↑2024年2月5日(月)午後1時半から3時まで館林市役所5階会議室で行われた協議の模様↑
■館林市の北部に工業団地が拡がっています。造成・分譲順に第一、第二、第三とあり、この工業団地には、多くの食品工場が立地しています。アサヒ飲料やブルドックソース、ダノンなどがその一部です。現在、館林北部第四地区の造成工事が進行中です。この地区は約19.3ヘクタールの面積を持ち、約13.0ヘクタールが工業用地となる予定です。この北部工業団地の第四地区の造成工事は2028年度に開始する予定でしたが、5年前倒しして2023年から開始し、2024年度には分譲を開始する計画で、造成工事は今年4月30日までに完了予定となっており、2024年度には分譲が開始される予定です。
こうした中、当会は、2月5日(月)午後1時半に館林市役所5階会議室で、市側担当者らと、北部第三工業団地におけるフッ素土壌汚染問題にかかるダノン所有地の現状と今後の取扱いについて、市側の考え方をヒヤリングすべく、協議に臨みました。この問題については、次のブログ記事を参照ください。
○2024年2月4日:館林北部第三工業団地を巡る土壌汚染問題の責任明確化が問われる館林市と群馬県環境森林部(その1)↓
○2924年2月5日:館林北部第三工業団地を巡る土壌汚染問題の責任明確化が問われる館林市と群馬県環境森林部(その2)↓
○2024年2月5日:館林北部第三工業団地を巡る土壌汚染問題の責任明確化が問われる館林市と群馬県環境森林部(その3)↓
↑伊勢崎駅でJRから東武に乗り換え↑
↑剛志駅あたりから雪が本降りとなってきた↑
↑館林駅改札口↑
前日来の降雪予報のため、筆者は車でなく電車で安中駅から高崎駅経由、両毛線で伊勢崎駅まで行き、同駅で東武伊勢崎線に乗り換えて館林駅に午後0時45分に到着しました。
伊勢崎駅を出たころから雪が降り始め、館林駅に着く頃は本降りになりました。さっそく、駅前からタクシーで館林市役所に行き、1階のロビーで当会顧問の館林支部長と、桐生から車で来た副代表と合流しました。エレベーターで5階の最上階へ上がり、左奥の突き当たりの部屋に通されました。
■午後1時半から始まる会議に先立ち、当会顧問が準備した2通の書類(群馬県からの弁明書と県への反論書)を市側参加者4名にも配布しました。
最初に当会3名の自己紹介を行い、続いて市側の参加者4名のかたがたの紹介がありました。産業政策課産業政策係の福田係長と尾崎担当、行政課法規登記係の吉永係長と石川担当が市側参加者です。
↑左から行政課法規登記係の石川担当、吉永係長、産業政策課産業政策係の福田係長と尾崎担当↑
冒頭に当会代表から今回の協議に関して、概要説明を行いました。
「まず今日の件、長年にわたり、物議を醸しているこの問題。皆さんにとっては裁判で決着がついているというスタンスかもしれないが、館林市北部にある下早川田町の第三工業団地があり、現在第四工業団地を造成中と聞く。今の第四工業団地は群馬県の企業局がやっているようだが、第三工業団地は解散した土地開発公社が手掛けたと認識している。
この時、フッ素が出たということで、なぜあのようなところでフッ素が出るのか。銅であれば昔は足尾銅山の影響かもしれない。実は当会としてフッ素というと製鉄の過程で出るスラグ、つまり、とりわけ電気炉を使ったスクラップ由来原料の製鉄過程で蛍石という安価で効率よく不純物を除去できる物質を使用するが、これが群馬県内の場合、大同特殊鋼という渋川駅近くに拠点を持つわが国屈指の特殊鋼メーカー。そこから排出されている鉄鋼スラグが由来で、これがあちこち物議を醸している。
当会はこの問題をずっと追及してきており、八ッ場ダムの関連工事だとか、今工事が大体終わっているが上武国道の埋土材や路盤材に大量に使われている。これが問題になっている。
上武国道では、大同特殊鋼が国交省と毎年工区を決めて除去工事をしている。舗装の下は本線なので交通を止められないので路肩部分を順に施工している。これは国交省の工事となっているが、費用は大同特殊鋼がスラグを撤去するということで負担して行っている。
そういう観点からフッ素というと、そこ(大同特殊鋼)が由来だとしていろいろ調査している。県が産廃として指定しているが、スラグを使用している場所がどこかというデータを開示しない。なので、当会は開示請求を県にした。「館林の北部第三工業団地及びその近辺に使用されているかどうか」を知るために情報開示請求をしたら、県は「不存在とは言っていない」のに開示しない。すでに2年ほど経過する。
それは別途審査請求を進めているが、この第三工業団地は平成22年頃、館林市土地開発公社が工事をした。その時に持ち込まれているのではないかという懸念がある。なぜなら、平成19年までは大同特殊鋼は渋川で副産物で出たスラグ、これをアスファルト骨材として、当時まだ廃業していなかった井上工業という県内の中堅ゼネコンの子会社のアスファルト舗装会社で使っていた。
ところが、井上工業は平成19年に廃業した。そのため大同特殊鋼はそれまでフッ素入り鉄鋼スラグを引き取ってもらっていたが、引き取ってもらえなくなり困ってしまった。そこに目を付けたのが佐藤建設工業という渋川市内に拠点を持つ土建屋。そこが渋川市内の山間部に自社で砕石場を保有しており、そこから出る砕石とフッ素入りのスラグを混ぜて資材として販売していた。
但し、販売時にスラグがそのままだと濃度が基準をオーバーしてしまうので、10倍以上天然砕石と混ぜて販売していた。これをあろうことか群馬県は、多分政治的圧力と思われるが、「再生砕石とみなして、公共工事につかってもよい」と、当時の県土整備部の倉島敬明氏が業者に通達を出した。これが平成22年から23年ころだったと思う。
