市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

政務活動費不正受給抑止の決め手?領収書のHP公開を求めてオンブズマンが群馬県・前橋市・高崎市に陳情

2016-11-12 23:24:00 | 政治とカネ
■領収書等ネット公開を求める全国一斉陳情
全国市民オンブズマン連絡会議は、9月24・25日に香川県高松市で行われた全国大会における大会宣言にも登記、政務活動費の領収書等ネット公開を求めるため、全都道府県・政令市・中核市議会に対して11月10日(木)に全国一斉陳情を行うべく各地のオンブズに10月19日に呼びかけを行いました。この取り組みに呼応して、市民オンブズマン群馬としても11月10日に、群馬県及び中核市である前橋市と高崎市に対して「領収書等ネット公開を求める陳情」を行いました。こうした全国的な一斉陳情は全国のオンブズマンとしても初の取り組みです。なお、陳情後、議会がどう対応したかも継続的にチェックしていきます。

当会の陳情を報じた11月11日付上毛新聞社会面記事。

 群馬県では当会が、次の内容で、3つの地方公共団体の議会に陳情書を提出しました。

*****群馬県議会あて陳情書*****PDF ⇒ iqnccj161110o.pdf
                         2016年11月10日
群馬県議会議長 星野 寛  様

            陳情者 住所 前橋市文京町一丁目15-10
                氏名 市民オンブズマン群馬
                   代表 小川 賢      印
                   電話番号 027-224-8567

群馬県議会議員の政務活動費の領収書等の議会ホームページでの公開等を求めることについての陳情


要旨
 政務活動費の支出にかかる収支報告書と、これに添付して提出される領収書等を、議会のホームページで公開してください。

理由
1 群馬県議会議員に交付される政務活動費については、「群馬県議会の政務活動費の交付に関する条例」により、議員は毎年度の政務活動費の支出にかかる収支報告書と領収書等を議長に提出しなければならないこと、何人も議長に対し提出された収支報告書・領収書等の閲覧を請求できること、が定められています。
2 しかしながら収支報告書と領収書等の閲覧は、紙ベースで閲覧することしかできないため、群馬県民が閲覧するには平日の昼間に議会に赴かなければなりません。また、領収書等は膨大なため、写しの交付を受けて持ち帰ろうとする群馬県民は1枚あたり10円の費用を支払わなければならず、全部の領収書の写しを入手するには場合によっては10万円を超える費用が必要になります。また、請求のつど写しを作成する事務職員の負担も無視できません。こうした不十分な制度が、議会へのアクセスを事実上阻害し、政務活動費の不正の温床を作っています。政務活動費の不正が発覚した富山市議会をみても、領収書の写しを誰もが容易に入手することができる制度が整っていれば、あれほど組織的で悪質な政務活動費の不正は防げたと考えます。
3 政務活動費の使途を、真に群馬県民に向けて透明なものにするためには、群馬県民が、いつでも安価かつ容易に、政務活動費の使途の情報を得られることが不可欠です。そのためには、議長に提出された収支報告書と領収書等を議会のホームページで公開し閲覧できるようにすることが必要です。
一方、収支報告書・領収書を議会ホームページで公開する自治体は、加速度的に増加しています。平成27年9月の段階では、都道府県、政令市、中核市のうち領収書等をホームページ公開している議会は大阪府、高知県、函館市の3自治体にとどまっていましたが、その後兵庫県、大阪市、京都市、神戸市、大津市、西宮市が平成27年度分からホームページ公開を実施しており、その後さらに宮城県、富山県、奈良県、徳島県,横須賀市がホームページ公開を決定しています。領収書等のホームページでの公開は、政務活動費情報の公開に不可欠です。
4 以上の理由により、一日も早く、収支報告書・領収書等の議会ホームページでの公開を実現するべきです。

*****前橋市議会あて陳情書*****PDF ⇒ iosccj161110o.pdf
                         2016年11月10日
前橋市議会議長 長沼順一  様

            陳情者 住所 前橋市文京町一丁目15-10
                氏名 市民オンブズマン群馬
                   代表 小川 賢      印
                   電話番号 027-224-8567

