好むと好まざるとにかかわらず、
我々は同じ過去を共有し、
同じ未来を共有してもいる……。
2006年発行 ジャケットカバーの表折り返し(袖)部分に 内容紹介として印刷されているのは
上記のような表現だが 本文に当たってみると 少し違っている。
それにしても ずいぶん言い切っているものだ。
何の話かって
「わがタイプライターの物語」 ポール・オースター サム・メッサー 絵/柴田元幸 訳 2006
からの話である。
でさ、なんでその本なわけ?であるが
最近続けてタイプライターの「出演」する場面のあるものを見ることとなり
お楽しみで先に取っておいた本を 何だか気になって取っておけなくなったのである。
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○ 「manhattan lo♥e story」 第6回
○ 「武士の娘 鉞子とフローレンス」 後編
前者には なかなかに大量のタイプライターが
後者には 一つのタイプライターが出てきた。
あこがれの編集者に成るべく アトランタからニューヨークにやってきた、「manhattan …」の主人公。
初めて任された仕事は 官能小説。締め切りを前にオフィスで格闘していると そこに
ハリケーン時にはパーティーをするというボーイフレンド家族がぞろぞろ集まり出し(コメディです(^_^)/)
仕事は進まず大嵐に停電まで起こる。電気のバックアップもなく パソコンが使えない。時は 夜。
ふと (手動である)タイプライターがたくさん残っていることに気がつき(出版社のオフィスですから(^_^)/)
ボーイフレンド家族も駆り出しての タイプライターdeお清書大作戦。
パーティーグッズで持ち込んできたものの中にあったか、
停電対策・グラス入りローソクの火がそこかしこに揺らめき
黙々とタイプする(官能小説ですから(^_^)/)人たち。カシャ カシャカシャカシャ…。きれい。
ロマンティック・コメディに うっとりした私です。
フローレンスの打つタイプ音は お行儀よく、彼女のたたずまいに似つかわしく
向かい合う鉞子へ 生 滅 滅 己 寂 滅 為 楽 と 唱和されていった。
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「 二年か三年前、終わりが迫ってきたことを感じて、地元
ブルックリンの行きつけの文房具店に出かけていき、店主
のレオンにタイプライター・リボンを五十個取り寄せて
くれと頼んだ。それだけの数をかき集めるのに、レオンは
何日もあちこちに電話をかける羽目になった。カンザス・
シティから送らせたものもあるんですよ、と彼はあとで話
してくれた。」 「わがタイプライター…」 P.26
の部分では 「所さん!大変ですよ * 」のチョークの回を楽しく思い出した。
*
毎回のように モーリー・ロバートソン登場。
“子育てに追われているとき 偶然
「よくひとりぼっちだった」モーリー・ロバートソン という本を手にした。”な風景を
昨年だったかずいぶん久しぶりに思い出して この頃は
ふりむけばヨコハマ、じゃなかった ふりむけばモーリー、と言えるほど 身近に会えるようになった。