市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

東電の毒牙から赤城と県土を守れ!…バイオマス発電施設の騒音苦情と放射能汚染対策等を住民らが市に直訴!

2018-06-04 23:54:00 | 前橋Biomass発電問題・東電福一事故・東日本大震災
■県都前橋市の、群馬県の象徴でもある赤城山南麓に、東電グループの関電工が福島原発事故由来の放射能汚染木材を県内外から集積し、20年間で160万トンもの木質チップを搾汁し燃焼させるという亡国事業が進められています。このため当会は地元住民団体とともにこの事業に投入される4億8000万円もの補助金の交付中止を求めて群馬県を相手取り住民監査請求を提出し、県監査委員に棄却されたため、住民訴訟を提起中です。ところがバイオマス発電施設のほうは、裁判を横目に今年2月に試運転が開始され、4月25日には開所式が強行され、現在営業運転に入ってしまいました。すると、我々が懸念した通り、騒音や得体のしれない県外からの間伐材の持込み疑惑など、恐れていた不具合が相次いで表面化しています。このことについて、危機感を募らせた地元住民団体の皆さん9名と市議2名及び当会メンバー3名は、6月4日に前橋市の環境政策課を訪れて、安心・安全な生活環境を取り戻せるよう、行政に陳情書を提出しました。

前橋市役所1階ロビーの玄関から入って右隅の壁にある前橋市民憲章「市民の願い」。





2階左側の奥にある環境政策課。

■本日提出した前橋市長あての陳情書は次の内容です。

*****陳情書*****

   前橋バイオマス発電株式会社及び同燃料会社に係る苦情
       および迅速・的確な対策実施のための
             陳 情 書

前橋市長 山本龍 様
                      平成30年6月4日
                 赤城山の自然と環境を守る会
                   横川忠重   野原潤一

1.前橋バイオマス発電(株)及び前橋バイオマス燃料(株)の施設からの騒音
 発電所稼働前の私達住民の生活は、静寂な住環境に恵まれていました。平常日、夜間の騒音は40㏈以下で、昼間は野鳥のさえずりが聞こえるだけでした。ところが発電所稼働後の現在では、発電所からの騒音が住宅の建屋壁に反響して、時には反対側からの騒音として聞こえるほどひどい有様です。我々住民にとって、現状の騒音は苦痛であり、老後の人生を楽しむことが出来ないため、貴殿に対して、発電所が住環境に及ぼす悪影響についての苦情を訴えるとともに、その打開のための緊急かつ有効な対策の実施をここに陳情致します。

<理由>
(イ)事業者からは環境対策として「敷地境界に沿って、遮音壁を設置します」と報告されていましたが、実際に設置された遮音壁は事業で発生する騒音を低減するものとはなっていないと考えられます。
(ロ)平成27年9月29日付の前橋市宅地開発指導要綱に基づく事前協議に関する覚書には、「2環境政策課(2)・・・近隣住民から種々の苦情が発生した場合は速やかに対応すること(4)敷地境界において、第2種区域と同等の対策を講じること。」と明記されています。
(ハ)前橋市が平成30年4月19日に赤城神社旧参道、時刻21:48における30秒間の騒音は規制基準評価で「45㏈」の数値を示しています。しかもこれには、異常音は含まれていません。平成28年4月15日に策定された前橋バイオマス「環境配慮計画」に記されているとおり、「(3)騒音・振動関係 第2種区域での管理基準に基づく騒音・振動の自主管理基準」を満足しているか否か、速やかに立入検査を以って、第三者機関による確認が必要と考えています。
(ニ)前橋バイオマス燃料会社が保有するチッパー運転時の騒音についても著しく住環境を阻害しています。早急に確認頂きたくお願いします。

 前橋市環境政策課により平成30年4月19日~20日にかけて現地で騒音測定して頂きました。騒音の大きさの決定は4タイプが規定されていますが、どのタイプで判定されたのか開示頂きたくお願いします。これに関連して、「パーン」、「キ~ン」などの間欠的な、あるいは高音域の騒音は含まれていますか?そして考慮されていますか?この定常的、非定常的な騒音も住民にとって苦痛であり、重ねて、ここに苦情として申し立て、迅速な対策を陳情いたします。

2.放射能汚染について

 環境配慮計画に「7.その他(2)行政の立入 ・行政(群馬県、前橋市)の立入(法令に基づく立入を除く)は・・・原則として受け入れる」と明記されています。また、平成29年12月22日付の「前橋市への要望事項」に対する、平成29年12月28日付貴殿の回答書には「・・・、まずは事業者に対して自主管理基準が守られているか確認する」とあります。
 一方、最近みやぎ地区近辺に福島、盛岡ナンバーのトラックが木材を積んでいる姿が散見されます。(p-3に福島Noのトラック写真を示しました)これらは本当に前橋バイオマス発電とは無縁なのかどうか、我々住民として確認するすべがありません。権限を有する貴殿や前橋市に事業者の立入調査を陳情する次第です。それは我々の健全で安心・安全な住環境を守る責務のある貴殿や前橋市しかできないためだからです。

<理由>
 平成30年5月22日付に放射能の県モニタリングが公開されました。この内容を知って衝撃を受けたのは我々だけではないと思います。群馬県の山間部全域でコシアブラ、タラの芽から規制値超が検出されました(野生のコシアブラは県内13市町村で出荷自粛)。原発事故から7年も経過した今、大幅に規制値を超えたセシウムが検出されるのは何故なのでしょうか?樹木の根から吸収されてセシウムが循環されているのかもしれません。群馬県の山間部が、高濃度で放射能汚染されているのは、もはや、疑いの余地はありません。
 一方、前橋バイオマス発電の燃料は規制値超が発生しているこうした山間部から多量に集積され燃やされます。環境配慮計画では40㏃/㎏を間伐材の放射能受入基準としています。コシアブラでさえ、100㏃/㎏以上のセシウムに汚染されている現状で40㏃/㎏を遵守できるのか?と県民、住民として不安だけが募ります。セシウム137の半減期を考えると今後20年間以上山間部は高濃度汚染が続くものと推定します。

<P3>
   (参考)みやぎ地区近辺で確認された木材搭載トラック!↓


**********

■市側に陳情書の内容を説明し、質疑応答の結果、6月25日(月)までに、次の課題事項について市側が住民側に回答することになりました。


市側出席者。左から松島学・環境政策課副主幹、中島繁環境政策課課長補佐、永井尚広・環境部長、神山尚人・環境政策課長。

陳情の様子。

<課題事項>
1.騒音について住民側の苦情を事業者へ連絡し、その結果を住民団体に連絡すること。
2.敷地境界の騒音測定について市側が検討した結果を、住民団体に連絡すること。
3.放射能含め環境配慮計画で取り決めた諸事項について、確認する日程を市側から住民団体に連絡すること。


 打ち合わせに立ち会い、行政側の対応ぶりを観察していましたが、納税者である市民の財産、健康、命、そして大切な生活環境を守るという気概が伝わってこないことに歯がゆさを感じました。


なぜかしら渋い表情の行政側。もっと積極性をお願いしたいものだ。

騒音の測定とデータ処理についてどんな方法を採用したのか質問する住民に、歯切れの悪い説明をする行政側。

丁寧に陳情の内容を行政側に説明する住民の皆さん。

↑住民側の陳情に対してなぜか表情の堅い市側関係者。↑

説明後、正式に陳情書を提出し迅速な対策を要請。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】


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