■当会は、安中市土地開発公社を舞台にした巨額公金横領事件の群銀への和解金支払い103年ローン問題で、少なくとも安中市とは別法人の公社のために、安中市が連帯責任を負う必要はないはずと考えています。ところが、安中市が群銀の圧力に屈して、前回の和解10年後の対応と同じ形で和解20年後についても、今年の3月末に群銀に「証」を差し出したことが、安中市の広報あんなか6月1日号ではじめて市民に知らさたため、仰天しました。
この間の経緯を調べるため、当会は6月10日に情報公開請求をしたところ、8月14日にようやく500ページ余りの黒塗りだらけの情報が開示されました。これでは住民として納得できないため、疑問や不明な事項を列挙して質問状の形にまとめて、9月18日付で安中市長宛に書留で郵送したところ、返事が遅れに遅れていましたが、10月23日に、ようやくメールで送られてきました。この安中市からの回答内容に、いくつかの疑義や示唆があったため、10月24日に安中市長あてに追加の行政文書開示請求書を提出しました。ここまでの詳細については次のブログ記事をご覧ください。
○2019年10月24日:【タゴ51億横領103年ローン】和解後20年目にタゴから1円も取れず群銀には貢ぐ安中市が住民説明会?!↓
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3062.html
↑安中市・公社はタゴ事件の尻拭いの和解金を、原因者であるタゴから回収する熱意が全くない。当会は市・公社関係者と一緒にタゴ元職員を訪問して、市民の立場から早期の返済を強く要請したいと安中市長に申し入れている。写真はタゴ元職員の住む高崎市内の居住先に割合近いとされるファーストフード店。もしかしたら、元職員やその親族に会えるかも。↑
なお、最近のタゴ51億円事件を巡る当会ブログ関連記事は時系列でみると次のとおりとなります。
○2019年9月18~19日:【タゴ51億横領103年ローン】群銀との和解20年後の対応に係る8.14開示資料が示す安中市の秘匿体質(1)~(9)↓
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3022.html
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3023.html
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3024.html
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3025.html
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3026.html
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3027.html
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3028.html
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3029.html
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3030.html
○2019年9月19日:【タゴ51億横領103年ローン】群銀との和解20年後の対応に係る8.14開示資料黒塗りだらけで安中市に質問状!↓
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3031.html
○2019年10月24日:【タゴ51億横領103年ローン】和解後20年目にタゴから1円も取れず群銀には貢ぐ安中市が住民説明会?!↓
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3062.html
○2019年11月28日:当会の要請で渋々開催?…タゴ事件103年ローンの群銀和解20年目の対応について12.25-26に説明会↓
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3083.html
○2019年12月26日:安中公社51億円事件…タゴのタゴによるタゴの為の和解20年後の市民向け報告会一部始終(その1)↓
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3097.html
○2019年12月29日:安中公社51億円事件…タゴのタゴによるタゴの為の和解20年後の市民向け報告会一部始終(その2)↓
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3100.html
■その結果、11月6日に追加情報の開示決定通知が来ました。内容は次のファイルをご覧ください。
※2019年11月6日付行政文書開示・部分開示決定通知書 ZIP ⇒ 2019110600sjmia20nj.zip
※2019年11月6日に開示された資料一式 ZIP ⇒ 2019110601to06npalfeacenpj.zip
上記の経緯や開示資料の範囲と内容を精査すると、安中市が公社の103年ローンの和解20年後の対応における情報秘匿体質について、このまま看過できないことから、当会は行政不服審査法に基づく審査請求を行うことにしました。
そして2019年11月7日付で次の内容の審査請求書を、安中市長に提出しました。
*****審査請求書*****ZIP ⇒ 20191107riqa20nj.zip
審査請求書
令和元年11月7日
安中市長 茂 木 英 子 様
審査請求人 〒379-0114
安中市野殿980
小川 賢 ㊞
(連絡先 090-5302-8312)
次のとおり審査請求をします。
1 審査請求に係る処分の内容
安中市長がした安企発第826号令和元年8月6日付けの行政文書部分開示決定処分
2 審査請求に係る処分があったことを知った年月日
令和元年8月8日
3 審査請求の趣旨
「1記載の処分を取り消す」との裁決を求める。
4 審査請求の理由
