■群馬高専J科アカハラ事件の主犯・雑賀洋平をめぐる現況把握のため、当会では11月初頭に連続して沼津・群馬の両高専に潜入調査を敢行したことは既報のとおりです。
○2019年11月8日:19秋・潜入調査記in沼津高専…アカハラ犯・雑賀洋平の「今」とその狙いを探る(1)↓
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3069.html
○2019年11月8日:19秋・潜入調査記in群馬高専…アカハラ犯・雑賀洋平の「今」とその狙いを探る(2)↓
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3070.html
上記調査では雑賀周りの現況の把握を主眼としました。では、アカハラ事件や寮生連続自殺・不審死事件の舞台となり、口封じ脅迫や隠蔽も相まって大騒動が巻き起こり続け、今も諸問題の解決には程遠い位置にある群馬高専そのものの現況は、どうなのでしょうか。今度はその点に着目して現地調査を行ってみることにしました。
調べると、11月16日(土)に2019年度の第2回学校見学会が開催されるようでしたので、当会では早速この機会を利用することにしました。なお、当会が以前に同校の学校見学会に参加したのは、西尾典眞前校長との熾烈な駆け引きが繰り広げられていた真っ最中の2016年8月のことでした。学校見学会への参加は、実に3年3か月ぶりとなります。
○2016年8月11日:アカハラと寮生死亡事件に揺れる群馬高専・・・第1回学校見学会参加報告↓
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2104.html
↑令和2年度群馬高専入試説明会で同校体育館内に参集した来年入学志望の多数の生徒さん、及びその親御さんら。このほか、中学教諭など教育関係者も参加対象だが、殆ど親子連れ。午前9時の開催直前に優に350名の皆さんが館内を埋め尽くした。↑
■当日はオンブズマンの例会開催日(第3土曜)でした。したがって、昼過ぎまでに本調査を済ませ、午後2時からの当会定例会開催に直接駆けつける段取りで、当日朝、当会調査員が現地に向かいました。念のため、前橋市内の学習塾所属の教育関係者であることを証明する名刺も携帯していきました(なお、詐称ではなく事実です)。
2019年度の第2回目の学校見学会においては、令和2年度入試説明会も同日実施されました。入試説明会は9:00~10:00にかけて、学校見学会は10:00~12:00にかけて自由見学の形で行われ、見学後は自由解散でした。
というわけで、まずは入試説明会で校長らが群馬高専の現状をどのように説明し、アピールを行うのか、ぜひ拝聴することにしました。
群馬高専入試といえば、つい最近に、山崎校長と鶴見副校長(当時)の秘密協議と陰謀に駆動され、自学教員らの意見も聞かず徹底的に捻じ曲げられたばかりです。その背景にあったのは、アカハラ・連続自殺やその隠蔽など諸問題の数々で受験生や保護者らからソッポを向かれ、入学者数が激減していたことです。しかし山崎校長は、根本的な問題解決や体質改善に目を向けず、入試制度そのものをガバガバに改変してしまうという辻褄合わせ対応に飛びついてしまったのです。そこに「改革の提案者としての実績」が欲しかった鶴見氏が乗っかって、たった2か月未満で杜撰な「入試改革案」を1人ででっち上げた挙句、その後「実績」を手に、ホクホク顔で校長候補として東京の機構本部に栄転していきました。
○2019年2月4日:平成最後の入試で念願の志願者数回復?…実は何でもありの入試ルール変更でゴマ化した群馬高専のガタガタ内情↓
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2878.html
○2019年7月10日:【群馬高専】開示文書から読み解く入試大改変の経緯…その裏に副校長の実績作りがアリアリ!
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2976.html
そんな経緯もさることながら、過去の諸事件や現状にどんな認識を持っているのか、興味がそそられます。
■入試説明会は午前9時の開会時間とともに、体育館で、宮里広報戦略主任による司会で始まりました。
↑司会進行の宮里広報戦略主任の開会の辞。↑
「みなさま、おはようございます。本日はご多用のなかご参加を賜りましてまことにありがとうございます。それではただいまより説明会を開催いたします。私、本日の司会進行を務めさせていただきます広報戦略主任の宮里と申します。どうぞよろしくお願いします。はじめに、皆様にお願いがございます。本校の広報活動に名札を着用した職員が説明会および見学会の写真撮影を行っております。参加されております皆様のお顔が映らないように配慮させていただきますが、さしつかえのある方に置かれましては、正式に申し出てください。また、参加されている皆様の写真撮影につきましてはお控えくださいますようよろしくお願いします。なお、スマートフォン及び携帯電話については、マナーモードに設定、または電源を切っていただくよう協力をお願いいたします。それでは、説明会の開催にあたりまして、本校の学校長であります山崎誠より、ご挨拶申し上げます」
はじめに、学校長の山崎誠氏から8分間ほど挨拶がありました。
