入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

   春を待ちつつ、仕事開始

2014年04月21日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など

           第2検査場

 昨年あたりから入牧頭数が激減したから、もう、この検査場を使うような日は来ないだろう。しかし此処と貴婦人の丘は一般道に近接しているため、放置しておくわけにもいかない。
 昨日、牧柵を点検して、あまりの荒れた状態に驚いた。この牧場の管理を引き継いだのが8年前、まるでそのころに戻ってしまったようだ。原因は雪と鹿だろうが、今年が特にヒドイということは、やはり大雪のせいだと考えるしかあるまい。
 鹿といえば、冬を越せなかった鹿の死骸が大分あちこちにあるようで、その様子を見に森林管理署の担当者が登ってきていた。と言って、彼らに鹿対策の妙案があるとも思えない。



 今朝、8時45分の気温は5度C、霧と細かい雨の日。このくらいなら外の作業に支障はない。物置小屋の前を除雪して、作業に必要なバラ線などを運びだす。このバラ線を支柱にステンの16番という太さのステンレス製の針金で結線するのだが、これを鹿は切る。初めは信じられなかった。ステンの方が、普通の針金より粘性がないのだろうか。
 貴婦人の丘と第2検査場の牧柵修理は大方終わる。明日来て、さてどうなっているだろうか。また鹿に切られていなければよいのだが。



 今日は終日こんな天気。奥山氏の言うに「お爺の元気と春の雪」だと。儚さや呆気なさを譬えて言うのだろうが、確かにこの残雪はもうすぐ消えてなくなるだろう(モチロン、あのお爺は消えてはいかん)。そして牧場にも、美しい季節がすぐそこまで来ている。
 昨日は家に着いたのが8時過ぎていたから、今日は明るいうちに帰る。

 Ume氏にスペシャルサンクス!またまた助かりました。
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   入牧初日を寿ぐ

2014年04月20日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など

  あの大量の雪は何処へ

 驚いた。管理棟まで、何の問題もなく車で来ることができた。4月20日を仕事開始とした2年目から7年、こんなことは初めてのことだ。今日は初日ということで7時ごろ牧場に到着。気温は3度C,天気は曇り。

 道中、「天下一」とかの高遠城址の桜ばかりではなく、今を盛りと咲く花をあちこちで目にする。ひときわ豪勢に見える桜の一群もあれば、風景に溶け込むように楚々と咲く花もある。小豆坂のトンネルを抜けると気温差が大きいのだろう、山室の谷の桜はようやく赤い蕾が膨らみ始めたばかりのようだ。
 


 さてさて牧場に来てみれば、あの大雪はまるで嘘のよう。初日の仕事は水まわりからというつもりが、水量もあまりなく、もう少し先に延ばすことにする。
 小屋の雨戸や窓を開け、早春の風をいっぱい入れる。そして牧場の様子を見るため、五所平の第1牧区へ上がる。まだまだ車では無理。





 大雪のせいで、牧柵がいたるところ切断している。補修にはかなりの日数が必要になるだろう。できるだけ早いうちに、電気牧柵も立ち上げなければならないが、まだ残雪に埋もれている箇所もある。これだけは一気にやって通電できなければ、すぐに鹿に切られてしまう。鹿といえば、御所平で3頭、第4牧区の上部で2頭目にしただけだ。今年は雪のせいで、まだそれほどの数が登ってきていないのかもしれない。

 夕方になって、とうとう雨になってしまう。ここ何日かあまり天候は期待できそうにないが、3月に強い風が吹き4月にはたくさんの雨が降って、そうして美しい5月が来るのだと、英国人は言うのだとか。先日の新聞で読んだ。ここもぜひ、そうあってほしいもの。

 多方面から励ましの言葉をいただきありがとうございました。頑張ります。キャンプ場と山小屋「農協ハウス」も、どうかよろしくお願いいたします。
 
 

 

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    里の春を惜しみつつ

2014年04月18日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など

  たまにはキクをトップにしてあげる

 里には寒い冬が去り、春が来た。そして5か月の休みが終わる。今日、だいぶガタの来た通勤兼作業用の軽トラが農協から届けられた。ご先祖さまには申し訳ないがあと何年もつか分からないこの陋屋、その放ったらかしの庭のささやかな春を心に留めて、牧場に上ることにする。
 

 隣家ではとっくに咲いたカタクリの花、諦めかけていたらようやく芽が出て、あと一息


 ヒトリシズカは「沢山(さわやま)」で採った


 昔からあるボケが今年も白い花を咲かせた


 イカリ草も元気、もうすぐ白い花も咲く


 アジサイ(和種)の花が咲くころは?