そのため、こちらで土地開発公社が工業団地計画で造成時に、それを業者が入れたのではないかという疑念がある。そのためずっと、この裏付けを調べているが、なにしろ群馬県に聞いても、館林市の皆さんの諸先輩に聞いてもよく分からない。なぜこういうことになったかということは我々として疑念のベースとしている。
そして、トーモクが、売れ残ったというか、最後の土地2.7ヘクタールを買ったわけだ。その時に、3年くらい遊ばせて、あと、自分では使わずにまるまる大同薬品工業というダイドーのドリンク剤を作る会社が関東に工場を作りたいとして探していたら、ここがとりあえず空いていると。なぜトーモクが買ったのか、第2工場をつくろうとしたか、それは皆さんのほうがよく知っているはず。
それでその時に群馬県に土壌汚染対策法の第4条に基く届出、形質の変更届をした。そしたら県がどういう原因だがわからないが、農政部と東部環境事務所、そこと皆さんの館林市に問い合わせをして、その結果、どうもあそこは土壌汚染のおそれがあるらしいことを聴いた。そして、県への届出は大同薬品工業だが、地主はトーモクということで、届けた大同薬品工業に対して県が土壌調査命令をだした。それを地主であるトーモクが土壌を調べたらフッ素が出てきた。
ところがその隣はダノン、プラスチック・ホンダ、それと日立物流。これはダノンが買ってそこで物流センターとして貸しているようだ。それと手島精管だが、手島精管は土対法の届出を出していないようだ。
それで今言った3社、ダノンと日立物流の施設を作った大和ハウス工業、それにプラスチック・ホンダは、土壌汚染対策法第4条に基く届出をしている。
その時は、平成24年頃だが、当時群馬県は農政部や館林市、東部環境事務所に問い合わせたところ、結論として問題ないとなった。
なぜ、どういう理由で、当時は問題なく、その3年半後にトーモクが出した時は問題があるのか、小林会員は不思議に思い、情報開示をしたら、肝心の箇所は真っ黒けにされて、だから異議申し立ての審査請求をした。それで県が弁明書を出してきて、そこにあるが、それに対して反論書を出した。
今日はその問題について腹を割って隠し事のないように、この問題についてどのように館林市のほうは認識しているのか。小林会員が前々から心配しているように、いろいろとダノンから何か言われているのではないか、これ以上一般会計から多額の公費を公社の尻拭いに投入することは何としても避けたい。これが趣旨だ。
私も先ほど申し上げたように東邦亜鉛の土壌汚染。カドミウム、鉛、ヒ素。この降下煤塵で今土壌汚染防除の土地改良で地元の推進委員会の会長を仰せつかり1年半になる。
今回の場合、なぜ群馬県が土対法第4条の届出に対して違う対応をして、その結果、トーモクは5.2億円で汚染土壌を排客土し、ダノンの所有土地はまだぺんぺん草が生えている。これはなにか今後、市に対する悪影響になってくるのではないのか。この点はきちんと説明してもらいたい。
これについてきちんと説明責任を果たしてもらわないと、館林市民納税者にとって影響が大きい。説明したら影響が消えるかどうかはわからないが、やはりきちとありのままを説明して、なぜこうなったのかをきちんと究明して責任の所在を明確にし、なんとか市民に負担がかからないような解決策を模索すべきだ。」
次に、当会顧問で館林支部長から、先日県から送られてきた弁明書と、それに対する反論書について。市側職員に対して「内容をよく把握してもらうために、内容を読み上げてほしい」と要請しました。
しかし、市側職員らは、「読み上げるというのはこの弁明書全部か?」と難色を示したので、当会顧問は「でないと皆さん同じ認識にならないと思う。一応私の方で読み上げてもよいが、これは県のほうの役所の声として受け止められたい」と述べました。結局読んでいると結構な時間がかかるということで、大雪が降り続く窓の外の様子を見て、内容の読み上げ依頼は取り下げました。
次に、当会代表が、
「本当に認識していただきたいのは、この一番重要なところ、なぜダノンの3社の時には、同じように関係先から連絡、調査というか、ヒヤリングをした結果、土壌調査命令がなく、それとトーモクの時となぜ違うのか、そこのところ理由と根拠について県に開示をお願いしているわけだ。
だが、県の弁明を見ると『全部おそれがある』という。公文書非開示の理由として、県の条例に該当する条項をいろいろ挙げている。第14条第6号に関係するとか。法解釈による不適切なおそれ云々などとしている。
このおそれという理由でひた隠しにしようとしているので、同じ行政である館林市のほうでもきちんとこの経緯というかなぜこういう状況になったのかを、我々にかわって、県に対して説明責任を果たすように求めてもらいたい」
と市側に申し入れました。そして、さらに続けて、
「おそれがあるから一切これ以上の開示には応じませんと、県は頑なに言っている。そういうことでなくて当会会員が何を求めているか、これは2度とそういう理不尽な負担を一般会計、つまり、市民からの税金で成り立つ予算からの支出はやめてほしい。
本来であれば、トーモクのときでも、土壌汚染で土を入れ替えなくても、これ大同特殊鋼の他の地区では基本は撤去だが、渋川市などは保育園とか小中学校の父兄用の駐車場にも大量に敷きこまれているが、簡易舗装すればいいというやり方もまかり通っている。要するに雨が降ってフッ素入りのスラグに対して、雨が降ったり、地下水に浸されたりする影響もあるが、それらを遮断すればいいと。そうすれば滲み出た水の中にフッ素化合物が入らないという。
なぜ、ダノンや他のところも当然影響を及ぼすことが分かっていたのにもかかわらず、大同薬品工業が、人の口から体内に入る商品を製造するということで、県は『これは土壌汚染調査命令を出す必要がある』ということで判断したのか。だから土壌調査命令が出されたので調べたら、フッ素が出てしまった。
