市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

大同スラグ控訴審…4年越しの住民訴訟の挙句3月6日東京高裁での敗訴判決に当会上告せず不当判決確定

2019-03-19 23:58:00 | スラグ不法投棄問題
■当会が東吾妻町萩生地区の圃場整備事業で、農道に大同のフッ素・六価クロム入り有毒生スラグが敷砂利として投棄されていた現場をはじめて2014年6月1日に確認して以来、4年9カ月が経過し、先日3月6日(水)に二審の東京高裁で再び住民敗訴の不当判決が言い渡されました。以降、当会はこの判決を不服として上告するかどうか、真剣に検討してまいりました。そして、最終的に、提出期限の3月20日(水)を待たずに、3月19日(火)までに上告をしないことに決めました。


 今から4年10ヵ月ほど前の2014年6月、当会代表は「臭いものに蓋をしないでほしい」と農道舗装工事施工主体である吾妻農業所長に電話で懇願したにもかかわらず、その直後、有害スラグを撤去せずに舗装工事が行われたため、住民監査請求を2015年1月30日に提出しました。

 しかし、群馬県監査委員が棄却したため、2015年4月30日に住民訴訟を提起しました。以来ほぼ3年が経過しようとしていた2018年3月16日(金)午後1時10分に前橋地裁21号法廷で、裁判長の「主文 原告らの請求を棄却する。訴訟費用は原告らの負担とする」という判決の声が法廷に響き渡りました。

 この判決を確定させてしまうと、さまざまな方面で収拾のつかない事態が発生し、我が国の土木建設業界のみならず、生活及び営農環境面に甚大な影響を及ぼしかねないため、当会は2018年3月26日(月)に、前橋地裁で控訴手続きをとり、その後、舞台を東京高裁に移し、同8月15日(水)に第1回口頭弁論、同10月31日(水)に第2回口頭弁論、2019年1月9日(水)に第3回口頭弁論で結審し、そして本日3月6日(水)午後1時10分に東京高裁で判決が言い渡されました。結果は一審判決を支持し、原告住民側の完全敗訴に終わりました。

 一審敗訴以降のこの件に関する情報は、次の当会のブログ記事を参照ください。
○2018年3月27日:大同スラグ裁判・・・3月16日に前橋地裁が言渡した判決を不服としてオンブズマンが3月27日に控訴状提出!
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2604.html
○2018年5月15日:大同スラグ裁判・・・3月16日の前橋地裁での敗訴判決を受けて、東京高裁に控訴理由書を提出!
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2640.html
○2018年5月26日:大同スラグ裁判・・・控訴審の第1回口頭弁論が8月15日に東京高裁で開廷が決定!
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2648.html
○2018年8月3日:大同スラグ控訴審…8月15日の第1回口頭弁論が迫り、被控訴人群馬県から控訴答弁書が到来!(前編)
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2714.html
○2018年8月3日:大同スラグ控訴審…8月15日の第1回口頭弁論が迫り、被控訴人群馬県から控訴答弁書が到来!(後編)
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2715.html
○2018年10月3日:大同スラグ控訴審…10月31日の第2回口頭弁論に向けて控訴人準備書面(1)を提出!(前編)
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2768.html
○2018年10月3日:大同スラグ控訴審…10月31日の第2回口頭弁論に向けて控訴人準備書面(1)を提出!(後編)
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2768.html
○2018年10月31日:大同スラグ控訴審…10月31日に開かれた第2回口頭弁論で次回結審が決定!
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2798.html
○2018年12月18日:大同スラグ控訴審…1月9日の第3回口頭弁論が迫り被控訴人群馬県から控訴審第1準備書面が到来!
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2845.html
○2018年12月27日:大同スラグ控訴審…1月9日の第3回口頭弁論が迫るなか被控訴人群馬県へ反論の控訴人準備書面(2)を提出!
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2850.html
〇2019年1月9日:大同スラグ控訴審…4年越しの住民訴訟がついに終結!3月6日13:10東京高裁424号法廷で判決!
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2857.html
○2019年3月6日:【速報】大同スラグ控訴審…4年越しの住民訴訟の挙句3月6日13:10東京高裁424号法廷で住民完全敗訴!
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2895.html