(1)審査請求人は、令和元年8月6日、安中市長から1に記載する処分を受けた。
(2)しかし、本件処分は、部分開示としながらも、実質は、安中市長が連帯保証人となって、かつ、安中市長が基本金500万円全額支出している安中市土地開発公社(以下「公社」という)により、とりわけ、和解後20年後の対応として、和解先の群馬銀行に対して今後10年間の「証」(連帯保証人として現時点で債務金16億5千万円の債務負担金と、今後10年間、毎年12月25日限り金2千万円の支払い方法について合意した文書)を交わすに際して、理事会で討議された元職員多胡邦夫(公社にとって民事裁判勝訴による債務負担の義務を負う者でもあることから、以下「債務者」という)により引き起こされた和解条項にかかわる直接・間接のさまざまな事項について、議事録に記された該当部分を黒塗りにした文書を、別法人である公社から提出された文書だとして、そのまま審査請求人に部分開示した。
(3)この公社由来の部分開示理由は、債務保証人の安中市長から具体的に示されていないが、連帯保証先の公社においても、その情報公開の趣旨は、安中市情報公開条例(以下「条例」という)に準じていると解釈されることから、安中市長がきちんと公社に対して、条例の順守を指導すべきであり、それを怠ることにより、納税者市民である審査請求人に、部分開示処分による不開示処分を行ったことは違法である。
(4)公社が不開示とした理由について、安中市長は審査請求人に明らかにしていないが、、条例に準じれば、安中市長は条例第7条第1項の次の各号に当たると主張するのかもしれない。よって、それぞれについて、審査請求人の異議理由を記す。
<第3号>
(3) 法人その他の団体(国、独立行政法人等、地方公共団体及び地方独立行政法人を除く。以下「法人等」という。)に関する情報又は事業を営む個人の当該事業に関する情報であって、公にすることにより、当該法人等又は当該個人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるもの。ただし、人の生命、健康、生活又は財産を保護するため、公にすることが必要であると認められる情報を除く。
【異議理由】
本件は、公社の連帯保証人の安中市長が管轄する区域に居住する納税者市民のひとりである審査請求人にとって、市の財産を保護するために公にすることが必要な情報であり、上記但し書きに該当する。
<第5号>
(5) 市、国及び他の地方公共団体の機関、独立行政法人等並びに地方独立行政法人の内部又は相互間における審議、検討又は協議に関する情報であって、公にすることにより、率直な意見の交換若しくは意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれ、不当に市民の間に混乱を生じさせるおそれ又は特定の者に不当に利益を与え、若しくは不利益を及ぼすおそれがあるもの
【異議理由】
本件は、安中市長にとって、連帯保証先の公社が、むしろ公にしないことで、不当に市民の間に混乱を生じさせるおそれ又は特定の者に不当に利益を与え、若しくは不利益を及ぼすおそれがあることから、不開示理由に該当しない。
<第6号>
(6) 市、国若しくは他の地方公共団体の機関、独立行政法人等又は地方独立行政法人が行う事務又は事業に関する情報であって、公にすることにより、次に掲げるおそれその他当該事務又は事業の性質上、当該事務又は事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるもの
ア 監査、検査、取締り又は試験に係る事務に関し、正確な事実の把握を困難にするおそれ又は違法若しくは不当な行為を容易にし、若しくはその発見を困難にするおそれ
【異議理由】
本件は、安中市長にとって、連帯保証先の公社が公にすることで、公社が債務者に対して行う監査、検査、取締りに係る事務に関し、正確な事実の把握をむしろ容易にし、又は違法不当な行為をむしろ困難にし、もしくはその発見を容易にすることになるため、当該事務又は事業の性質上、当該事務又は事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるとは認められないので、不開示理由に該当しない。
イ 契約、交渉又は争訟に係る事務に関し、市、国若しくは他の地方公共団体、独立行政法人等又は地方独立行政法人の財産上の利益又は当事者としての地位を不当に害するおそれ
【異議理由】
本件は、安中市長にとって、連帯保証先の公社が公にすることで、公社が財産上の利益又は当事者としての地位を高めることになるため、当該事務又は事業の性質上、当該事務又は事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるとは認められないので、不開示理由に該当しない。
ウ 調査研究に係る事務に関し、その公正かつ能率的な遂行を不当に阻害するおそ れ
【異議理由】
本件は、安中市長にとって、連帯保証先の公社が公にすることで、債務者の財産に係る調査研究に係る事務に関し、その公正かつ能率的な遂行を促進することになるため、当該事務又は事業の性質上、当該事務又は事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるとは認められないので、不開示理由に該当しない。
オ 独立行政法人等、市若しくは他の地方公共団体が経営する企業又は地方独立行政法人に係る事業に関し、その企業経営上の正当な利益を害するおそれ
【異議理由】
本件は、安中市長にとって、連帯保証先の公社が公にすることで、その経営上の正当な利益を担保することになるため、当該事務又は事業の性質上、当該事務又は事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるとは認められないので、不開示理由に該当しない。
(5)以上のとおりであるから、条例第7条の規定に違反しており、違法である。
5 処分庁の教示の有無及びその内容
「この決定に不服がある場合は、この決定があったことを知った日の翌日から起算して3か月以内に実施機関に対して審査請求をすることができます」との教示があった。
以上
**********
■すると、2019年12月2日付で安中市から弁明書等一式が送られてきました。