皆さんは、『裁判で和解』だから、また、裁判所は、館林市が、公社の時にガイドラインには沿っていないけれども、きちんと不要化処理した、とか、一部撤去したなどと言い訳を主張したことで、司法でも和解としたので、市としては裁判で悪いと言われなかったから責任を取る必要は無い、という、こういうスタンスかもしれない。
一番問題なのは、県がそこで、そういう判断を出した背景だ。当然その後、県から、市町村としては大きな自治体である館林氏がどういう影響を被るか、深謀遠慮があったのかどうか分からないが、『そのプロセスを明らかにしてほしい』と当会の顧問が市民代表としてお願いしているわけだ。となると、皆さんの力を借りるしかない。
なぜこうなったのかということ。ダノンの状況がわからない。ダノンの情報が開示されないので、あえて市民として懸念するわけだ。あそこの土地を使って(工場を建てて)いないのは、ダノンがトーモクの汚染土壌撤去を横で見ているから、当然(自分の土地の汚染を)知っているはず。
ということは、市に対して、いろいろ水面下でも言ってきているかもしれない。どうするのか。
それは県にも大きいな責任があるはずで、裁判の前に、トーモクがあれほど調整で何とかしましょうよ、減額にも応じますよ、と言っているのに、市は『もう弁護士に頼んだからガチンコでやるんだ』と。『どうせ損害賠償は一般会計で市民の血税で尻拭いすればいい。所詮税金なんてアブク銭だ』と。こういう考えはオンブズマンとして一番許せない対応なんです。
これは安中市の51億円事件と同じで、毎年群銀に2000万円ずつ103年間にわたり続けているが、これは裁判で和解になったから。裁判所の判事に言わせると、『行政に恥をかかせられない。行政に恥かかすと自分の出世に影響がある』とこう言っている。『特に群馬県が相手だと、県の職員は6000人もいて我々裁判官は3名しかいない。裁判長の自分と右陪席と左陪席の3人しかいないが、相手は6000名もの職員がいる。連合艦隊を相手に竹槍で勝負するようなものだ』という。戦時中のプロパガンダのようなことを言っている。
皆さんは、裁判の結果、和解で市に失態がなかった、とお墨付きを得たかもしれないが、現実を直視してほしい。
きちんと説明を頂かないと、我々としてさらに妄想を膨らませざるを得ない。」
次に当会顧問が、あらためて懸念を表明しました。
「要求事項として、要は山本知事からの弁明書に対して、当方として、それに対する返事について、ここに17ページにわたり反論を纏め上げた。本来であれば、この反論書も全部読み上げて、この問題についての認識を新たにしてもらいたいが、降雪の関係で全部読み切ることができない。最後の18ページに、ダノンが未操業の土地があり、ここに新たな工場の建設もされていないようだ。この理由が、フッ素による土壌汚染となれば、係争となり、『瑕疵付きの工業団地を売りつけた』として、再び係争になりかねない。
そして「館林市とトーモクとの関係においても、群馬県も積極的に関与し、支援や証言を行ってくれていれば、館林市は一般会計から約5,2億円もの支出をせずに済んだはずだ。今回の県の情報不開示決定処分が取り消され、土壌調査命令がなぜトーモクに対して発出されたのか、ダノンなど3社が立地する土地について、再び係争状態にならないよう、館林市の納税者市民として経緯を知っておく責務がある。なぜなら納税者市民県民として、請求人は二度と原因者に代わって館林を尻拭いのすることのないようにしたいからだ」
とし、最後に、
「第三工業団地について、今、トーモクだけでなくダノンその周辺地域の土壌汚染についても心配されているので、そこらあたりをどうするのかということが、具体的に館林市はどういうふうに今後この問題を扱っていくのか、そこのところの答えを聞きたい。
具体的にフッ素汚染土壌を今後どうするのか。このことについて館林市は考えておられるのか。これが最大の心配事だが、どうなのか?係長!そのあたりは?」
と当会顧問が市側に迫りました。すると、市側は
「ちょっと話がわかるところもあるし、わからないところもあるが、まず前提として、汚染されているということなんですか?」
と、呆れた質問を返してきました。当会顧問が、
「汚染されているから(汚染土の)入れ替え費用として、館林市は5億2千万円払ったと議会も認めている。その隣りのダノンはどうなのか。ちょっと心配されるのだが、ダノン(の土地)はコンクリートで覆っているから、もう(雨水は)浸み込まないのか。現地に行ってみると、だいぶ覆ってあるようだが」
と食い下がると、当会代表も
「福田係長さん。分かるところもあるが分からないところもある、ということは、我々の話したことが認識として、分からないということは、つまり、間違っているとか、不確実ということは察していただきたい。我々は情報開示請求でしか行政情報を入手する手段がない。
しかも、そこのところが黒塗りにされている。公開質問状という形でも(館林市側に)投げさせてもらっている。この公開質問は、小林会員から複数回出しているが、市側の回答は『弁護士と相談させていただく』など、まともな答えがない。
間違っているなら指摘してもらいたい、但し言えないということでずるずるいくと、また大変な問題になってしまう。そうではなく、『いや、この問題は全部きれいになっている』というのであれば、その根拠は『和解したから』ではダメで、科学的な根拠、或いはこれまでの経緯、そして相手方から確認を取って『ここはもう汚染されていない』という確証があれば、我々安心できるのだが、その確証がとれていない。群馬県が、そのように(土壌調査命令を)二重基準でやっているのも問題だ。土壌汚染の土対法に関する県の環境保全課の大気、水、土壌のうち、とくに土壌担当部署は非常に杜撰で二重基準だ。我々は真相を知りたいだけだ」
と呼応すると、当会の顧問は、