■当会は、はやばやと次の内容の上告状兼上告受理申立書を作成し、判決文受領の日の翌日から2週間目までに、いつでも提出すべく準備をしていました。

**********ZIP ⇒ 20190318r1_joukokujou_cum_joukokujurimousitatesho.zip
         上告状兼上告受理申立書

平成31年3月19日
最高裁判所 御中

    上 告 人 兼 申 立 人  小 川   賢

  〒379-0114 群馬県安中市野殿980番地(送達場所)
        上 告 人 兼 申 立 人  小 川   賢
        電話 090-5302-8312
  〒371-8570 群馬県前橋市大手町1-1-1
        被上告人兼相手方    群馬県知事 大澤正明

住民訴訟請求上告兼上告受理申立て事件
訴 訟 物 の 価 額   160万円 (算定不能)
ちょう用印紙額   2万6000円

 上記当事者間の東京高等裁判所 平成30年(行コ)第139号住民訴訟控訴事件(原審・前橋地方裁判所平成27年(行ウ)第7号)について,平成31年3月6日下記判決の言渡しを受け, 同年同月6日判決正本の送達を受けたが,同判決は全部不服であるから上告提起及び上告受理の申立てをする。

         二 審 判 決 の 表 示
            主  文
   1 本件控訴を棄却する。
   2 控訴費用は控訴人の負担とする。
          上 告 の 趣 旨
   原判決を破棄し,更に相当の裁判を求める。
      上 告 受 理 申 立 て の 趣 旨
   本件上告を受理する。
   原判決を破棄し,更に相当の裁判を求める。
   上告及び上告受理申立ての理由
   おって,上告理由書及び上告受理申立て理由書を提出する。
          添 付 書 類
   上告状兼上告受理申立書副本             1通
                                以 上

**********

■ここまで裁判所が行政側に加担する現実を突きつけられれば、上告しても結果は棄却されることが明白です。また、最高裁で高裁判決が追認されると、それは逆に権威付けられることになり、間違った判決が現在や今後の経済・社会のルールのもとになりかねません。

 そうした状況は、有毒スラグが大手を振って、堂々と不法投棄されるのを容認することになり、ここで最高裁に上告しても、社会の常識にうとく自らの保身で最高裁の裁判官に上り詰めた判事らが、当会の主張にまともに耳を貸すとは到底思えないからです。

 という意見が当会の3月16日の例会で相当出されたため、最終的に3月19日までに上告しないことに決しました。

 今後、有害スラグは、上に舗装をかければ撤去などせずに、そのまま残置させてもよいことになります。しかも、それは農業地帯においても、合法な対応手段として、裁判所が認めたことになります。

■現在、群馬県では東邦亜鉛安中製錬所から毎年5万数千トン排出されている高濃度の鉛とヒ素を含むスラグが高崎市箕郷町を中心に、野放図に公有地や民有地に投棄されています。いまのところ、梅林公園の駐車場などの公有地の有毒スラグは撤去されてきていますが、今回の判決で、その動きに水をさすのではないかという重大な懸念が頭をもたげています。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

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新年度を間近に控えた群馬高専(+長野高専)…現況やいかに?

2019-03-19 22:43:00 | 群馬高専アカハラ問題
■群馬高専アカハラ問題をめぐる同校と当会の闘いについては、被害者らによる告発が当会になされてから間もなくはや4年が経過しようとしています。不開示処分取消裁判の結果として、関連文書の一部開示こそなされたものの、その後も山崎体制の群馬高専が依然として強硬な隠蔽姿勢を続けているため、遺憾ながらなかなか打開策が見出せず、膠着状態に陥ったままとなっています。

平成23年の群馬高専設立50周年記念ロゴデザイン最優秀賞作品。当時環境都市工学科5年在学の新海敬之氏作成。赤城・榛名・妙義の上毛三山に囲まれ、利根川が流れる豊かな大地で、心暖かで溌溂としたグローバル・エンジニアが育つ群馬高専を表す。群馬高専を囲むG型の曲線には、群馬の頭文字、学生の元気と頑張り、そして善意(Goodwill)と幸運(Good fortune)の意味が込められている。
 ところで、この強硬な隠蔽姿勢の強力な軸と歯車になっていたとみられる群馬高専の猿田事務部長(2017年度~)と櫻井総務課長(2016年度~)について、両名とも1958年度生まれであり(参考⇒https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2566.html)、今年度末に定年退職すると判明していたため、群馬高専の現況に関する質問をすることを兼ねて、電話口で退職前の挨拶をしておくことにしました。

 当会が3月11日に群馬高専に電話を掛けたところ、櫻井課長が電話口に出ました。会話の内容は次のとおりです。

当会:2017年度の情報をまとめた「校報」131号が、2019年度間近の今になっても未だに掲載されていないようだが、遅すぎないか?