前橋市議会議員の政務活動費の領収書等の議会ホームページでの公開等を求める陳情


要旨
 政務活動費の支出にかかる収支報告書と、これに添付して提出される領収書等を、議会のホームページで公開してください。

理由
1 前橋市議会議員に交付される政務活動費については、「前橋市議会の政務活動費の交付に関する条例」により、議員は毎年度の政務活動費の支出にかかる収支報告書と領収書等を議長に提出しなければならないこと、何人も議長に対し提出された収支報告書・領収書等の閲覧を請求できること、が定められています。
2 しかしながら収支報告書と領収書等の閲覧は、紙ベースで閲覧することしかできないため、前橋市民が閲覧するには平日の昼間に議会に赴かなければなりません。また、領収書等は膨大なため、写しの交付を受けて持ち帰ろうとする前橋市民は1枚あたり10円の費用を支払わなければならず、全部の領収書の写しを入手するには場合によっては10万円を超える費用が必要になります。また、請求のつど写しを作成する事務職員の負担も無視できません。こうした不十分な制度が、議会へのアクセスを事実上阻害し、政務活動費の不正の温床を作っています。政務活動費の不正が発覚した富山市議会をみても、領収書の写しを誰もが容易に入手することができる制度が整っていれば、あれほど組織的で悪質な政務活動費の不正は防げたと考えます。
3 政務活動費の使途を、真に前橋市民に向けて透明なものにするためには、前橋市民が、いつでも安価かつ容易に、政務活動費の使途の情報を得られることが不可欠です。そのためには、議長に提出された収支報告書と領収書等を議会のホームページで公開し閲覧できるようにすることが必要です。
一方、収支報告書・領収書を議会ホームページで公開する自治体は、加速度的に増加しています。平成27年9月の段階では、都道府県、政令市、中核市のうち領収書等をホームページ公開している議会は大阪府、高知県、函館市の3自治体にとどまっていましたが、その後兵庫県、大阪市、京都市、神戸市、大津市、西宮市が平成27年度分からホームページ公開を実施しており、その後さらに宮城県、富山県、奈良県、徳島県,横須賀市がホームページ公開を決定しています。領収書等のホームページでの公開は、政務活動費情報の公開に不可欠です。
4 以上の理由により、一日も早く、収支報告書・領収書等の議会ホームページでの公開を実現するべきです。

*****高崎市議会あて陳情書*****PDF ⇒ isccj161110op.pdf
高崎市議会議員の政務活動費の領収書等の議会ホームページでの公開等を求める陳情

陳情要旨
 政務活動費の支出にかかる収支報告書と、これに添付して提出される領収書等を、議会のホームページで公開してください。

陳情事項
1 高崎市議会議員に交付される政務活動費については、「高崎市議会の政務活動費の交付に関する条例」により、議員は毎年度の政務活動費の支出にかかる収支報告書と領収書等を議長に提出しなければならないこと、何人も議長に対し提出された収支報告書・領収書等の閲覧を請求できること、が定められています。
2 しかしながら収支報告書と領収書等の閲覧は、紙ベースで閲覧することしかできないため、高崎市民が閲覧するには平日の昼間に議会に赴かなければなりません。また、領収書等は膨大なため、写しの交付を受けて持ち帰ろうとする高崎市民は1枚あたり10円の費用を支払わなければならず、全部の領収書の写しを入手するには場合によっては10万円を超える費用が必要になります。また、請求のつど写しを作成する事務職員の負担も無視できません。こうした不十分な制度が、議会へのアクセスを事実上阻害し、政務活動費の不正の温床を作っています。政務活動費の不正が発覚した富山市議会をみても、領収書の写しを誰もが容易に入手することができる制度が整っていれば、あれほど組織的で悪質な政務活動費の不正は防げたと考えます。
3 政務活動費の使途を、真に高崎市民に向けて透明なものにするためには、高崎市民が、いつでも安価かつ容易に、政務活動費の使途の情報を得られることが不可欠です。そのためには、議長に提出された収支報告書と領収書等を議会のホームページで公開し閲覧できるようにすることが必要です。
一方、収支報告書・領収書を議会ホームページで公開する自治体は、加速度的に増加しています。平成27年9月の段階では、都道府県、政令市、中核市のうち領収書等をホームページ公開している議会は大阪府、高知県、函館市の3自治体にとどまっていましたが、その後兵庫県、大阪市、京都市、神戸市、大津市、西宮市が平成27年度分からホームページ公開を実施しており、その後さらに宮城県、富山県、奈良県、徳島県,横須賀市がホームページ公開を決定しています。領収書等のホームページでの公開は、政務活動費情報の公開に不可欠です。
4 以上の理由により、一日も早く、収支報告書・領収書等の議会ホームページでの公開を実現するべきです。

