市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

東電がつき続ける「スマートメーターのウソ」…従来型電力量計への交換拒否の東電に東京新聞も質問

2019-03-27 22:35:00 | 前橋Biomass発電問題・東電福一事故・東日本大震災

■未曽有の被害をもたらした東日本大震災。あれから8年が経過し、国民からの復興税の投入もあり、被災地の復興は着実に進行しています。しかし、未だに大きな爪痕を残しているのが東電福島原発事故です。日本の東半分が壊滅する危機を起こしたにもかかわらず、東電の上から目線体質は、原発事故から8年経過した今では、完全に〝復旧〟してしまいました。電力契約を通じて毎日東電と関わり合いをもっているユーザーにとって、自宅施設に東電が取り付けている電力量計は自宅の一部ともいえます。その電力量計が、いつのまにかスマートメーターなるものにとって替えられ、火災や電磁波による財産や健康など健全で安全な生活を営む我々の権利を脅かしています。

スマートメーターの問題点を一面で報じた東京新聞2019年3月25日朝刊。

 勝手にスマートメーターに替えられた当会会員は東電に対して元の安全な従来型メーターにも同様再三再四にわたり東電社長に申し入れていますが、東電からは末端の部署名でしか返事をくれません。それも木で鼻を括った文面ばかりです。

 そのような中、東電のスマートメーター強制使用について批判記事を連載中の東京新聞が、ほかのマスコミ各社が東電の宣伝費におもねて、この種記事の掲載を自粛する中で、3月25日に一面(このときはフジテレビの全面広告がさらに表紙としてついていましたが)と24・25面の特集記事で、スマートメーターをなりふりかまわずユーザー宅に設置しようとする東電に、きちんと正面から質問した結果とその分析記事を掲載しました。さっそく見てみましょう。

**********東京新聞一面2019年3月25日
ZIP ⇒ 20190325vij.zip
スマートメーター研修1週間で現場へ
施工ミス火災7件 作業歴4か月以下


スマートメーター火災と作業歴
次世代型電力計スマーメーター 」の火災が相次いでいる問題で、施工ミスによる火災八件のうち七件で、経験四か月以下の作業員が設置工事をしていたことが分かった。東京電力は二〇一四年度から二〇年度中の七年でエリア内約二千九百万台すべてを交換し終える予定。設置を急ぐあまり、経験不足の作業員が多数、現場に出ていることが火災の一因になったとみられる。(石井紀代美)=東電「約款」が設置根拠24、25面
 東電によると、作業員は一週間程度の研修を受け、「委託従事者証」を取得してから工事に出る。八件の火災はそれぞれ別の作業員が工事をし、取得からの期間は一か月が三人、二か月が一人、三か月が二人、四か月が一人。残る一人は六年半だった。
 ミスはいずれも、メーターに電線を留めるねじの締め付けが弱く、放電して発火したという初歩的なものだった。経験年数にかかわらず一人で工事するため、ベテラン作業員からは「目標達成のために現場は人手不足。漏電の怖さを知らない作業員が増えている」との指摘が出ていた。
 東電はミスをした人が過去に取り付けたメーターを抜き取り調査。また、六百人に追加研修をしている。主に県嫌悪浅い作業員が研修の対象とみられる。従事者証の発行総数は約二千二百枚。抜き取り調査の悔過や、現行の作業員総数は公表していない。
 スマートメーターの設置を進める東電のグループ会社「東京電カパワーグリッド」広報の寺内壮氏は、作業歴と火災との因果関係について「抜き取り調査の結果をしっかりと分析した上で、なぜ起きたのかを追究していく」と話した。
 スマートメーターの火災は施工ミスの八件のほかに十九件発生し、うち東光東芝メーターシステムズ製の不良品による火災が十六件。原因不明や調査中が三件で、いずれも不良品でないことから施工ミスが疑われている。このほか異音が出るトラブルが数百件、東光東芝の不良品で起きている。

**********東京新聞2019年3月25日P24,25
【こちら特報部】<P24>
ZIP ⇒ 20190325vije.zip
スマートメーター 約束した覚えないのに
東電側から質問に回答
縛られる消費者 「送配電網の利用設置承諾が条件」