*****弁明書の送付と反論書等の提出****ZIP ⇒ 20191208s.zip
令和元年12月2日
小 川 賢 様
審査庁 安中市長
(総務部行政課)
弁明書の送付及び反論書等の提出について
令和元年11月7日に貴殿から提出された、安中市長がした安企発第826号令和元年8月6日付けの行政文書部分開示決定処分に対する審査請求について、行政不服審査法(平成26年法律第68号。以下「法」という。)第29条第5項の規定により、別添のとおり弁明書(副本)を送付します。
また、法第30条第1項の規定により、上記の弁明書に記載された事項に対する反論を記載した書面(反論書)正副2通を提出する場合及び法第32条第1項の規定により証拠書類又は証拠物を提出する場合には、令和2年1月7日までに、審査庁として事務処理を担当する総務部行政課に提出してください。 なお、上記の証拠書類又は証拠物は、法第38条第1項の規定により、他の審査請求人又は参加人による閲覧又は写し若しくは電磁的記録に記録された事項を記載した書面の交付(以下「閲覧等」という。)の請求の対象となる可能性がありますので、証拠書類又は証拠物の提出に当たっては、同項の規定による閲覧等を審査庁が行うことに支障があるかどうかについて、同封する様式により貴殿の意見を付してください。ただし、閲覧等の請求に対する審査庁の判断が、貴殿の意見と異なる場合があることを御承知おきください。
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令和 年 月 日
提出する行政不服審査法(平成26年法律第68号。以下「法」という。)法第38条第1項の提出書類等の取扱いについて
審査庁 安中市長 様
(総務部行政課)
住 所
氏 名 印
この度、審査庁に提出する法第38条第1項の提出書類等を、同項の規定により、他の審査請求人又は参加人に閲覧させ、又はその写し等を交付することは、
□ 差し支えがない。
□ 適当でない。
(適当でない理由)
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(記載例)
反論書
令和元年 月 日
審査庁 安中市長 様
審査請求人 住所
氏名 印
私が令和元年11月7日付けで提起した部分開示決定処分に係る審査請求に関する処分 庁の弁明書に対して、以下のとおり反論します。
記
1 弁明書記載事実の認否
(1)弁明書1頁の「・・・・」との記載は事実と異なります。 理由は・・・・だからです。
(2)弁明書3頁の「・・・・」のうち、「・・・・」の部分は認める。その余については・・・。
2 審査請求人の反論
処分庁は、 ・・・・・と主張しています。しかしながら、 ・・・・という理由から・・・・と考えるべきで、処分等の主張は・・・・
3 添付書類
(1)・・・・
(2)・・・・
*****弁明書*****ZIP ⇒ 20191208s.zip
弁 明 書
安企発第1583号
令和元年11月27日
安中市長 茂木 英子 様
(総務部 行政課)
安中市長 茂木 英子
(総務部 企画課)
審査請求人小川 賢が令和元年11月7日付けで提起した安企発第826号令和元年8月6日付けの行政文書の部分開示決定処分に対する審査請求について、次のとおり弁明しま す。
1 弁明の趣旨
「本件審査請求を棄却する。」との裁決を求める。
2 本件処分に至るまでの経緯
(1) 令和元年6月10日、審査請求人は「広報あんなか2019年6月1日号に掲載 された記事『安中市土地開発公社不祥事件和解20年後の対応について』に関する情報」について、安中市情報公開条例(以下「本件条例」という。)第6条第1項の規定により安中市長(以下「実施機関」という。)に対し行政文書の開示を請求した。
(2) 同年6月10日、行政文書開示請求書を所管課である企画課にて受理。実施機関 は本件条例第24条第2項の規定に基づき、安中市土地開発公社(以下「公社」という。)に対し、保有する情報の提出を依頼した。
(3) 同年6月17日、実施機関は、本件条例第12条第2項の規定に基づき、開示決定等期限を同年8月8日まで延長することを決定し、審査請求人に通知した。
(4) 同年7月3日、公社は、上記(2)に対して実施機関に文書を提出した。提出された文書は、①平成30年度第3回公社理事会会議録、②平成30年度第4回公社理事会会議録、③平成30年度第5回公社理事会会議録、④平成30年度第66回公社理事会会議録、⑤平成30年度第7回公社理事会会議録、⑥令和元年度第1回公社理事会会議録、⑦平成30年11月1日決裁「(株)群馬銀行との和解20年目協議における安中市への協議依頼について」、③平成30年11月14日 決裁「(株)群馬銀行との和解20年 目 協議における (株)群馬銀行への協議依頼について」、⑨平成31年3月26日決裁「和解20年後における「証」の差し入
<P2>
れについて」、⑩公社が金融機関と取り交わした金銭消費貸借契約に関する証書等書類一式(平成11年度から平成23年度まで)⑪公社決算関係書類(平成11年度から平成30年度まで)、の11件であった。
公社は、上記文書のうち、安中市土地開発公社情報公開規程第2条の「公社の経営に支障を及ぼすおそれのある情報」に該当する部分を黒塗りにしたうえで、実施機関に提出した。
(5)同年7月17日、実施機関は、上記(4)①から③の文書について、第二者である株式会社群馬銀行の情報が含まれるため、本件条例第15条に基づき、株式会社群馬銀行に対し意見照会を行った。
(6)同年7月29日、株式会社群馬銀行は、実施機関に(5)の意見照会に対し、「開示することに支障はない。」との意見書を提出した。
