■昨日3月16日午前8時に、福島県災害対策本部が、福島市方木田の福島県原子力センター内の水道水を採取したところ、核分裂生成物、つまり放射性物質としてヨウ素131、セシウム134、137が検出されました。これらの物質は、本来、水道水から検出されてはならないものであり、福島第1原発事故の影響によって、大気中に拡散した放射性物質が、雨などで混入した可能性があります。
福島市は3月15日午後5時頃から大気中の放射線量が通常の約500倍前後に上昇したため、福島県が心配して水道水の成分を独自で調べたのです。福島市水道局によると、水源は福島市北西部に位置するダム1カ所で、第1原発から北西に約80キロ離れています。約11万1千戸に水道水を供給していますが、地震発生後、全戸で断水しました。3月15日から一部地域で供給を始め、3月16日午前8時現在で約2万7千戸が復旧していました。
■検出結果は、1秒間に崩壊し放射線を発する原子核の数を表すベクレルという単位では、ヨウ素131が水道水1キロあたり177ベクレル、セシウム134、137は58ベクレルが検出されました。それぞれ国の基準の300ベクレル、200ベクレルの半分程度だとして、福島県は「普通に飲んだり使っても問題ない」と説明しています。
原子が崩壊しその量が半分になるまでの半減期はヨウ素131が約8日。セシウム137は約30年です。ヨウ素131は不安定で別の物質に変わりやすく、普段は検出されないため、福島第一原発から大気中に広がった放射性物質が水道水に入ったことはほぼ確実と思われます。
その後、3月16日午後2時半に取った水からはヨウ素、セシウムともに検出可能な下限値を下回り、同6時はヨウ素だけが検出され、21ベクレルでした。福島県では今後も県内数百箇所の水源の監視を続け、データを公開していくとしています。
■上記のように、分析結果の評価では、普段は検出されることのない放射性物質ではあるが、国の基準を下回っており飲んでも健康には問題ないとされましたが、本当に大丈夫なのかどうか、水道水という私たちの健康に直結する重要な要素にも放射性物質が混入しているというショッキングな報道に大きな不安をいただいた人はたくさんいました。
一方、別の報道では、専門家と称する方のコメントとして「水道水ならろ過されるので、放射性物質は心配しなくてもよい」として、広島大学原爆放射線医科学研究所教授の談話を紹介しています。http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110316/dst11031621090097-n1.htm
■そこで、当会は、本日、安中市の上水道部事務課に電話をかけ、担当の富田氏に、「急速ろ過方式の現在の浄水プロセスで、放射性物質が除去できるのかどうか」と質問してみました。ところが、最初の回答は、「群馬県のホームページを見てほしい」というものです。「ホームページに掲載されているのですか?」と訊くと、「群馬県で大気中の放射線レベルを計測したデータを毎日掲載しているが、それは健康に影響を及ぼさないレベルだから、水道水も安全だ」という返事でした。
そこで、当会は、「大気中の放射線レベルではなく、水道水をつくるとき、ろ過で放射性物質が除去できるのかどうか、技術的なことを聞きたいのです」と言うと、安中市の水道担当者は「急速ろ過で取りきれるかどうかは、群馬県のほうに聞いてほしい。放射性物質への対処についても県のホームページに掲載されている。なお、安中では現在、放射性物質の検出装置は備えていないが、群馬県のほうでは、放射性物質は検出されていないとしているので、測定する必要も無く、水道水の安全性は保たれていると考えている」という返答でした。
■どうやら安中市では、大気中の放射線レベルが健康に影響のない範囲にあれば、水道水にも問題はないと、本気で考えているようです。
そこで、当会は心配になり、さっそく、群馬県に次のとおり質問しました。3月17日の夜までに、まだ返事がありません。
**********
群馬県衛生食品課 御中
毎々お世話になります。
現在、大地震により発生した福島原発事故で、原子炉多数が破裂するという深刻な事態になっておりますが、ついに3月16日には福島県災害対策本部が午前8時に採取した福島市内の水道水から、通常では検出されることの無い放射性物質のヨウ素が水1リットル当たり177ベクレル、セシウムが58ベクレル検出されたという記事がマスコミで報じられました。原子力災害時の印象物摂取制限移管する国の基準であるヨウ素300ベクレル、セシウム200ベクレルは下回るものの、今後、原発事故の推移によっては、大量の放射性物質の拡散により、群馬県内にも運ばれて水道水源に混入する可能性は否定できないと思われます。
一方、別の報道では、専門家と称する方のコメントとして「水道水ならろ過されるので、放射性物質は心配しなくてもよい」として、広島大学原爆放射線医科学研究所教授の談話を紹介しています。http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110316/dst11031621090097-n1.htm
