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本日も高曇り、辺り全体の森や林、放牧地に、初冬とまでいかぬも晩秋の趣を感じるようになってきた。日が射しているかいないかの差で、季節感が大きく揺れて、いい季節の後ろ姿がいつしか見え始めるようになった。
昨日は予定通り、種平小屋の高橋夫妻と笹平沢から白岩岳の現地踏査に行ってきた。天候はいつになく友好的で、稜線に出てからは風もあったが大きな真っ青な空の下で、久しぶりに普段の仕事を離れて秋の山を堪能できた。
2万5千分の1の地図には、笹平沢の流れに沿って登っていく山道があり、沢が分岐する辺りからさらに道は山腹を上部へと続き、釜無山と白岩岳を結ぶ標高2千メートルの稜線上に続いている。さらにその鞍部から長い距離を経て、道は富士見へと至る。また、笹平沢出会いから少々現在の林道を下ると、右手にフトノ峠に登る山道があり、峠を経れば山室の集落へと下っていく。つまりこの山道は、いつのころまで使われたかは不明ながら、伊那側と富士見側を結ぶ役割を果たしてきたようだった。しかし現在は、フトノ峠に至る以前に山道は途中から獣道と判別がつかなくなってしまい、かつてのように利用することはできなくなっている。
笹平沢も、前回は1千700メートルまで行きながらついに上部へと続く山道を発見できず、天候のこともあり、急峻な尾根のそれ以上の登行を断念して帰ってきた。ただ断念はしたが、その後もずっと引きずっていた。
なぜそんな山道にこだわったかと言えば、現在使われている小黒川林道からの白岩岳ルートは、樹林帯の中にある相当急な尾根道を、標高差千メートルもひたすら登らなければならず、ために中級山岳の登山路としては一般向けとは言い難かった。だからもしも、笹平沢から稜線にある無名の峠までの山道が通行可能となれば、白岩岳を中心とした南アルプス北部への入山方法が一つ増えることになる。新たに渓谷美を楽しんだり、素晴らしい眺望の稜線を行く魅力的な登山道が期待されたのである。(つづく)
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愛知のNさん、東京のTさん、了解しました。Tさん、「ポン酢を持っていく云々」は鹿肉のことを言ってるのならバターも忘れないでください。ただし、まだ在庫は半身だけです。
O沢さん、昨日の山行では幾つもの呂マークの石標を見ました。どうします?