2016年11月10日
            陳情者 住所 前橋市文京町一丁目15-10
                氏名 市民オンブズマン群馬
                   代表 小川 賢      法人印
高崎市議会議長 後閑太一  様
**********

■陳情書を提出後、県庁5階の記者クラブ「刀水クラブ」に3件の陳情書の写しを投げ込んでおいたところ、上毛新聞から電話取材を受けました。そして翌11月11日の同紙社会面に次の記事が報じられました。

**********上毛新聞2016年11月11日
政活費問題でオンブズマン群馬 添付の領収書 ネット公開を
県、前橋、高崎に陳情書

 富山市議会での政務活動費の不正使用を受け、市民オンブズマン群馬(小川賢代表)は10日、県都前橋、高崎両市の議会議長に、政務活動費の収支報告書に添付する領収書のインターネット公開を求める陳情書を提供した。
 陳情書は、領収書などの資料は議会で閲覧可能だが、膨大な量を一度に閲覧するのが困難あほか、コピーを請求するのには多大な費用がかかると指摘。不正防止には、写しを誰もが容易に入手できる制度が必要不可欠だとしている。小川代表は「ネット公開は不適切使用の抑止力になる。一日も早く実現してほしい」と話した。
 陳情は、31都道府県と8政令市、18中核市、55市町の議会を対象に全国一斉で行われる。
 全国市民オンブズマン連絡会議(名古屋市)におると、ネット公開を既に実施しているのは、中核市以上では大阪府など3府県と6市。全国で相次ぐ不祥事を受け、公開に踏み切る自治体は増加傾向という。
**********

■折からタイミングよく(?)、高崎市議会での政務活動費の不正受給疑惑問題が持ち上がっており、収支報告書の修正を行う議員が続出している状況も記事として掲載されました。

**********上毛新聞2016年11月11日

政活費修正相次ぎ・・・
使途 会派活動に限定
高崎市議会・新風会

 高崎市議会(定員38人)で政務活動費の収支報告書を修正する議員が相次いだことを受け、最大会派の新風会(21人、田中治男会長)は10日までに、本年度分の政務活動費から、使途を会派の活動に限ることを決めた。適正な支出との線引きがあいまいになりがちな議員個人の活動への支出をやめ、使途の透明性を高めるのが狙い。
 「後援会活動と受け取られかねない」として修正が相次いだ広報に関わる支出は、会派として行う活動報告や意見聴取の費用に限定し、個人の市政報告会、広報紙には使用しない。
 個人で購入する本や新聞などの資料台をはじめ、ガソリン代、携帯電話の使用料なども支出の対象外とする。
 白石隆夫幹事長は「市民のため、議員のレベルアップのために、疑念を持たれることのない形で大切に使いたい」と話した。
 同市議化では本年度、議員7人が11~15年度分の収支報告書を修正し、約400万円を返還、このうち6人が同会派に所属している。
**********

 上記の通り、地元紙である上毛新聞にはなぜか議員個人名が掲載されていませんが、毎日新聞が個人名を特定して報道しています。11月10日に高崎市議会事務局に陳情書を提出していただいた当会会員によりますと、高崎市議会の廊下でちょうど議長の後閑太一議員を見かけたそうです。悪びれた様子は窺えなかったとのことです。それでは11月10日の毎日新聞の記事を見てみましょう。

**********毎日新聞2016年11月10日
http://mainichi.jp/articles/20161110/ddl/k10/010/074000c#csidx9e506b5cbeb9092b09b8fab0cc28a7f
高崎市議会 政活費返還 新たに4人、正副議長も 7人計400万円に /群馬
毎日新聞2016年11月10日 地方版