(7)同年8月6日、実施機関は、自己が保有する行政文書である⑫令和元年6月10日決裁「安中市土地開発公社への情報公開要請について(伺い)」、⑬令和元年7月3日決裁「安中市土地開発公社からの情報申出に係る情報回答について(報告)」、⑭令和元年7月12日決裁「安中市情報公開条例第15条の規定に基づく意見照会について」、⑮令和元年7月29日決裁「安中市情報公開条例第15条の規定に基づく群馬銀行からの意見書の提出について」、⑯令和元年5月27日決裁「平成30年度安中市土地開発公社事業報告書並びに平成31年度安中市土地開発公社事業計画等の議会への報告について」、⑰平成31年4月26日決裁「株式会社群馬銀行との民事訴訟和解20年目の協議結果の市議会全員協議会における報告について」に加えて、上記(4)の文書が本件請求に該当するとしたうえで、これらの行政文書のうち、「個人の氏名、地位及び印影」については、本件条例第7条第2号に該当し、「法人の印影及び口座番号」については、本件条例第7条第3号に該当するとの理由で、これらを除いて開示するという部分開示(以下「本件処分」という。)を行った。(別紙1)
(8)同年9月18日、審査請求人は、本件処分について実施機関に質問状を提出した。
(9)同年10月23日、実施機関は、(8)の質問状に回答した。(別紙2)
(10)同年11月7日、審査請求人は、公社の保有する情報についても本件条例に準じて公開するものと解釈し、実施機関が公社に本件条例を順守させる指導を怠ることで、公社が黒塗りとした部分につき開示せずに、部分開示処分を行ったことは違法であるとして、処分の取消しを求めた。
3 審査請求書記載事実の認否
(1)審査請求の理由(1)は、認める。
(2)審査請求の理由(2)のうち、「議事録に記された該当部分を黒塗りにした文書
<P3>
を、別法人である公社から提出された文書だとして、そのまま審査請求人に部分開示した。」の部分は、否認する。実施機関は、本件条例に基づき不開示情報等の精査を行い、実施機関として開示する情報を決定しており、「そのまま」開示してはいない。
(3)審査請求の理由(3)のうち、「この公社由来の部分開示理由は、債務保証人の安中市長から具体的に示されていないが、」の部分は、否認する。開示文書の令和元年7月3日決裁「安中市土地開発公社からの情報申出に係る情報の回答について(報告)」に添付されている安土開発第7号「情報公開申出に係る情報の提出について(回答)」(別紙3)に公社が文書の一部を不開示とした理由が記載されている。また、上記2(9)の質問状への回答においても公社が文書の一部を不開示とした理由を説明している。
「連帯保証先の公社においても、その情報公開の趣旨は、安中市情報公開条例(以下「条例」という)に準じていると解釈されることから、」の部分は、否認する。安中市と公社は、別法人であり、それぞれが保有する情報については、安中市は「安中市情報公開条例」(別紙4)、公社は「安中市土地開発公社情報公開規程」(別紙5)に基づき情報の開示決定を行っている。
「安中市長がきちんと公社に対して、条例の順守を指導すべきであり、」の部分は、「条例の順守」が、本件条例第24条第1項の順守という意味合いであれば、認める。
「それを怠ることにより、」の部分は、不知。実施機関は、令和元年6月14日、7月4日、7月11日に公社と協議を行い、本件条例第24条第1項に基づき可能な限りの情報を提出するよう求めた。これにより、当初開示しないとされていた議事録を開示させ、黒塗り部分を減じさせた経緯がある。なお、令和元年11月6日の審査請求人への情報開示において、6月14日の協議に関するメモ「土地開発公社和解20年後の協議に関する情報開示請求の対応について打合せ」(別紙6)、上記2(9)の質問状への回答における公社との協議メモ「質問状対応メモ」(別紙7)を開示しているが、7月4日、7月11日の協議についてはメモ等を作成していない。
「納税者市民である審査請求人に、部分開示処分による不開示処分を行ったこと は違法である。」の部分は、否認する。実施機関が保有しない、公社が保有する情報については、公社が「安中市土地開発公社情報公開規程」に基づき開示を決定する。公社が不開示とした情報については、実施機関が開示できるものではないため、本件処分は本件条例に照らし合わせても違背しておらず、適法である。
(4)審査請求の理由(4)のうち、「公社が不開示とした理由について、安中市長は審査請求人に明らかにしていないが、」の部分は、否認する。開示文書の令和元年7月3日決裁「安中市土地開発公社からの情報申出に係る情報の回答について
<P4>
(報告)」に添付されている安土開発第7号「情報公開申出に係る情報の提出について(回答)」に公社が文書の一部を不開示とした理由が記載されている。また、上記2(9)の質問状への回答においても公社が不開示とした理由を説明している。「条例に準じれば、安中市長は条例第7条第1項の次の各号に当たると主張する のかもし れない。 」以降の部分は、否認する。公社が保有する情報については、 公社が「 安中市土地開発公社情報公開規程」に基づき開示を決定するものであり、公社が不開示とした理由を本件条例第7条第1項に該当するためと実施機関が主張することはない。
(5) 審査請求の理由(5)のうち、「以上のとおりであるから、条例第7条の規定に違反しており、違法である。」の部分は、否認する。公社が保有する情報については、公社が「安中市土地開発公社情報公開規程」に基づき開示を決定するものであり、本件処分は本件条例第7条に違背しておらず、適法である。
4 本件処分の内容及び理由
安中市と公社は別法人であり、公社は本件条例における実施機関ではないため同列に扱うことはできない。安中市が保有する情報については、「安中市情報公開条例」に基づき、また公社が保有する情報については、「安中市土地開発公社情報公開規程」に基づき、それぞれの情報公開決定を行っている。公社の文書は、「安中市情報公開条例」の下での開示請求の対象とはならない。
公社は、本件条例第24条第2項に定めのある「市が2分の1以上を出資している法人」であるため、情報開示請求において実施機関である安中市は、公社に対しその保有する情報の提出依頼を行った。
しかし、2(4)のとおり同年7月3日付けで公社よりなされた回答において、開示文書の一部について「公社の経営に支障を及ぼすおそれのある情報であり提出できない。」との理由で黒塗りになっていた。
実施機関としては、本件条例第24条の規定に基づき、可能な限り情報を提出させるべく 公社と再三にわたり協議を重ね、議事録を開示させること、黒塗りの部分を減じさせることはできたが、公社が最終的に「公社の経営に支障を及ぼすおそれのある情報であり提出できない。」と決定した部分については、開示することができないものである。