「その真相というのは、これはどこからフッ素をもってきたのか、(行政側は)何も言わない。一番よく知っていると思うのに。(フッ素汚染土を)どこから誰が持って来たのか? 青木議員が、要は同じあそこの渡良瀬地区出身の青木議員が、ある業者を頼んで『安い土砂があるから持ってこい』と言って、(その挙句に)勲章をもらったのかということになれば、とんでもないことだ」
と畳みかけました。すると市側は、
「ちょっとあのう、その部分については、何か、多分資料を渡したとか、既にお話しした話ではないかと思う。私どもは、ちょっと言い方はあれだが、当事者ではなかったので、といってはなんだが、資料とか、(役所にまだ)居る人の話を聞いて、事実として確認したことをお伝えしてきているつもりだ。あとは、書類も、それを渡しているはずだ」
と、既に報告済みであることを強調する発言をしました。当会顧問は、「直接の担当者はいないのか?」と突っ込みを入れると、市側は「直接の担当者・・・うーん。当時のですねえ」と首を傾げるので、「石川さんは違うの?」と、当人は「私は立場が違います」と、他人事のような返事でした。
それを聞いていた当会の副代表は、
「ちょっといいですか? 皆さんは、地方自治法って知っていますか?」
と市側に質問しました。すると市側は一様に「え?」と訝しそうな表情を浮かべたので、当会副代表から次の説明をしました。
「(地方自治法の)目的に何と書いてあるのか? 住民の福祉の増進を基本目的としてと書いてある。情報公開法は原則開示なんですよ。それ知ってますでしょ? なぜかというと説明責任のための資料なんですよね」
さらに当会顧問は、
「あの地区の代表者である青木(一夫・元)議員をこの席に呼んでほしい。この件をどう見ていたのか、その説明を以前から直接(本人に)言おう言おうと思っていて言えなかったが、この場を借りて担当地区の青木議員は(この件を)どのように見ていたのか、あるいは直接関与していたのではないか、とも思う。何度言ってもしらばっくれて逃げ回っていて聞けないでいた。だからそういう場を作ってほしい。福田さん、お願いします」
と市側に申し入れると、市側は「青木元議員ねえ」といかにも乗り気のなさそうな返事なので、当会顧問は「直接対決したい」と申し入れると、市側は「まあ難しいですね」と他人事のような回答でした。
当会顧問は、このような市側担当者の煮え切らない回答に業を煮やし、
「なんで自分の地区で汚染物質を出すようなことをやったのか? 過去にあそこの(早川田)地区は(足尾銅山)鉱毒事件で雲龍寺があったところだ。二度とああいうことをやらないということなので、第二の鉱毒事件ではないかと私は思う」
と声を絞り出しました。当会代表も「まさにそうだと思う」とコメントしました。当会顧問は続けて、
「腹が煮えくり返っている。同じことを同じ地区で二度もやった。それでなおかつ勲章までもらったというからたまげた。この席に市長を呼びたかった。そして、市民が抱くおそれを徹底的に最後まで追求してくれと、思っていた。不思議ではないか。(元議員は)逃げ回っていて説明がつかない。市長は(この事件を)追及したのか?」
と言うと、市側が
「青木元議員のことですか?因果関係というものが、今回のそれについて、青木元議員の責任だよというのは、何かはっきりした証拠があるのか?」
と質問してきたので、当会顧問は、
「あるよ。勲章をもらっているから。勲章だよ。逆だよ。これに対して勲章をくれて口をふさいでしまった。勲章で」
と反論。当会副代表も、
「ちょっと皆さん、他人事のように言っているが、さっき言ったように地方自治法にはちゃんと住民の福祉の増進がうたわれている。館林市は住民である小林さんにきちんと説明責任を果たしてくれればいい」
とコメントしました。すると市側は、
「さきほど申し上げたとおり、事実として、はっきりと、こちらで申し上げられることはお伝え申し上げた。情報公開としても出している。黒塗りというのは、おそらく県のほうの話だと思う」
と釈明したので、当会副代表は、
「だからお宅らの存在意義は、住民の福祉の増進を基本目的としているのだから、実際に税金は住民のものであり市長のものではない。ちがいますか?」
と説明すると、市側は「皆さんのお考えはわかります」と言うので、当会副代表が、
「それが不当に使われないように、こういうふうに市の対応を聴いているわけだ。県については、別途情報開示をやっている。だから、情報公開法について、ちゃんと文章と解釈をみてくださいよ」
と、重ねて説明しました。しかし、市側は、まだよく呑み込めていない様子で、
「その情報公開で黒塗りとおっしゃっていたのは、今回こちらの方の件? 私ども館林市の話か?」
と聞き返してくる始末です。当会副代表は、
「おそれを理由に不開示としてはいけない。ちゃんと具体的にそういうおそれを立証する責任が(行政側に)ある。これは最高裁の判例でもちゃんと出ている。現に私はそれで勝訴している。裁判所も『具体的なおそれでないといけないから、具体的に立証しなさい』と言っている。情報開示条例でも住民の福祉に反するものは開示しなければならないとうたっている。守らなければならない生命と財産に関するものは、とりわけ、そうですよ」
と粘り強く説明しました。市側も「そうですね」と言うものの、まだ、認識が不十分な様子なので、当会副代表は、
「明らかに税金の使い道の無駄を防ごうとしているわけで、これは市民の財産だ。そういう立場で行政をするのはあたりまえのことだ。そのために我々は説明責任を果たしてほしいと言っているわけだ」
と念を押しました。当会顧問は、
「吉永さん、さっき言った青木(元)議員がいろいろ知っているのではないかと私は思っているわけだ。それをいろいろ言わせるために、吉永さんにはいろいろお願いしているが、どうなのか?」
と、ダノンに売却した土地のフッ素汚染疑惑について市側に問いました。すると市側は、