急速ろ過方式の現在の水道水のプロセスで、放射性物質が除去できるのかどうか、さっそく地元の安中市上下水道部事務課の富田氏に電話したところ、「急速ろ過で取りきれるかどうかは、群馬県のほうに聞いてほしい。放射性物質への対処についても県のホームページに掲載されている。なお、安中では現在、放射性物質の測定器は備えていないが、群馬県のほうでは、放射性物質は検出されていないとしているので、測定する必要も無く、水道水の安全性は保たれていると考えている」という返答でした。
つきましては、次の点についてご教示ください。
(1)ろ過方式で、放射性物質はどの程度まで除去できるのか。
(2)ろ過方式で、放射性物質が除去できないのであれば、ほかに除去できる方法としてどのようなものがあるのか。(例えばマイクロフィルターや逆浸透膜などでは除去可能か)
(3)群馬県でも災害対策本部のようなところが、水道水に含まれた放射性物質の検出測定をおこなっているのか。あるいは行う予定があるのか。あるとすればいつごろか。
(4)県内各自治体の水道事業施設において、取水段階と、水道水として配水する前に、放射性物質の検出測定をする態勢を急遽整える必要があると思うが、そうしたことは現在検討中なのか。
(5)群馬県のホームページでは「東日本大震災による福島県の原子力発電所事故により、群馬県の水道水が放射性物質で汚染されていないかというお問い合わせが多数寄せられています。群馬県の水道水は、井戸水や河川水を浄水処理して給水しています。この河川水は利根川水系であり、県内及び栃木県を流れているもので、直接汚染される可能性はありません。空気中のちりやほこりに含まれる放射性物質が雨水となって、井戸水や河川水に混入する可能性はありますが、空気中の放射線量は常時監視しており、現時点では問題のないレベルです。安心してお使いください。」とありますが、空気中の放射線量と放射性物質とはぜんぜん違うのではないか。なぜ、空気中の放射線量を県庁にあるモニタリングポスト?で常時監視して現時点のように問題ないレベルであれば、水道水の安全が担保されるのか、因果関係で分かりやすく言えば、どういうことなのか。
以上、よろしく折り返しご回答賜りたくお願い申し上げます。
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■群馬県から当会宛に回答があり次第、ご報告します。
【ひらく会情報部】
福島市は3月15日午後5時頃から大気中の放射線量が通常の約500倍前後に上昇したため、福島県が心配して水道水の成分を独自で調べたのです。福島市水道局によると、水源は福島市北西部に位置するダム1カ所で、第1原発から北西に約80キロ離れています。約11万1千戸に水道水を供給していますが、地震発生後、全戸で断水しました。3月15日から一部地域で供給を始め、3月16日午前8時現在で約2万7千戸が復旧していました。
■検出結果は、1秒間に崩壊し放射線を発する原子核の数を表すベクレルという単位では、ヨウ素131が水道水1キロあたり177ベクレル、セシウム134、137は58ベクレルが検出されました。それぞれ国の基準の300ベクレル、200ベクレルの半分程度だとして、福島県は「普通に飲んだり使っても問題ない」と説明しています。
原子が崩壊しその量が半分になるまでの半減期はヨウ素131が約8日。セシウム137は約30年です。ヨウ素131は不安定で別の物質に変わりやすく、普段は検出されないため、福島第一原発から大気中に広がった放射性物質が水道水に入ったことはほぼ確実と思われます。
その後、3月16日午後2時半に取った水からはヨウ素、セシウムともに検出可能な下限値を下回り、同6時はヨウ素だけが検出され、21ベクレルでした。福島県では今後も県内数百箇所の水源の監視を続け、データを公開していくとしています。
■上記のように、分析結果の評価では、普段は検出されることのない放射性物質ではあるが、国の基準を下回っており飲んでも健康には問題ないとされましたが、本当に大丈夫なのかどうか、水道水という私たちの健康に直結する重要な要素にも放射性物質が混入しているというショッキングな報道に大きな不安をいただいた人はたくさんいました。
一方、別の報道では、専門家と称する方のコメントとして「水道水ならろ過されるので、放射性物質は心配しなくてもよい」として、広島大学原爆放射線医科学研究所教授の談話を紹介しています。http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110316/dst11031621090097-n1.htm