櫻井課長:自分は知らなかった。調べてみる。(10分経って)……調べたところ、現在131号は掲載準備中。いつ掲載するのかは具体的に申せないが、近々といったところ。

当会:今年度から受験方式を大幅に変更したようだが、なぜ変更したことをしっかりとアナウンスして注意喚起していないのか?いくらなんでも配慮に欠けすぎている。

櫻井課長:いちおう受験生に対する説明会、チラシ、パンフ、あるいはHP上でそれなりに説明したつもり【当会注:とはいうものの、群馬高専のHP上に、少なくとも目につく場所にそのような説明文は見当たらない。チラシやパンフは当会には確認不能】
とはいえ、それで十分だったかどうかは定かではない。なお、オンブズマンのブログについても一応見させてもらった。

当会:どうでもいいことだが、群馬高専教職員の予定管理はサイボウズを使っているのか?

櫻井課長:他のソフトとあわせて、使っている。

■最後に、「長い間当会に付き合ってくれてありがとう。お疲れ様」と声をかけると、「なぜそのような個人的なことを知っているのか?」と訝しげな様子を一瞬見せつつも、何だかんだ「長い間お世話になりました」と返礼しました。当会から、「猿田部長にもよろしくお伝えください」と言うと、先方からは「承知しました」と返事があり、電話が終わりました。

 群馬高専のこれまでの強権的体制の維持に一役買っていた猿田部長・櫻井係長という主要幹部がゴソッと消えてしまうことで、いよいよ西尾前校長時代や訴訟過程を知る事務方までもが群馬高専を去ってしまうことになります。この後釜に果たしてどのような人物が就くのかは、新年度になってみなければわかりませんが、猿田部長の例を鑑みるに、より高専機構の意向を反映した「優秀な」人材が一挙に投入されてくる可能性が高いものとみられます。

■また、「校報」人事情報非公開や入試方式変更など、群馬高専がコッソリと行っていた各種措置について、理由や経緯を明らかにすべく、3月11日に以下のとおり群馬高専に情報開示請求をおこないました。

**********
(1)2016年10月に貴校が「校報」の人事情報を非公開としたことについて、その決定の経緯や命令者の役職・氏名に関わる一切の文書(校内会議の議事要旨・議事録・開催日程、または指示文書や記録等が想定される)。
(2)2019年度入学者選抜より、その前年度以前に比べて入試実施要項を多項目にわたり大幅に変更したことに関して、その変更の経緯・理由や検討・決定過程に関わる一切の文書。
(3)貴校の西尾典眞前校長に関して、就任から退職までの予定表(スケジュール)・勤務記録データのすべて

**********

 この情報が開示されるのは新年度、つまり幹部の陣容が入れ替わった後になるものとみられます。この情報開示請求への対応を小手調べにして、まずは新幹部のお手並み拝見といきたいと考えています。

■一方で、群馬高専での事件拡大をきっかけに腐敗した実態が明るみに出たお隣の長野高専でも、動きがありました。前年から校長が交代する可能性についてささやかれていましたが、関係者からの情報によれば、どうやら本当に今年度末をもって石原校長が退任し、校長が交代する見通しだということです。

 この校長交代劇に、当会の活動がどれほど影響を与えたのかは定かではありませんが、やはり天下り校長の定石は「責任も取らずに逃亡」なのだと再認識させられました。とはいえ、これで一件落着というわけではありません。天下り校長がただ逃亡しただけで、長野高専がこれまでブクブク溜め込んできた膿が吐き出されたわけではないからです。

 当会では、この膿が完全に吐き出されるまで、追及の手を緩めない方針でいます。

■ところで、この校長交代劇に関しては、11月に石原氏が文科省人事課を訪れていたとの証言があったため、関係者の間で予測がなされていました。当会が気になったのは、この訪問について、文科省側に果たして記録が残っているのだろうか、ということです。もしかすれば、群馬高専の西尾前校長の逃亡劇についても同様に証拠が掴めるかもしれません。

 そのような観点から、当会では3月11日に以下の情報開示請求書を文科省宛に提出しました。

**********
2018年11月16日に、貴省から出向中の職員である石原祐志氏が貴省人事課を訪れたことに関して、登庁記録・来庁記録等の一切、加えてこれに関連して作成した文書の一切
**********

 この開示請求に関しても、文科省からの反応を注視していく次第です。

■当会では、年度替わりを前にして状況の整理と情報収集に努めつつ、新年度そして新元号のもと新たなアクションを始めるための準備を粛々と進めていこうと考えています。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

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