「あの、私は青木(元)議員の存在はわからない。当時、(土地開発)公社にいらっしゃったのは分かるが」
というので、当会顧問は、
「あそこの地区で発生した10年前の時期の、その地区の議員だよ。原点だよ。その地区でそれでよくやったということで館林市はその人を祭り上げたから私も何も言えない。だけどこの場だから言うが、福田さん、館林市にこれについて追及する委員会を作ってほしい」
として、調査委員会の設置を提案しました。しかし市側は「青木(元)議員を追及する委員会か?」とまだ趣旨が呑み込めていない様子です。当会顧問は、
「青木(元)議員ではなく、第三工業団地のフッ素の解明ということで委員会を作ってほしい。青木(元)議員ももちろん入れてほしい。それで究明してください。私にはそこまでの権限がないからできないが、福田さん、あなたならできるでしょう?」
と強くお願いをしました。すると市側は「第三者委員会を作ること?」と、とぼけたことを言っています。当会顧問は、
「そうそう。その傍聴席に私は入って聴かせてもらいたい。そこで発言はしないが、傍聴するだけでいい。このままでは真相がつかめないまま終わってしまう」
と調査委員会の重要性を強調しました。しかし市側は、
「まず、群馬県さんが調査命令を出したとか出さないとかの判断は、当然我々も分からないし」
などと、拍子抜けする見解を示す始末です。当会出席者は声を揃えて、
「分かりますよ」
「(県に)問い合わせすればいい」
「なんで(調査命令を)出したのか、とか」
と言いました。さらに、当会代表からは、
「あたりまえですよ。今の地方自治法の目的に立ち返って、すぐそれをやってほしい。我々は(県に)なめられているが、皆さんだったら行政として対等の立場ですから。しかも当時、館林市職員のかたにヒヤリングした記録を彼ら(県)は持っている。それを小林さんが(県に)出してほしいと言っても(県は)出さない。皆さんも出さないでしょ。
だから、皆さんが直接群馬県知事に聞いてください。簡単な事だ。なぜそれをやらないのか。やらないで、また5億2千万円あるいはそれを超えても、その金額を(税金から)支払えばいいと思っているのではないのか?
そもそも、ダノンとの話は水面下でどうなっているのか? なんなら、私らはダノンに対する利害や権限はないが、ダノンにその辺(のいきさつ)について公開質問状を出さなくてはいけない。皆さんの話を聞いたうえで、聞いても話してもらえないのであればね。市はこの問題について、どう考えているのか。
ダノンはグローバル企業であり、(企業ガバナンスは)ものすごく厳しい。だから打算も厳しい。どういういうふうに軟着陸させるのか、そのためには、ありとあらゆるテクニックを駆使するグローバル企業だ。彼らにしてみれば、地方自治体がいくら弁護士を雇っても、多寡をくくっているかもしれない。これはあくまで推測だが。だから第三者の調査委員会をつくってもらいたい。
さもないと、ダノンに聞かざるを得ないことになる。我々も。こんなことはしたくないが、そのようなグローバル企業で力をもっているところであっても、必要なら問い合わせる。決してビビっているわけではない。SNSで何でも発信できる。とにかくお願いしたい。『これは、問題ないんだ。市民への負担はかからない』と今、根拠のある説明をしてもらえれば我々も市民も納得する。
問題なのは、土対法の調査権限を持つ群馬県において、そういう摩訶不思議なことがあることだ。県は当時、(館林市土地開発)公社の職員に(土壌汚染のことについて)事情をきいているが、それについての情報も真っ黒けだ。それを皆さんから、行政として開示を求めれば、群馬県は皆さんに開示するだろう。それは皆さんにとって『平穏な事務事業を害するおそれがある』ということで、いつも情報不開示の口実になるかもしれない。群馬県もそうだ。しかしそういうおそれはない。なにしろ、昔の話だから。
とはいえ、そうやって闇に葬っていいのか。(当会顧問の)小林さんが、こんなに長い間、土地開発公社の羽衣事件以来、不正を追及してきている。それなのに何という対応なのか。恥と言うものを知ってほしい」
と説明。当会顧問も
「委員会を作って究明するということで本日の会議は終わりにしたいと思うがが、どうですか? 福田さん」
と再度申し入れました。それでもなお市側は、
「まあ、今この場で委員会を作るとか言う話はできない。今の話をきいて、ちょっと我々として考える時間をいただきたい」
と及び腰の見解を示すだけです。当会代表からは、
「もう考えているでしょう。それを話していただきたい。よく、まだ未成熟の情報だからということで開示しないが、未成熟だから、まだ決まっていないからというのではなく、現時点でどういう判断をしているのか、そこをきちんと開示してもらいたい。或いは、説明責任を果たしてもらいたい。どの自治体にもこういう話をしているが、地方自治法の基本をわきまえていないのではないか、そうとしか思えない」
と重ねて情報開示と共有をお願いしました。当会顧問も、
「福田さんとしては、委員会を作る筆頭責任者に適している立場かなと思う。名目上は市長だが、実際に動く人は福田さんしかいない」
というと、市側は「第三者委員会というのは市の職員で作る委員会ということか?」と聞き返してきました。当会副代表から、
「市の職員で委員会を作っても解明できない。桐生市もいろいろ問題があって市の職員による調査委員会を作ったが解明できると思いますか。いままでこういう事件を解決できなかった人たちがなぜ解決できるのか、と思う」
と見解を示しました。当会顧問は
「議員を立てた方がいいと思い、実はこの席に議員を誘った。誘ったが、まあ、断られたけどね。一人くらいでは何ともならないのでやはり協力者としての議員も必要かと思う。そうすれば頼んでみようと思う。青木(元)議員の親戚の議員だと反対されるので、彼はちょっとよけていてもらいたいが、女性議員のなかで、この問題について今日も同席してもらおうかと思った人がいる。どうすれば(調査委員会の設置が)できますか? 福田さん」