■そこで、当会は、本日、安中市の上水道部事務課に電話をかけ、担当の富田氏に、「急速ろ過方式の現在の浄水プロセスで、放射性物質が除去できるのかどうか」と質問してみました。ところが、最初の回答は、「群馬県のホームページを見てほしい」というものです。「ホームページに掲載されているのですか?」と訊くと、「群馬県で大気中の放射線レベルを計測したデータを毎日掲載しているが、それは健康に影響を及ぼさないレベルだから、水道水も安全だ」という返事でした。
そこで、当会は、「大気中の放射線レベルではなく、水道水をつくるとき、ろ過で放射性物質が除去できるのかどうか、技術的なことを聞きたいのです」と言うと、安中市の水道担当者は「急速ろ過で取りきれるかどうかは、群馬県のほうに聞いてほしい。放射性物質への対処についても県のホームページに掲載されている。なお、安中では現在、放射性物質の検出装置は備えていないが、群馬県のほうでは、放射性物質は検出されていないとしているので、測定する必要も無く、水道水の安全性は保たれていると考えている」という返答でした。
■どうやら安中市では、大気中の放射線レベルが健康に影響のない範囲にあれば、水道水にも問題はないと、本気で考えているようです。
そこで、当会は心配になり、さっそく、群馬県に次のとおり質問しました。3月17日の夜までに、まだ返事がありません。
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群馬県衛生食品課 御中
毎々お世話になります。
現在、大地震により発生した福島原発事故で、原子炉多数が破裂するという深刻な事態になっておりますが、ついに3月16日には福島県災害対策本部が午前8時に採取した福島市内の水道水から、通常では検出されることの無い放射性物質のヨウ素が水1リットル当たり177ベクレル、セシウムが58ベクレル検出されたという記事がマスコミで報じられました。原子力災害時の印象物摂取制限移管する国の基準であるヨウ素300ベクレル、セシウム200ベクレルは下回るものの、今後、原発事故の推移によっては、大量の放射性物質の拡散により、群馬県内にも運ばれて水道水源に混入する可能性は否定できないと思われます。
一方、別の報道では、専門家と称する方のコメントとして「水道水ならろ過されるので、放射性物質は心配しなくてもよい」として、広島大学原爆放射線医科学研究所教授の談話を紹介しています。http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110316/dst11031621090097-n1.htm
急速ろ過方式の現在の水道水のプロセスで、放射性物質が除去できるのかどうか、さっそく地元の安中市上下水道部事務課の富田氏に電話したところ、「急速ろ過で取りきれるかどうかは、群馬県のほうに聞いてほしい。放射性物質への対処についても県のホームページに掲載されている。なお、安中では現在、放射性物質の測定器は備えていないが、群馬県のほうでは、放射性物質は検出されていないとしているので、測定する必要も無く、水道水の安全性は保たれていると考えている」という返答でした。
つきましては、次の点についてご教示ください。
(1)ろ過方式で、放射性物質はどの程度まで除去できるのか。
(2)ろ過方式で、放射性物質が除去できないのであれば、ほかに除去できる方法としてどのようなものがあるのか。(例えばマイクロフィルターや逆浸透膜などでは除去可能か)
(3)群馬県でも災害対策本部のようなところが、水道水に含まれた放射性物質の検出測定をおこなっているのか。あるいは行う予定があるのか。あるとすればいつごろか。
(4)県内各自治体の水道事業施設において、取水段階と、水道水として配水する前に、放射性物質の検出測定をする態勢を急遽整える必要があると思うが、そうしたことは現在検討中なのか。
(5)群馬県のホームページでは「東日本大震災による福島県の原子力発電所事故により、群馬県の水道水が放射性物質で汚染されていないかというお問い合わせが多数寄せられています。群馬県の水道水は、井戸水や河川水を浄水処理して給水しています。この河川水は利根川水系であり、県内及び栃木県を流れているもので、直接汚染される可能性はありません。空気中のちりやほこりに含まれる放射性物質が雨水となって、井戸水や河川水に混入する可能性はありますが、空気中の放射線量は常時監視しており、現時点では問題のないレベルです。安心してお使いください。」とありますが、空気中の放射線量と放射性物質とはぜんぜん違うのではないか。なぜ、空気中の放射線量を県庁にあるモニタリングポスト?で常時監視して現時点のように問題ないレベルであれば、水道水の安全が担保されるのか、因果関係で分かりやすく言えば、どういうことなのか。
以上、よろしく折り返しご回答賜りたくお願い申し上げます。
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■群馬県から当会宛に回答があり次第、ご報告します。
【ひらく会情報部】