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登山日:H26年10月28日
以前から白岩岳には、一度は登ってみたいと思っていた。入笠にいれば、もう他の山には行かなくてもいいと決めていたが、幾つかの例外のひとつがこの山だった。南ア北部に属するとは言え訪れる人もいない、登山者からは忘れられた山だというのが、多分この白岩岳への関心を強くしていたように思う。
最初は、4月ごろの残雪を利し、釜無山から縦走して横岳、そしてできれば甲斐駒ケ岳まで足を延ばすつもりでいた。しかしなかなかその機会も作れないまま幾年も過ぎた。牧場の先行きもはっきりしない中、今秋こそはと思っていた矢先、たまたまみろく山の会の一行が、来年冬の下見を兼ね荷揚げに登ってきた。同行してきた旧知のOZWさんが興味を示してくれたので一緒に登ることにして、その上で今回は白岩岳一本に絞ることに決めた。コースも小黒川林道沿いにある旧営林署の作業員宿舎からとした。
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某山岳会のクマ女史の話では、登山道は未整備で登路もはっきりしないということだったが、意外とそうでもなかった。ただ小黒川の丸太橋を過ぎてから登り口を見落とし、時間を無駄にした。
標高差約千メートルのこの登山道は、ひたすら尾根を急登する4時間ばかりの行程だが、さてあの道を登山道と呼ぶにふさわしいかどうかは、いささかの躊躇いを覚える。人が通過できる、最低限の山道とでも言ったらよいか。ただし、古ぼけた標識布が要所に付いていて、また尾根道のため迷う心配はまずない。天気は快晴であったが風が強く、2時間ばかり登った後の休憩時に、OZWさんから手袋を拝借した。
途中、背丈ほどの焼失した古木を何度か見た。人の仕業だと思ったら、OZWさんが「落雷でしょう」と教えてくれた。さもありなん、長い時の中では。しかしどれほどのスパンで考えたらよいのか、50年、100年、・・・いやまだまだか。
高度を上げるにつれ、入笠牧場から鹿嶺高原へと続くなだらかな尾根が眼下に見えてきた。と、その一部横腹を、大規模な伐採が行われているのを目にして、声を上げた。間伐ではなく伐採である。どういう理由や目的があって、あれほど広大な斜面を丸裸にしてしまうのか、理解しにくい光景であった。
3時間半ほどで縦走路とおぼしき踏み跡に出て、頂上へはそこから5分ばかりだった。(つづく)
山小屋「農協ハウス」とキャンプ場の営業に関しましては9月5、6日のブログをご覧ください。昨日の午後雨の中、このブログを見て2名の女性がキャンプ場にやって来た。昨今はテントを共用せず、各自がそれぞれの物を使うようだ。本日の写真はiPhoneにて撮影。不慣れのため、見苦しい。ご容赦を。