と話を向けると市側は「分からないですね。正直言うと分からない」と言うので、当会顧問が「吉永さんはどうですか? どういうふうな方策なら解決するか?」と尋ねると、市側は、
「解決するというのは、原因をはっきりさせるということですよね?」
と聞き返してきました。当会代表は、
「事の重要性を認識されていますか? (トーモクに支払った)5.2億円など端金だと。当時の公社は解散しているから、昔やっている奴がやったことだと。トーモクとの裁判でも『和解で市は悪くなかった』と。あぶく銭の血税で尻拭いしたのでそれでお仕舞いだと、思っているのではないか。
安中市も同じだ。だから反省しないでまた同じように不正が蔓延るわけだ。安中市の場合は、先ず真相究明、責任の所在を明らかにする。それをもって再発防止。このホップ・ステップ・ジャンプがきちんとなされないと、後に禍根を遺して同じことがまた起こる。もう水面下で起きているかもしれないが。
ひょっとしたら『こんなことはよくあるひとつで、日常茶飯事だ』と思っているのかもしれないし、しかも、『たった5億2千万円などたいしたことではない』と思っているのではないか。
役人は無謬性ということで法律でも性善説だ。地方自治法もそういう考え方で成り立っている。だから告発義務でなく守秘義務しか守ろうとしない。なので、どの自治体もあいかわらず悪事が蔓延って、税金の無駄遣いと行政権限の不当な行使でいろいろな市民や関係者が迷惑をこうむる。ぜひ自分のこととして考えてほしい。市民の税金で尻拭いしようとしないで、第三者の調査委員会をどうすべきかと。即刻皆さんが考えるべきだ。
まあ第三者委員会となると、公正・中立を担保するために人選に苦慮する。そうでなくても、なにか裏があるのでは、ということでゴタゴタする。第三者調査委員会をどうするか。即皆さんが考えるべきだ」
さらに当会代表が続けます。
「真相究明について、書類も10年たったらもう廃棄だと。書庫にあっても不存在にしてしまえ、そういう考え方が蔓延っている。真相究明は難しいかもしれない。だから私はフッ素について、大同特殊鋼由来で持ち込まれたと思う。あと電炉メーカーとしては、藤岡市の神流川の対岸にある朝日工業も電炉を使っている。あそこの鉄鋼スラグも八ッ場ダム付近に持ち込まれたことが、県の資料で確認されている。
あとは沿岸部にあるJFEだ。昔の川崎製鉄。こちらから持ち込まれた可能性もなきにしもあらず。だが、あそこは高炉の製鉄なのでフッ素はあまり使われていないかもしれない。いずれにしてもフッ素がこんな内陸で発見されたこと自体、私は大同特殊鋼由来だと思う。
だから群馬県に開示するように求めてほしい。県は(大同スラグの使用箇所について)調べている。どこに使ったかというのを調べた。大同特殊鋼であり、大同薬品工業ではない。それはリストとして挙がっている。だから『館林北部第三工業団及びその近辺で使われていることが分かる情報』ということで開示請求した。しかし不開示とされた。もう2年近く経過しているがまだ結論がでない。そういうリストを、皆さんが群馬県に開示するように言ってほしい。県はちゃんと持っているんだから、(フッ素土壌汚染が)大同特殊鋼由来のものかどうか、すぐわかるはず。直ぐに皆さんならやれるはずだ。そういうふうにして原因者も容易に突き止められる手段はあるわけだ。県が見せてくれればいいのだが、(当会に対して)県は見せないから、『ああ、何かあるんではないか』とこう思うわけだ。ぜひ我々の代わりに群馬県の環境保全課に、あるいは山本一太知事に言って『すぐ見せろ』と。『どこに大同特殊鋼フッ素入りスラグがまかれたのか』とね。排出先の情報は全部記録しなければならないからね」
すると市側から「一点だけよろしいか?」と質問が出されました。当会が「どうぞ」というと、市側は次の説明をし始めました。
「当時、北部第三工業団地の造成に当たり、外部から土を持って来た事実はある。それについては小林さんから情報開示請求を頂き、どこから持って来たのか、ということと、持って来た土について、当時公社が検査していたようだ。その検査の結果については、もうお渡ししている。それによるともう見ていただけば分かると思うが、佐野の山だったりする記録がある。当時フッ素は(基準値を)超えていないという記録がちゃんと残っていて、それはお渡ししているところだ」
これを聞いた当会が「でも実際には(フッ素が)出ているわけだ」というと、市側は「そうですね」と言うので、当会代表がさらに付け加えました。
「業者は材料試験表を偽造するわけだ。だから、排出者のほうで、群馬県が調べている。私は、『大同特殊鋼だ』という確たる証拠はないのだが、群馬県がもう2年にわたり私の方に(「大同スラグの使用場所」の調査結果リストを)見せずにいるわけだ。
しかも当時も土地開発公社というとにかく伏魔殿みたいな組織だから。安中市も土地開発公社を舞台に51億円を抜かれた。土地開発公社は利権の巣窟なので、そこで工事を発注したりして、工事監督というのも職員が兼務するが、みな杜撰で業者任せ。群馬県もいい加減だが、一応国でもそう。しかしそれでも提出する材料証明書は半年に1回。それを県指定の試験センターでチェックしたのを付ければよいこととなっている。
だから実際には大量のスラグが県内の公共事業で、また国では上武道路などにばらまかれた。なので、館林市の伏魔殿のような土地公社の事業などはチョロいもので、やりたい放題だ。だから今残っている資料、いろいろな配慮で(市側で)遺していただけるのはありがたいが、そうでなくて別ルートでも情報があるわけだからそれらを駆使して情報収集する。
