺めるようなものだと。今さら知識を増やそうとしたり、何か高尚なことを考えるための読書では全くない。だから何でもいいのだが、傾向としては、もっぱら知らなかった事実を伝えてくれる本に関心が行くようだ。
ところが、今読んでいる本はSF小説である。それも、視力のことさえ気にならなければ、一気に読了できるくらい面白い。
SF小説は、アーサー・C.・クラークを何冊かくらいしか読んでいない。本人は「2001年宇宙の旅」を代表作と見做されるよりか「遥かなる宇宙の歌声」が「最も気に入った,最高の作品」だと言っていて興味深いが(「ODYSSEY」)、映画を監督したキューブリックへの対抗心、あるいは嫉妬心もあるかも知れない。それはどうであれ、ともかくSF小説とはあまり縁がなかった。
ところがこの本を読んでいると、今の読者を満足させるためには発想も凄いし、何よりも著者が難しい科学の知識や理論に通じ、それらを縦横に取り入れ、活用している、ら・し・い・のに驚いた。どこまでが科学的に事実、理論に基づき、どこから先が虚構なのか判断できるわけではないから、そう言うしかないのだが。本の題名はそれとなく知っていた。
この本と、アラスカを舞台にした日本人登山家の本は、秋の終わりごろ上を訪ねてくれたAさんが、その時一緒だったKさんを介して送ってくれた。偶々クラークの本や、アラスカの旅行記が部屋に散らかっていたを目にして、この2冊を選択してくれたのだろう。
最近の"旅"の傾向とは違うが、それでもこの本は、、間違いなく読んでおいて良かった1冊になる。まだ読了してないが、そう断言できる。本の題名は「星を継ぐもの」、著者はジェイムス・P・ホーガン、創元SF文庫。同文庫読者投稿第1位、100刷だと!
本日はこの辺で。