 休みの間には山陰から出雲への旅をした。お蔭で古代史に興味を覚え、いろいろな本を読んだ。しかし、いつまで記憶に残っているだろうか。アマツヒコヒコナギサタケウガヤフキアエズノミコト、だって。クク。
 
 東京にも忘年会と花見に呼ばれて2度行った。新調したスキーで懲りもせず滑り、1回転んだ。冬の入笠へも何度か足を運んだし、自転車に乗って伊那谷の春風を楽しんだ。もういいだろう。

 この先どうなるか分からない日本の農業、就中畜産業は厳しい。今後の牧場経営は難しいようだが、ではどうしたらこの美しい自然を残すことができるのか。
 
 伊那市の観光事業について、今日の「毎日」地方版は大きなスペースを割いていたが、入笠が忘れられていたのは牧場管理人のせいなのだろうか・・・。


        トリはHAL

 

 

 
 
 
 
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   入笠の遅い春、大型連休を前に

2014年04月15日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など






 これらの写真は今月の9日、山奥氏と一緒に行ったときに撮ったものだが、その後はどんなだろうか。仕事を始める20日まで残り5日と迫った。

 例年、「ど日陰の曲り」手前で雪に阻まれ、そこからは約1時間の徒歩を強いられたものだが、今年は牧場の北門までは除雪されていることを確認済みである。北門からなら、3、40分も歩けば管理棟に着けるだろう。
 また連休前には富士見パノラマが、ハイカーやサイクリストらの便を考えて入笠山周辺の除雪を終わらせるはずだが、今年は大型連休、それがいつになるだろうか。

 牧場も、キャンパーや小屋の宿泊者の受付が連休とともに始まる。入牧したら、まずしなければならないことは水回りだが、冬の間に小屋の水道は被害にあった。雪を掘り起こして、バルブも開けたり閉めたりの仕事が待っている。

 これらのことにも増して重要な仕事が、御所平にある第1牧区の鹿対策で、少しでも早く電気牧柵を立ち上げ通電しなければならない。さもなければ、折角伸び始めた牧草が文字どうり鹿の餌食になってしまう。
 昨年までは、県や市の職員が20名ほど来てこの作業をしてくれたが、県のこの事業打ち切りで、今年からはそうした支援は期待できない。管理人が1人でやらねばなるまい。

 このブログは、キャンプ場や山小屋「農協ハウス」の案内ということで始めたものだが、勝手な独り言が多く、その趣旨に沿うことができたか疑問だ。しかし、今年も牧場近辺の様子や牛や鹿のこと、あるいは星座のことなど、本来の仕事の合間に、できるだけお伝えしていきたい。
 
 (キャンプ、宿泊の詳細はまた改めて近々に取り上げる予定ですが、コメントにても問い合わせに応じてますので、ご利用ください。)
 











 
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 百姓山奥いつもいる氏の”隠れ家"を訪う

2014年04月11日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など
            
     中央の空き地に”本格”を建てるつもりが挫折(本人の弁)左の小屋らしきは、夏場ここで涼み、
     まどろむのだと(自慢の風呂と貯蔵庫はPHでは見えないが、左手前にある)

 
 一昨日、奇人の会の山奥氏の山荘を紹介すると予告しておきながら、昨日は所要のため果たせず。遅ればせながら、本日のこの佳き日に(ホント)、いまや仙境に入りつつある山奥氏と氏の隠れ家を少し公開。

            
  ジャーン!山奥いつもいる氏登場(胸にはどこぞかで釣り上げた大物の写真をぶらさげている)

 氏はさる大手ゼネコンで長年禄を食んだのち、神奈川の山と海を捨て、芝平の山奥に降臨したとか。あの偉人のように、「おのが精神の世界に遊び、孤独をたのしんで、(略)片時として倦むことがな」い、という暮らしだそうだ。そのくせ、海釣りが趣味のようで時折、徒歩3時間半かけて山を下り、中央線のどこぞかの駅から海へ出かけていく。スキーや山もウルサイらしく、本人は「アジアのザイラー」だと、古い時代の話をする。また、酒呑(しゅてん)の人ににかかれば、ツキノワグマなんて「ネコのようなものだ」と言ってくれるのだが、サテ。


  肉を燻製する専用の小屋で鹿肉は貴重な食料


 山奥氏自慢の「芝平浴場」貯蔵庫とともに別棟にある

 雪に閉じ込められた長い冬が終わった。いまごろ山奥氏は安堵して、大物釣りでも夢想しながら釣竿の制作に余念がなかろう。暖かい春の光は人を陽気にし、誇大な夢が人の胸を膨らます。クク。

 今日は朝早くから長野県総合射撃場で有害鳥獣捕獲に関する講習会。意外と早く終わったので遠回りして帰る。
 
 高台に登れば、伊那の谷は春の息吹に溢れ、少し靄のかかった大きな空と雪を被った中アの山並みが、いつもよりこの盆地を広く深く見せている。蛇行を繰り返しながら遠く遠州灘へと流れていく天竜川のつくった雄大な景色だ。桜の花もようやくそこかしこで目に付くようになった。と言っても、「天下一」とかの高遠の桜の見ごろは、まだ幾日か先になる。CHIさん、感謝。見てます。見てます。



   
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