以上のように、公社が保有する情報については実施機関からの提出依頼に対して、公社から情報提供があったときに実施機関が保有する情報となる。本件条例第24条第2項の規定は、公社に対して、情報提供に関し 任意の協力を求めることができる旨を定めたものであって、情報の提出について強制力はないため、公社の任意の協力が得られな
<P5>
い限り、実施機関としては情報を取得することができない。
本件処分についても、公社から開示されなかった情報は、実施機関としても開示することができないものであり、条例に照らし合わせても違背するものではなく適法である。
なお、今回の審査請求を受け、同年11月15日付けで公社に対して、「公社の経営に支障を及ぼすおそれのある」とした理由について、文書としてまとめるように依頼した結果、同年11月18日付けで回答があった。(別紙8)
**********
■市の弁明書に対して、当会から2020年1月6日に、次の反論書を提出しました。
*****反論書*****ZIP ⇒ 20200106_.zip
反論書
令和2年1月6日
審査庁 安中市長 様
審査請求人 住所 安中市野殿980
氏名 小川 賢 印
私が令和元年11月7日付けで提起した部分開示決定処分に係る審査請求に関する処分 庁の弁明書に対して、以下のとおり反論します。
記
1 弁明書記載事実の認否とそれに関連する審査請求人の反論
(1)弁明書2頁の最下段の次の記載は事実と異なります:
審査請求の理由(2)のうち、「議事録に記された該当部分を黒塗りにした文書を、別法人である公社から提出された文書だとして、そのまま審査請求人に部分開示した。」の部分は、否認する。実施機関は、本件条例に基づき不開示情報等の精査を行い、実施機関として開示する情報を決定しており、「そのまま」開示してはいない。
処分庁は以上のとおり主張しています。しかしながら、「『そのまま』開示してはいない」との処分庁の弁明は、失当である。処分庁は、一つ覚えのように「別法人である」と主張し続ける公社が黒塗りした文書に、さらに黒塗り部分を付け加えた上で、住民である審査請求人に開示する前に、群馬銀行に第3者チェックと称して提示し、住民に開示しても問題ないかどうかの確認を求めた。
つまり、処分庁が弁明する「『そのまま』開示してはいない」という意味は、公社から出された黒塗り文書を「そのまま開示したのではなく、さらに黒塗り部分を処分庁で付け加えたものを住民に開示した」ということを述べているのであり、詭弁に過ぎない。
(2)弁明書3頁の上から5行目の次の記載は事実と異なります:
審査請求の理由(3)のうち、「この公社由来の部分開示理由は、債務保証人の安中市長から具体的に示されていないが、」の部分は、否認する。開示文書の令和元年7月3日決裁「安中市土地開発公社からの情報申出に係る情報の回答について(報告)」に添付されている安土開発第7号「情報公開申出に係る情報の提出について(回答)」(別紙3)に公社が文書の一部を不開示とした理由が記載されている。また、上記2(9)の質問状への回答においても公社が文書の一部を不開示とした理由を説明している。
処分庁は以上のとおり主張しています。しかしながら、「『この公社由来の部分開示理由は、債務保証人の安中市長から具体的に示されていないが、』の部分は、否認する」との処分庁の弁明は、失当である。なぜなら、処分庁のいう「安土開発第7号『情報公開申出に係る情報の提出について(回答)』」には、「なお、安中市土地開発公社理事会の会議録には、株式会社群馬銀行との協議における公社としての対応方針の決定に関する情報及び公社の経営方針の決定に関する情報が含まれており、これら公社の内部管理情報は公開することにより、公社の正当な利益を害するおそれがあります。また、会議録には、公社の取引先に関する情報も含まれておりますが、これらを公開することにより取引先の正当な利益を害するおそれがあります。それらの情報につきまして、安中市土地開発公社情報公開規程第2条に基づき安中市と協議したところ、『公社の経営に支障を及ぼすおそれのある情報』と認められましたので、提出することができません」と記されているのみで、「公社の正当な利益を害するおそれ」とか「取引先の正当な利益を害するおそれ」とか「公社の経営に支障を及ぼすおそれ」などと、抽象的な表現が羅列されているのみで、何ら具体的な「おそれ」の内容に関する記載が見当たらないからである。
(3)弁明書3頁の上から12行目の次の記載は事実と異なります:
審査請求の理由(3)のうち、「連帯保証先の公社においても、その情報公開の趣旨は、安中市情報公開条例(以下「条例」という)に準じていると解釈されることから、」の部分は、否認する。安中市と公社は、別法人であり、それぞれが保有する情報については、安中市は「安中市情報公開条例」(別紙4)、公社は「安中市土地開発公社情報公開規程」(別紙5)に基づき情報の開示決定を行っている。
処分庁は以上のとおり主張しています。しかしながら、「『連帯保証先の公社においても、その情報公開の趣旨は、安中市情報公開条例(以下「条例」という)に準じていると解釈されることから、』の部分は、否認する」との処分庁の弁明は失当である。処分庁の言う「安中市土地開発公社情報公開規程」なるものは、安中市のHPにも見当たらず、その内容について一般の納税者住民は内容を知らされていない。
そもそも、処分庁が一つ覚えのように「別法人である」と主張し続ける公社が勝手に黒塗りした文書の中身を、処分庁は承知しているのであるから、安中市情報公開条例に基づいて、開示・非開示などの判断を適正に行うべきであり、公社が黒塗りして出してきた文書を鵜呑みにした上に、さらに黒塗り箇所を付け加えること自体、開かれた行政の基本理念に違背する行為である。
(4)弁明書3頁の上から17行目の次の記載は事実と異なります:
審査請求の理由(3)のうち、「安中市長がきちんと公社に対して、条例の順守を指導すべきであり、」の部分は、「条例の順守」が、本件条例第24条第1項の順守という意味合いであれば、認める。