実際にスラグが入れられたことについては、破砕されているかもしれないが、それを分析するなりすれば、ある程度特定できる。どこで生産されているかを。他にフッ素でそんなに濃度の高いものを出すという産業は見当たらない。今PFASなどいろいろなフッ素化合物でテフロン加工だとか、いろいろな消火剤とかあるが、これだけ大量に広範囲に地面に含まれているのは、そういうスラグ由来の汚染と見るのが一般的だ。
だからぜひ皆さんにお願いしたい。群馬県は、大同スラグの資料として、使用場所についてリストを持っている。どこにどれだけ出荷したというのを、彼らは持っているし、一覧表にしている」
これを聴いていた市側は「・・・・」だったので、さらに当会代表から、
「出来る術は有るんです。皆さんの権限をもってすれば、地方分権だから同じ対等な目線ですからね。こういう訳で第三者調査委員会の設立に向けてアクションプランを前向きに考えてもらいたい。市民に見えるかたちで。
それで一番重要なのは、ダノンのあの土地が、どういうふうな今、立ち位置というか、建付けになっているのかを。なぜダノンはあそこに工場を作らないのか。ダノンは当然、これは私の勝手な推測だが、大同薬品工場が口に入る製品を作るから県もそういう所であるからということで、あそこに土壌調査命令を出したのだと思う。
ダノンも食べ物としての製品を作っているので、当然(土壌汚染には)神経質になっているはず。だから、あそこに(工場を)建てられないというのであれば、それはフッ素が原因だということは当然うかがえる。
ではどうするのか。ダノンあっての館林というか、館林市は、ダノンジャパンが唯一日本で工場を持っている自治体だ。だからダノンのHPにも書いてある。館林市との友好関係についてよく書いてある」
その時、会議室のドアを叩いて入ってきた職員が「お時間です」と言ってきました。市側の参加者は「まだだ」と合図を送りました。当会代表はそのまま話をつづけました。
「それだけお互い持ちつ持たれつの間だったら、きちんと、どうすべきかというとことを皆さんからも説明しているはずだし、向こう(ダノン)だって『隣が土壌汚染しているから、うちのところも』という話が出ている筈。なので、心配なので、ダノンとの交渉について、情報開示請求をさせてもらうかもしれない。そうしないと市民は心配するからだ。それが出せないとなると、また5.2億円プラスアルファ。ダノンの敷地は確か7.2ヘクタールある。そのうち2.63ヘクタールは大和ハウス工業が日立物流に貸している。日立物流がダノン4分の3、ヤクルト4分の1の割合でロジスティックス業務を担当することとで操業している。そこには建物は建っている。だけどダノンは2022年までに隣接地に新工場を作ると2014年のHPでプレスリリースしている。あのグローバル企業がこういうふうなアクションプランを作ったら、それに沿ってきちんとフォローする。
だけど、まだ作っていない。既に2024年になっていても、だ。ということはやはり懸念される。あそこの場所はどうするのかと。トーモクの2倍もある。トーモクも館林に第1工場に加えて第2工場を、その時は作りたいという計画があったのかもしれない。土壌汚染問題が発覚しても、トーモクは『館林さんとは仲良くやっていきたいので穏便に』と言っていたにもかかわらず、その時は皆さんは『もう弁護士を立てている』として、蹴飛ばした。
ダノンともそういうやりとりをやるつもりなのか。ダノンが取得してまだ工場が立っていない場所は、トーモクの場所のほぼ2倍の面積がありますよね。今、トーモクが大同ドリンコHDの子会社の大同薬品工業に転貸したのかは定かでないが、2.7ヘクタールを全部転貸したとして、そのほとんどに大同薬品工業が施設を作った。
あれ2.7ヘクタール全部に排客土工事をしたのかどうか定かではないが、88区画各10m四方で1㎡4万円かけて汚染土壌除去をやりましたよね。そうなると5.2億円の費用では追い付かないかもしれない。今度は倍となるわけで、そうすると10億円となるわけだ。
果たしてそうなるのかどうか、『心配いらない』と云うならそれでいい。オンブズマンが勝手に妄想を膨らませて『心配性だな』と。『そんな心配は無用だ。心配はない。もうダノンとは手打ちをしたんだから』とおっしゃりたいのかもしれない。
なので、今度の(現在造成工事がほぼ完了しつつある)第四工業団地に(ダノンの)土地を手当てをして、あそこ(の土壌汚染の土地)はそのままにして、ほとぼりをさます方針なのではないか、と、我々としても妄想が広がるわけだ」
すると当会顧問が次の見解を述べました。
「議員を動かさないとダメかな。議員の賛成は、というよりは決まってしまえば予算を組んでやるでしょうよ。要は、下手をすると、ダノンの土地を、ダノンが今の(汚染土壌の)ままだと逃げられてしまう。あまり私も騒がないようにするのは、騒ぐと(ダノンに)逃げられるからだ。それを逃げないようにするにはどうすればよいか、ということを議員の間で話をして、その土地を浄化してダノンさん使ってくださいというしかないと思う。
下手に第三者委員会を立ち上げてガタガタやっていると、ダノンが逃げてしまうと私は思う。私は御カネがないから、カネを動かすのは議員だと、私は思うので、議員に相談してそこら辺をダノンの土地を浄化すると、いうことでやったらいかがかなということで、提案してみたい。2倍の土地があるんだから10億くらいかかるんでしょうけど。
そこらへん、よく分からないけど、トーモクが三味線引いて、3分の1、4分の1で、本当は1億で(土壌汚染除去が)できるのに5億も(市に)請求したのかどうか、私には分からないが、館林が自分でやれば、1億か2億でできるのではないか。
そこは、上っ面だけきれいにして、ということをやるとまた問題なので、ちゃんとその辺は浄化して綺麗になりました、ということで、県にも相談するとよいかもしれない」