 突然燃える事故が相次ぐ次世代型電力計のスマートメーター。「設置は拒否できるのか」という質問に回答が来た。一読してよくわからないものの、東京電力側はどうやら「断れない」という見解のようだ。その根拠が契約に付随する「約款」。契約内容を定型的に事細かに示したものだ。ほとんどの人が読んだこともないだろう。本当にそんなもので強制できるのか。(石井紀代美)
<東電側への質問と回答>
Q.スマートメーターへの取り換えは拒否できるか
A.必要性やその効果について理解を得られるよう丁寧に対応していく。
Q.拒否した人に電気の供給停止を迫るのは、法の「供給義務」に抵触しないか。
A.電気供給を希望する際は、約款の承諾を前提にしている。
Q.その約款はどんな規定か
A.「計量器は当社が選定し取り付ける」と「30分単位の計算」

電気の流れと契約
 「こちら特報部」は二月八日、スマートメーターの設置を進める東電のグループ会社「東京電カパワーグリッド」(PG) に質問した。回答は広報の寺内壮氏から同二十日に届いた。
 主な質問のうち「設置は拒否できるのか」に対し、回答は「スマートメーターの必要性やその効果等について理解を得られるよう丁寧に対応して参ります」。ちょっとかみ合わない。
 続いて「設置を拒否した人の電気を止めることはできるのか」という問いには、「(電気の)供給義務はあるが、消黄者が電気の供給を希望する際は託送供給約款への承諾を前提にしている」との答えだった。
 正直なところ、よく分からない。
 一生懸命考えつつ読んだ。約款の中にスマートメーターを設置するという定めがあり、それを承諾した人に送電するということのようだ。逆にいえば、設置に応じない人には電気を送らないとも読み取れる。
 そう考え、再質問を繰り返した。約款についてPGは「PGが計器を選定して取り付ける」「電力は三十分ごとに計量する」という規定だと回答した。
 PGの言う約款とは「託送供給等約款」。実物に当ってみた。「実に二百六ページあり、送配電についての事細かな取り決めが記されていた。PGが言う規定も確かにあった。
 三十分ごとに計測する危機とは、スマートメーターにほかならない。だから、スマートメーターを拒否する人の電気を止めることができる、そんな理屈になる。そしてスマートメーターを事実上、強制されることになる。
 「こんな約束があるなら仕方ない」と思う人もいるかもしれない。ただ、少し引っかかる。一般の人が見る約款には、 せいぜい「託送供給等約菰を承認すること」とあるだけ。内容まで分かりようもない。
 こんなことになった背景には二〇一六年四月に始まった電力の小売り全面自由化がある。
 東電は自由化に合わせて分社化。消贅者は東電エナジーパートナーや東京ガスなどの小売り事業者と電気を使う契約を結ぶ。小売り事業者は、別の会社が持つ送配電網を使って、消費者に電気を届ける。
 この「別の会社」がPGだ。そして託送供給等約款はPGと小売り事業者の間で交わす。つまり、消費者は契約相手ですらないP Gが決めた約款に、縛られることになる。
 理不尽ともいえる状況なのに、正当化するからくりがこの約款にはある。送配電網を使う前提として、「託送供給等約款に消費者が承諾していること」という規定がある。小売り事業者が消黄者を説得できなければ、PGの施設は使えないということになる。
 だからスマートメーターを断ったら電気が止まる。それが東電側の主張となる。そして、 スマートメーターがどんどん家の壁に取り付けられ、時々、発火するという状況になっている。

【こちら特報部】<P25>
ZIP ⇒ 20190325vij.zip
スマートメーター 「約款」が設置根拠
危険かもしれないのに
「相手方の利益を一方的に害する場合」 ダイヤルQ2で無効事例
消費者の対策 私有地へ出入り拒否 所轄省庁へ苦情訴え 裁判でも十分争える