処分庁は以上のとおり主張しています。しかしながら、「『安中市長がきちんと公社に対して、条例の順守を指導すべきであり、』の部分は、『条例の順守』が、本件条例第24条第1項の順守という意味合いであれば、認める。」との処分庁の弁明は、意味が曖昧であり、失当である。処分庁は「本件条例第24条第1項の遵守という意味合いであれば」などと、限定的に弁明するが、本件条例第24条(出資団体等の情報)第1項は「市が出資し、又は運営費を助成している公共的団体(以下『出資団体等』という。)は、その保有する情報を公開するよう努めなければならない。」と定めているほか、同条第2項では「実施機関は、法人の設立に当たり、市が2分の1以上を出資している法人の保有する情報であって、実施機関が保有していないものについて、当該情報の公開の申出があったときは、当該法人に対して当該情報を実施機関に提出するよう求めることができる。」としている。処分庁は、なぜか第1項の遵守しか認めないようなそぶりだが、第2項は実施機関が保有していないものについて、当該法人(=公社)に当該情報を提出するように求めている。
すなわち、市は実施機関であり、且つ公社の連帯保証人であるから、当該法人(=公社)が保有して市が保有していない情報がある場合には、すべて公社に公開を求めなければならないのである。
つまり、公社の情報は、公開の申出があれば、すべて出資先の法人の情報を保有し、それを住民に開示しなければならない。その場合、公社が黒塗りをすること自体、失当であり、実施機関である市が本件条例に基づき、開示・非開示の判断をしなければならないはずである。
(5)弁明書3頁の上から20行目の次の記載は事実と異なります:
審査請求の理由(3)のうち、「それを怠ることにより、」の部分は、不知。実施機関は、令和元年6月14日、7月4日、7月11日に公社と協議を行い、本件条例第24条第1項に基づき可能な限りの情報を提出するよう求めた。これにより、当初開示しないとされていた議事録を開示させ、黒塗り部分を減じさせた経緯がある。なお、令和元年11月6日の審査請求人への情報開示において、6月14日の協議に関するメモ「土地開発公社和解20年後の協議に関する情報開示請求の対応について打合せ」(別紙6)、上記2(9)の質問状への回答における公社との協議メモ「質問状対応メモ」(別紙7)を開示しているが、7月4日、7月11日の協議についてはメモ等を作成していない。
処分庁は以上のとおり主張しています。しかしながら、「『それを怠ることにより、』の部分は、不知。」との処分庁の弁明は、失当である。処分庁は「実施機関は、令和元年6月14日、7月4日、7月11日に公社と協議を行い、本件条例第24条第1項に基づき可能な限りの情報を提出するよう求めた」と弁明するが、令和元年6月10日付起案・決裁文書「件名 安中市土地開発公社への情報公開要請について(伺い)」によれば、「安中市情報公開条例第24条第2項では、市長(実施機関)は、市が法人設立にあたり2分の1以上を出資している法人に対して、情報の提出を求めることができると規定されています。つきましては、別紙のとおり当該申出のあった安中市土地開発公社が保有する情報について、提出を求めてよろしいか伺います。」と明記されており、「同条第1項に基づき可能な限りの情報を提出するように求めた」とする処分庁の弁明は、事実を歪める主張であり、到底認められない。
さらに、処分庁は「実施機関は、令和元年6月14日、7月4日、7月11日に公社と協議を行い、」としているが、いずれも議事録や議事メモの類を作成していないことから、「それを怠ることにより」とする審査請求人の主張は正しい。
(6)弁明書3頁の上から29行目の次の記載は事実と異なります:
「納税者市民である審査請求人に、部分開示処分による不開示処分を行ったこと は違法である。」の部分は、否認する。実施機関が保有しない、公社が保有する情報については、公社が「安中市土地開発公社情報公開規程」に基づき開示を決定する。公社が不開示とした情報については、実施機関が開示できるものではないため、本件処分は本件条例に照らし合わせても違背しておらず、適法である。
処分庁は以上のとおり主張しています。しかしながら、「『納税者市民である審査請求人に、部分開示処分による不開示処分を行ったこと は違法である。』の部分は、否認する。」との処分庁の弁明は、失当である。すでに述べた通り、本件条例第24条(出資団体等の情報)第2項は、実施機関が保有していないものについて、当該法人(=公社)に当該情報を提出するように求めている。すなわち、市は実施機関であり、且つ公社の連帯保証人であるから、当該法人(=公社)が保有して市が保有していない情報がある場合には、すべて公社に公開を求めなければならないのであり、つまり、公社の情報は、公開の申出があれば、すべて出資先の法人の情報を保有し、それを住民に開示しなければならない。その場合、公社が黒塗りをすること自体、失当であり、実施機関である市が本件条例に基づき、開示・非開示の判断をしなければならないはずである。
(7)弁明書3頁の下から3行目の次の記載は事実と異なります:
審査請求の理由(4)のうち、「公社が不開示とした理由について、安中市長は審査請求人に明らかにしていないが、」の部分は、否認する。開示文書の令和元年7月3日決裁「安中市土地開発公社からの情報申出に係る情報の回答について(報告)」に添付されている安土開発第7号「情報公開申出に係る情報の提出について(回答)」に公社が文書の一部を不開示とした理由が記載されている。
また、上記2(9)の質問状への回答においても公社が不開示とした理由を説明している。「条例に準じれば、安中市長は条例第7条第1項の次の各号に当たると主張するのかもしれない。」以降の部分は、否認する。公社が保有する情報については、公社が「安中市土地開発公社情報公開規程」に基づき開示を決定するものであり、公社が不開示とした理由を本件条例第7条第1項に該当するためと実施機関が主張することはない。