 高崎市議会の政務活動費(政活費)不適正支出問題で、新たに正副議長ら4人が収支報告書を修正して約103万円を返還したことが9日、市議会への情報公開請求でわかった。これまでに明らかになっている3人を加えると、書類の残る2011年度から5年分で返還額は計約400万円に上った。自らも約52万円を返した後閑太一議長(63)は「議会内の政務活動費検討委員会で、より透明性を高めるために努力していく」と語った。【増田勝彦】
 今回新たに明らかになった後閑議長▽丸山和久議員(66)▽堀口順議員(61)と、すでに判明している田中治男議員(78)▽柴田和正議員(74)▽柄沢高男議員(60)--の6人は、「市政報告会」や「広聴会」の会場費、茶・菓子代計約261万円を政活費から支出していた。しかし、「酒類を出す後援会主導の会合だった」として返還した。
 後閑議長によると、市内の葬祭場ホールで副議長就任(12年)、議員20周年(14年)を祝う支持者会合を開催。2回とも会場費と茶・菓子代として政活費(12年度まで政務調査費)から支出し、酒類と料理の費用は1人1000円の会費を充てたという。後閑議長は「会場は同じだが、第1部を市政報告会、2部を酒類が出る懇親会と分けているので政活費を使えると考えてきた。富山市議会の問題を受けて支出を見直し、グレーゾーンなので返還した」と弁明した。
 一方、渡辺幹治副議長(65)は、14年度まで、「議会報告会」の会場費を、自分と妻が経営する料理店に政活費で支出していたが、これを全額修正し、約15万円を返還した。渡辺副議長は「市民感覚からすれば『いかがなものか』となるので返還した。15年度は近くの公民館に会場を変えた」と説明した。
 田中議員は会合経費に加え、「後援会名簿を使った」ことを理由に、市政報告の印刷代と郵送料約179万円も返還した。
 高崎市議会では政活費の使途について運用指針で細かく示されており、政党、選挙、後援会活動などの経費は不適当と明示されている。政務活動費は1人年間100万円で、共産党市議団(3人)は会派、他は個人に交付されている。
==========
◆高崎市議の政務活動費返還額◆
 <今回新たに判明>
 後閑太一議長  52万1320円
 渡辺幹治副議長 15万8829円
 丸山和久議員  20万3908円
 堀口順議員   15万3530円
 <10月26日判明分>
 田中治男議員 215万6496円
 柴田和正議員  59万0587円
 柄沢高男議員  21万8550円
 合計     400万3220円
**********


※参考情報「オンブズマンによる全国一斉陳情」
**********
16/11/10(木) 領収書等ネット公開を求める全国一斉陳情
全国市民オンブズマン連絡会議は、政務活動費の領収書等ネット公開を求めるため、全都道府県・政令市・中核市議会に対して11/10(木)に全国一斉陳情を行おうと各地のオンブズに16/10/19に呼びかけました。一斉陳情を呼びかけるのは全国オンブズでは初の取り組みです。
なお、陳情後、議会がどう対応したかも継続的にチェックしていきます。
また、領収書ネット公開を行っている議会、CD開示を行っている議会、領収書を独自に入手してwebに公開している議会をまとめました。こちらからご覧下さい。
・陳情書サンプル
 http://www.ombudsman.jp/seimu/161110.pdf

16/11/10現在 一斉陳情まとめ
 http://www.ombudsman.jp/seimu/161110-1.pdf

領収書等ネット公開を求める一斉陳情を行うのは、30都道府県議会・8政令市議会・18中核市議会・55その他市町議会です。(実施済、今後陳情予定を含む)
【都道府県】 陳情済:2/29宮城県(請願)、5/9岡山県、9/5奈良県(要望書)、10/11石川県
       11/9(水):神奈川県・鳥取県
       11/10(木):北海道・青森県・岩手県・山形県・福島県・栃木県・群馬県・千葉県・富山県・岐阜県・愛知県・京都府・和歌山県・愛媛県・佐賀県・長崎県・大分県・鹿児島県
       11/11(金):埼玉県・福井県・滋賀県・福岡県
       11/15(火):香川県
       今後予定:茨城県・東京都・静岡県
【政令市】  11/9(水):横浜市
       11/10(木):千葉市・名古屋市・岡山市・北九州市
       11/11(金):仙台市・福岡市
       11/14(月):川崎市
【中核市】  陳情済:10/5金沢市
       11/2(水):岡崎市
       11/10(木):郡山市・いわき市・前橋市高崎市・川越市・富山市・岐阜市・尼崎市・和歌山市・松山市・長崎市・大分市・鹿児島市
       11/18(金):高松市
       今後予定:柏市・倉敷市
【その他市】 11/10(木):福島市・千葉県内36市
       今後予定:栃木県内16市町・福井市・徳島市

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