東京電力パワーグリッドが入る東電本社=25日、東京都千代田区で
 火災が起きると時に壁が焦げ、停電は数時問に及ぶことがある。今までなかったからと言って、 建物に延焼する心配がないとも言い切れない。送配電網はPGが独占しており、消費者に は選択の余地はない。危険かもしれない物体の設置を事実上、強制する。そんな 約款は法律的に問題ないのだろうか。
 「覆すのはハードルが高い」と紀藤正樹弁護士は語る。紀藤氏は和牛預託商法で問題となった安愚楽牧場事件で被害者弁護団長を務める。ほかにも、さまざまな消費者問題を扱い、約款の効力について詳しい。
 約款には行政が認可したものと、それ以外の二種類がある。紀藤氏によると認可を得ている約款を否定するのは極めて難しい。「いわば行政がお墨付きを与えている格好 」だからだ。
 今回の約款は経済産業省が認可している。過去を振り返っても、認可約款が争点となった訴訟で、消費者側の訴えは次々と退けられている。
 では、従うしかないのかというと、必ずしもそうとは言い切れない。実は一件だけ認可約款が無効になったケースがある。「ダイヤルQ 2訴訟」だ。
 NTTが行っていた「ダイヤルQ 2」というサービスを子どもが使い、親など契約者が高額の請求をされた。国が認可した当時の「電話サービス契約約款」では、他人が掛けた電話でも、料金は契約者が支払う決まりで、親側が「それはおかしい」と訴えた。
 最高裁は二〇〇一年、訴えを一部認め、料金の支払い義務を否定したほか、NTTに通話料の一部返還も命じた。判決の中で最高裁は、NTT側の対策の不十分さを厳しく批判した。
 紀藤氏は「相手方の利益を一方的に害する約款は、無効になる場合がある」と説明。二〇年に施行される新民法では、この内容が条文に響き込まれ、より明確になる。Q2訴訟の前例から、紀藤氏は認可約款にも適用されると考える。
 では、無効の条件となる「一方的に害する」とは何か。紀藤氏は「生命、身体、財産などに対する危険性の程度が大きな判断材料になる」と強調する。
 スマートメーター火災はこれまでに二十七件発生。東光東芝メーターシステムズ製の不良品による火災もあれば、ネジの締め付けが甘いという作業場のミスが原因のものもある。
 紀藤氏は「ネジの締め付けが弱いだけで燃える事例がいくつもあるような製品なら、危険性があると言える。そういう製品を一律に相手にのませる約款が無効とされる可能性は十分にあるだろう」と推測する。
 消費者問題から米軍基地問題まで手掛ける呉東正彦弁護士も、約款には懐疑的。約款自体か、機械的に約款を適用するPGの姿勢に問題があると考える。
 「火災で全財産を失う恐れがあり、ひいては人の命にも関わりかねない。それなのに、約款には選択肢が一つしかない」。民法の「権利をみだりに用いてはならない」という基本原則に触れかねないという。
 では、消費者側はどう対応すればいいのか。
 呉東氏はまず自宅がある土地への出入りを拒否するよう提案する。「スマートメーターが嫌な人は、私有地に作業員が入ることをはっきり拒否すればいい。『火災が起きているから工事に応じない』という主張は正当だろう」と説明する。
 電気を止めると警告されれ時は「約款を認可した経産省や、消黄者問題を所管する消費者庁に苦情を訴えればいい。電気が止まる事態は行政として好ましくない」
 そして呉東氏は「万が一裁判になったとしても十分に争える。スマートメーターを強制できないということは、東電もよく知っているはずだ」と語る。

火災などオントラブルが相次ぐスマートメーター=東京都内で
《デスクメモ》
 電車、宅配便、宿泊、保険…。何をするにも約款がついて回る。暇をもてあまり、何度か解読に挑戦した。小さな文字でなじみのない言葉が並ぶ。目が疲れ、途中から読み飛ばす。結局、ほとんど頭に入らない。そんな約款が二百ページ余り。やはりスマートメーターは勘弁してください。(裕)
2019・3・25
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■筆者も自宅の屋根に太陽光パネルを設置したところ、いつの間にかスマートメーターが取り付けられていたので困惑していますが、3年前の設置後、自宅のWiFiが頻繁に切断するようになり、いちいち復旧を余儀なくされています。

 そのため、3月21日から東電カスタマーサービスセンター(電話0120-995-007)に電話を掛けたところ「電話が込み合っているので後程おかけ直しください」という自動録音メッセージが受話器から流れ続けており、そのあと毎日かけ続けたところ、3月25日の15:34にようやくオペレーターにつながりました。

 しかし、当方が事情を20秒ほどしゃべったところで、突然一方的に切られてしまいました。どうやらクレーマーだと思われたようです。

 このように東電の顧客サービスはどこまでも上から目線の姿勢です。当会はスマートメーター問題を徹底追及している当会会員とともに、東電のこうした役所的な体質を是正すべく尽力してまいる所存です。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

コメント (3)
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