処分庁は以上のとおり主張しています。しかしながら、「『公社が不開示とした理由について、安中市長は審査請求人に明らかにしていないが、』の部分は、否認する。」との処分庁の弁明は失当である。なぜなら前述の通り、処分庁のいう「安土開発第7号『情報公開申出に係る情報の提出について(回答)』」には、「なお、安中市土地開発公社理事会の会議録には、株式会社群馬銀行との協議における公社としての対応方針の決定に関する情報及び公社の経営方針の決定に関する情報が含まれており、これら公社の内部管理情報は公開することにより、公社の正当な利益を害するおそれがあります。また、会議録には、公社の取引先に関する情報も含まれておりますが、これらを公開することにより取引先の正当な利益を害するおそれがあります。それらの情報につきまして、安中市土地開発公社情報公開規程第2条に基づき安中市と協議したところ、『公社の経営に支障を及ぼすおそれのある情報』と認められましたので、提出することができません」と記されているのみで、「公社の正当な利益を害するおそれ」とか「取引先の正当な利益を害するおそれ」とか「公社の経営に支障を及ぼすおそれ」などと、抽象的な表現が羅列されているのみで、何ら具体的な「おそれ」の内容に関する記載が見当たらないからだ。
「また、上記2(9)の質問状への回答においても公社が不開示とした理由を説明している。」との処分庁の弁明も失当である。質問状の回答においても、処分庁のいう「安土開発第7号『情報公開申出に係る情報の提出について(回答)』」に書かれた公社側の不開示理由と同様の記載が羅列されているのみで、なんら具体的な「おそれ」の内容に関する記載が見当たらない。
「『条例に準じれば、安中市長は条例第7条第1項の次の各号に当たると主張するのかもしれない。』以降の部分は、否認する。」との処分庁の弁明は失当である。なぜなら、前述の通り、公社が保有する情報で、まだ実施機関が保有していない情報については、本件条例第24条第2項により、公開の申出があった場合は、実施機関が公社に提出を求めることができるのであるから、公社が開示・不開示の判断をするのではなく、出資者であり連帯保証人である市が本件条例に照らして、開示・不開示の判断をしなければならないはずだからだ。
(8)弁明書4頁の上から10行目の次の記載は事実と異なります:
審査請求の理由(5)のうち、「以上のとおりであるから、条例第7条の規定に違反しており、違法である。」の部分は、否認する。公社が保有する情報については、公社が「安中市土地開発公社情報公開規程」に基づき開示を決定するものであり、本件処分は本件条例第7条に違背しておらず、適法である。
処分庁は以上のとおり主張しています。しかしながら、「『以上のとおりであるから、条例第7条の規定に違反しており、違法である。』の部分は、否認する。」との処分庁の弁明は失当である。繰り返しになるが、本件条例第24条(出資団体等の情報)第2項では「実施機関は、法人の設立に当たり、市が2分の1以上を出資している法人の保有する情報であって、実施機関が保有していないものについて、当該情報の公開の申出があったときは、当該法人に対して当該情報を実施機関に提出するよう求めることができる。」としている。処分庁は、なぜか第1項の遵守しか認めないようなそぶりだが、第2項は実施機関が保有していないものについて、当該法人(=公社)に当該情報を提出するように求めている。
すなわち、市は実施機関であり、且つ公社の連帯保証人であるから、当該法人(=公社)が保有して市が保有していない情報がある場合には、すべて公社に公開を求めなければならないのである。
つまり、公社の情報は、公開の申出があれば、すべて出資先の法人の情報を保有し、それを住民に開示しなければならない。その場合、公社が黒塗りをすること自体、失当であり、実施機関である市が本件条例に基づき、開示・不開示の判断をしなければならないはずである。その判断の基準となるのが、本件条例第7条第1項第3号に定める「法人その他の団体(国、独立行政法人等、地方公共団体及び地方独立行政法人を除く。以下「法人等」という。)に関する情報又は事業を営む個人の当該事業に関する情報であって、公にすることにより、当該法人等又は当該個人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるもの。ただし、人の生命、健康、生活又は財産を保護するため、公にすることが必要であると認められる情報を除く。」の定めである。処分庁は、この但し書きについて重視しておらず、関心がないらしい。
(9)弁明書4頁の上から14行目の次の記載は事実と異なります:
「4 本件処分の内容及び理由」
安中市と公社は別法人であり、公社は本件条例における実施機関ではないため同列に扱うことはできない。安中市が保有する情報については、「安中市情報公開条例」に基づき、また公社が保有する情報については、「安中市土地開発公社情報公開規程」に基づき、それぞれの情報公開決定を行っている。公社の文書は、「安中市情報公開条例」の下での開示請求の対象とはならない。
処分庁は以上のとおり主張しています。しかしながら、公社は特別法人であるが、安中市が基本金を全額出資する出資団体に位置づけられる。であるから、本件条例第24条(出資団体等の情報)の第1項「市が出資し、又は運営費を助成している公共的団体(以下「出資団体等」という。)は、その保有する情報を公開するよう努めなければならない。」と第2項「実施機関は、法人の設立に当たり、市が2分の1以上を出資している法人の保有する情報であって、実施機関が保有していないものについて、当該情報の公開の申出があったときは、当該法人に対して当該情報を実施機関に提出するよう求めることができる。」と定めた対象法人である。だから、実施機関であり、公社の出資者であり、連帯保証人である安中市は、公社から提出され、受領した行政文書を自ら定めた本件条例に基づき適切に開示・不開示の判断をしなければならないはずである。したがって、「公社の文書は、『安中市情報公開条例』の下での開示請求の対象とはならない。」とする処分庁の弁明は失当である。
(10)弁明書4頁の上から20行目の次の記載は事実と異なります:
「4 本件処分の内容及び理由」
公社は、本件条例第24条第2項に定めのある「市が2分の1以上を出資している法人」であるため、情報開示請求において実施機関である安中市は、公社に対しその保有する情報の提出依頼を行った。
しかし、2(4)のとおり同年7月3日付けで公社よりなされた回答において、開示文書の一部について「公社の経営に支障を及ぼすおそれのある情報であり提出できない。」との理由で黒塗りになっていた。
