バレリーナ・森下洋子の思い出のバースデーケーキ。
おかあさんは洋子さんの目の前で その美しい誕生日ケーキを作ってくれた、という。
スポンジ生地が純白クリームでおおわれ、
同じく純白のバラがクリームでかたどられ、
そのバラが いくつも作られ ケーキの上に置かれていた。
仕上げの飾りに アラザン。そう、銀色の。
クリームでかたどられた バラを 同じかたちを 他のところで見かけたことがあった。
洋子さんがレッスンの合間につまむのは、大好きなチョコレートを二つ三つ。
「暮らしのおへそ」Vol.16 の中に そう紹介されていて、
そのチョコレートのかたちは バースデーケーキに置かれていたクリームのバラとそっくりだ。
「朝、稽古場に入ったら稽古が終わる夕方までほとんど何も食べない」洋子さんは
そのバラのチョコレートをつまむとき、
おかあさん手作りの 美しい誕生日ケーキのことも 思い出したりするのだろうか。