それを受けて当会代表が発言しました。
「群馬県はいい加減なのでケース・バイ・ケースで判断する。だからトーモクが大同ドリンコの子会社に関東工場を作らせるというので、格好をつけて、きちんと浄化するように、と配慮したのかもしれないが、土壌調査命令を出した県の環境保全課の担当係長は「(ダノンらの土対法第4条による届出の際は土壌汚染のおそれがあることを)知らなかった」と言っている。
さっきの話で思い出すのが、東邦亜鉛安中製錬所の場合で、重金属汚染土地の上に安全な客土を45センチ敷いたことでOKを出した。任意の措置としているけれども、それでも県はOKと言っている。
それと渋川市の場合はフッ素汚染土地を舗装することでOKとしている。安中市のクレー射撃上の改装でライフル射撃上に併設する場所も、散弾など鉛やカドミウムによる汚染区域の指定をした。それは2mくらいの深さでかなり大規模で天地返しと呼ばれる反転工法で実施し、県はそれでOKだとしている。
しかし、ダノンジャパンはグローバル企業なのでそういう小手先の工法では絶対納得しないと思う。でも群馬県と皆さんと相談して、あそこをどうやって被害を最小化させるのか、本当であれば原因者は誰かということを追及しなければならないのだが、これ以上、火の粉が拡がらないようにするにはどうすればいいのか。
通常なら、例えば、東邦亜鉛は公害でならした大企業だし、小渕優子に政治献金しているからかどうか分からないが、汚染土地の上に45センチの上乗せ客土でOKとしたのかもしれないし、県営のクレー・ライフル総合射撃場の汚染土壌対策のように、天地返しでOKというのかもしれない。
だけど、群馬県があのような土壌調査命令を出したり出さなかったりしたから今回の問題が起きた。群馬県の判断の二重基準をやめさせないと、再発防止にならないのではないか、と当会は言っている。
とにかくダノンの場合は、市民の負担のないようにしてもらいたい。ダノンともう、いろいろと交渉しているというなら、すぐ、あそこのところを、交渉の過程も含めて、オープンにしないといけない。いきなり結果を示されると、その内容にもよるが、市民は驚いてしまう。それ(第三工業団地を造成する)以前にも、公社がガイドラインに沿わない形で、何か(フッ素除去にかかる)工事をしているわけだが、あれもそれなりにカネがかかっていたはずだ。
そうでなくても土地開発公社は20億円を一般会計で損切りをしているではないか。しかもそれを、10年から20年かけて、市が返済中だ。安中市の公社51億円事件の103年ローンもそうだが、役所の誰もが真剣に考えないのは、尻拭いに使われるカネが税金由来のアブク銭だからと思っているからだ。
だから、裁判所が、行政を和解にしたという背景はよく分かる。最初からそうするつもりだったからだ。誰がどう見ても汚染物質が入っているから館林市側の分が悪い。トーモクも市との関係を慮って減額に応じる姿勢を示していたではないか。それを蹴飛ばしてしまった。
ダノンとの交渉では、そういうことをしないでもらいたい。私は館林市民ではないが、安中市民として行政のそういう理不尽な勝手な決ぬぐいで2113年まで安中市が連帯補法人で群馬銀行に和解金の返済をしている状況に我慢ならないので、館林市民と同じ思いだ。
話が散漫になったがまず第三者委員会の設立に向けて真剣に前向きに討議してもらいたい。それと、スラグがどこから持ち込まれたかは群馬兼に聞けば、すぐ分かるので、これは今すぐにでもできるアクションだ。それと、ダノンと今、水面下でおそらく進めている交渉についても、発表できるかどうか、ダノンとの内々の約束もあるのかもしれないが、一応、方向性など、市民に負担を掛けません、という方向で、やっているのかどうか、これが知らされないと市民としては枕を高くして寝られないと思う」
そして最後に、当会顧問から次の発言があった。
「一応、山本一太知事がこの話に乗ってくれているので、こういう時期なので、一太知事にさらに、やはり良い知恵を借りて、市は対応してもらいたい。前の市長は何と言ったか、(市側から「須藤です」とコメントあり)須藤前市長は、一太知事と懇意だった。
政治的に、私も議員を動かす力はないので、ぜひ議員を動かして一太知事に、せっかく一太が前向いてくれているわけなので、話に乘りかかってくれているわけなので、いい機会だと思う。まあそんなわけで、今日のところは、尻切れトンボになったかもしれないが、ひと津宜しくお願いします。福田さんの右腕にかかっているからね」
すると市側から「私には権限がないんです」と弱気な発言があり、それに対して当会顧問は、
「係長さんにおいては、一番脂がのっているポジションなので、権限があるはず。一番のキーマンだ。だからこうして出てきていただいた」
と持ち上げましたが、市側は「小林さんが私を指名してきたから」と最後まで、消極的な姿勢でした。
会議室の窓から外を見ると、一面の雪景色です。会議が始まりもう1時間半が経過していました。市側には「本日の協議については動画で記録しており、後日YouTubeで公表する予定です」と申し上げ、了承を得ました。
↑帰路、JR両毛線の前橋駅で「高崎駅構内で雪によるポイント故障のため、電車が各駅に停まっており、この電車もしばらくここで待機します」とのアナウンス。その後もズルズル遅れ、信越線で安中駅についたのは予定より1時間遅れの午後7時過ぎだった↑
■本日の館林市側との協議を踏まえて、当会は、近日中に、「第三者調査委員会の設置」と「フッ素による土壌汚染の原因調査」、そして「ダノンが買わされた土壌汚染土地の今後の取扱い方針と現状報告」について、文書で館林市長宛に要望することにしています。
【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】