実施機関としては、本件条例第24条の規定に基づき、可能な限り情報を提出させるべく 公社と再三にわたり協議を重ね、議事録を開示させること、黒塗りの部分を減じさせることはできたが、公社が最終的に「公社の経営に支障を及ぼすおそれのある情報であり提出できない。」と決定した部分については、開示することができないものである。
処分庁は以上のとおり主張しています。しかしながら、「実施機関としては、本件条例第24条の規定に基づき、可能な限り情報を提出させるべく 公社と再三にわたり協議を重ね、議事録を開示させること、黒塗りの部分を減じさせることはできた」とする処分庁の弁明は不知。とくに「黒塗りの部分を減じさせることはできた」などとよく言えたものだと呆れる。
(11)弁明書4頁の下から4行目の次の記載は事実と異なります:
以上のように、公社が保有する情報については実施機関からの提出依頼に対して、公社から情報提供があったときに実施機関が保有する情報となる。本件条例第24条第2項の規定は、公社に対して、情報提供に関し任意の協力を求めることができる旨を定めたものであって、情報の提出について強制力はないため、公社の任意の協力が得られない限り、実施機関としては情報を取得することができない。
処分庁は以上のとおり主張しています。しかしながら、「本件条例第24条第2項の規定は、公社に対して、情報提供に関し任意の協力を求めえることができる旨を定めたものであって、情報の提出について強制力はないため、公社の任意の協力が得られない限り、実施機関としては情報を取得することができない。」との処分庁の弁明だが、噴飯モノであり失当である。本件条例第24条第2項は「実施機関は、法人の設立に当たり、市が2分の1以上を出資している法人の保有する情報であって、実施機関が保有していないものについて、当該情報の公開の申出があったときは、当該法人に対して当該情報を実施機関に提出するよう求めることができる。」とある。したがって、住民から実施機関に対して公開の申出があった場合には、当然、出資者であり連帯保証人である実施機関は、既に公社との協議の過程で入手済の行政文書(当然、黒塗りはされていないはず)に加え、実施機関で保有していない文書がもしあれば(当然、すべて公社が作成された文書は共有化されているはずだが)、それらを公社から実施機関に提出させればよく、公社の任意の協力が得られないなどという弁明は、副市長が理事長を務める公社が、出資者であり連帯保証人である市長に対する背任行為にも等しく、まったくの詭弁に過ぎない。
(12)弁明書5頁の上から2行目の次の記載は事実と異なります:
本件処分についても、公社から開示されなかった情報は、実施機関としても開示することができないものであり、条例に照らし合わせても違背するものではなく適法である。
なお、今回の審査請求を受け、同年11月15日付けで公社に対して、「公社の経営に支障を及ぼすおそれのある」とした理由について、文書としてまとめるように依頼した結果、同年11月18日付けで回答があった。(別紙8)
処分庁は以上のとおり主張しています。しかしながら、「本件処分についても、公社から開示されなかった情報は、実施機関としても開示することができないものであり、条例に照らし合わせても違背するものではなく適法である。」との処分庁の弁明だが、失当である。なぜなら、本件条例第24条第2項は「実施機関は、法人の設立に当たり、市が2分の1以上を出資している法人の保有する情報であって、実施機関が保有していないものについて、当該情報の公開の申出があったときは、当該法人に対して当該情報を実施機関に提出するよう求めることができる。」とある。したがって、住民から実施機関に対して公開の申出があった場合には、当然、出資者であり連帯保証人である実施機関は、既に公社との協議の過程で入手済の行政文書(当然、黒塗りはされていないはず)に加え、実施機関で保有していない文書がもしあれば(当然、すべて公社が作成された文書は共有化されているはずだが)、それらを公社から実施機関に提出させればよく、「公社から開示されなかった情報は、実施機関としても開示することができないものであり、」との処分庁の弁明は、まったくの詭弁に過ぎない。
2 審査請求人のその他の反論
処分庁は、一つ覚えのように「公社は別法人だ」として、審査請求人が今回の行政文書開示請求手続きをした際にも、いちいち安中市長と安中市土地開発公社理事長(=安中市副市長)との間で、あたかも別法人を装い、実際にはそれぞれの実施機関・部署である安中市総務部企画課と安中市土地開発公社事務局(=安中市建設部都市整備課)との間で、あたかも別法人を装い、開示の諾否を確認するための文書のやりとりをしている。
こうした行為は、一般的には「利益相反行為」とされるものであり、この問題については、12月25日と26日に安中市役所と松井田支所で開催された「和解20年後の対応についての報告会」の席上でも、参加した住民らから指摘があったことは、周知のとおりである。
本来、連帯保証人である安中市の市長が、自ら指名した安中市の副市長が連帯保証先の安中市土地開発公社の理事長に就任し、その人物との間で、事業に関連した取引(債務保証)をナアナアに行っているわけで、しかも、公社の群馬銀行に対する債務の原因者である元職員からの債権の回収に消極的な姿勢を見せていることから、安中市に対する背任行為となる可能性がある。
したがって、こうした利益相反行為は速やかに解消しなければならず、公社と利益相反関係にある安中市が、公社の情報開示に際して、いちいち公社に伺いを立てたり、公社の言い分を忖度したりすることは、到底許されない。
以上
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■その後、安中市から本件に関する請求人の陳述の機会があることを教示されました。2月前半までに安中市役所で陳述をすべく、安中市長に申出書等を提出しました。
※安中市長あて申出書等 ZIP ⇒
今後の進捗については適宜、この場を借りて報告してまいります。
【ひらく会情報部】
それにしても、51億円の横領事件何て聞いたことがありません。
いくら関係があるとは言え、安中市が別法人の事件の尻拭いをするのも釈然としません。
群馬県内の問題に対して、山本一太知事はどう考えているのか、知りたいと思います。