「皆様おはようございます。(場内:おはようございます)校長の山崎でございます。今日は、天気はよいのですけども、冷え込みの厳しい中、多数、第2回学校見学会にお越しいただき学校を代表してお礼を申し上げます。実は私、群馬高専に来て3年目になりますけれども、その前は隣りの新潟県の長岡高専に33年間、奉職してまいりました。そうしたわけで、私の仕事の人生のほとんどは高専なんですけれども、第1回学校見学会でも申しあげましたけれども、中学校を卒業してこれから次の進路に向かって、それを考えたときに、技術系あるいは化学、まあ科学技術、その分野で、ですね、将来を考えたときに、高専というのは非常にいい学校だと思っています。一番、やっぱり大きな理由は、中学校や、高校と違って、大学と同じ高等教育機関で専門教育を時間豊かに10代後半から受けられるということ。これは非常に大きなメリットだと思っています。そして高専は、勿論、次の進路のこともございますけれども、通常の、今話題になっている大学入試と、いうものはありません。ですから5年間、専攻科を含めると7年間、自分のやりたい、と言いますかね、自分の学びたいという気持ちのぺースで……自分のペースで、勉強をゆっくり見ていける、ということが非常に大きなメリットではないかと思います。本校の場合は、卒業後の進路についても、就職は希望されるかた、倍率が非常に高いですので、求人倍率が高いですので、100パーセント。それから、その次の勉強をしたいということで、大学、あるいは本校の専攻科、さらには大学院に進むという道もございます。進学率という数値でいきますと大学と専攻科を含めて昨年の平均でいくと77パーセント。これを、昨年の実は、全国の高専の平均で見ていくと42パーセントです。ですから群馬高専は、就職だけでなくて進学も勿論、いろいろな将来について可能性の高い学校だということができます。それから、女子生徒さんにも多く来ていただいております。このリケジョという言葉は長く、もう言われておりますけれども、それでもなかなか活躍するという機会がもっともっと広がらなければいけないと思います。こういう点でもですね、高専は、先ほども言いましたように、若いうちから専門的な、本格的な授業を受けられるチャンスがありますので、大きな機会をご提示することができるかと思います、そして国際性。これも今、日本の技術者、科学者は勿論ですけれども、多くの社会人にとっても必要なことになっています。この点についても、高専には大きなメリット、機会があります。留学生も来ますし、それから、オーストラリアへの現地研修、あるいはアジアの国への海外派遣研修も、希望者には用意してございますので、それに参加する機会もございます。それから、先ほど高専で5年間、あるいは専攻科で7年間、自分の思うように、思う存分、学ぶことができたり、あるいは、学校生活を送ることができますけれども、本校ではそういうことをですね、やはり自分で、自立して決めてほしいということで、学生の自主性を尊重して教育を行っております。とはいっても、これから中学を卒業して高校生の年代ですので、心配になることもあるだろうかと思います。我々もクラスごとにクラス担任、副担任を設けておりますし、先生のほうも大事な生徒様を父母からあずかっていると、そういう気持ちをもって、対応を心掛けてまいります。まあ、いろいろと悩みが多いところでありますけれども、そういうふうな体制をとっております。寮もございますけれども、寮も教育の一環であるという考えでもってやっております。そういうふうに、やっぱり、基本的には、やはり生徒さんを中心に、それからクラス担当、そして、学校の担当者、これらがしっかりと支援させていただき、事にあたりたいと思います。それが一番大事なことと、私は思っており、常々話しておるところであります。まあ、いま述べましたように群馬高専は、理数系に興味を持っている生徒さんにとって、非常に可能性の高い学校でございます。この分野に興味をもって、将来その分野で仕事をしたいと、そう思っている生徒さんには、ぜひ本校への受験をお願いしたいと思っています。本日は、本校の教育の理念をご理解いただき、ぜひ本校への受験につながるようにご理解をお願いします、本日はこれから暖かくなるかと思います。各学科の展示場所はですね、建物ごとに、その間を通っていかなければなりませんけども、ぜひ多くの学科のところを見ていただいて、また図書館等で相談するなど、対応として相談員も配置しておりますので、ぜひ有効に利用していただきたいと思います。本日はよろしくお願いいたします」
↑学校側作成のスライド画面。「群馬高専はこんな人に来てほしい」
「1.アドミッションポリシー
・本校の教育理念及び学習・教育目標を達成するために、総合的な基礎学力を十分にもつ者を求めています。
2.期待される入学者像
・科学技術者になりたいという志を持っている人
・人類の繁栄と地球環境を守るための科学技術に関心のある人
・国際的な場で活躍したいという希望を持っている人
・工業技術に興味があり、自ら進んで学習する意欲のある人
・数学や理科などの自然科学系科目が得意で興味のある人
(令和2年度入学者募集要項P.14)」↑
続いて、司会進行役の宮里広報戦略主任から「群馬高専の概要」と題して、およそ10分間にわたり説明が行われました。
■その後、副校長の碓氷教務主事から「選抜方法」について、詳しく話がありました。
ポイントとしては、前回の入試からそれまでと異なり結構大きく変えた部分があること、この次に、今の中学3年が入試を受けるときは、今年の入試と同じなので、今日はそれまでとの入試要項で大きく変えた点を説明すること。入試には大きくわけて、推薦選抜と一般選抜があること。一般選抜は学力試験の結果を重視して、大きく変えた点はそこの割合を重視するが、大きく変えた点はその区分の割合を変えたこと。推薦選抜の割合、また推薦の出願基準を変えたこと。一般選抜は、併願制度を設けたこと。また第3志望まで書けるようにしたこと。そのあたりが大きく変えたところで、そのほかに、帰国子女特別制度というものを設けたこと。それぞれについて詳しい説明がありました。
また、各学科40名のところ推薦が20、一般が20名。それまでは推薦で15名が募集人員でしたがそれを20名に増やしたこと。また、出願基準を中学校の2年と3年の5教科の5段階評価だと全部で50点満点のところ、42点以上を推薦基準としたこと。
そして、説明の最後に、「推薦の際にはくれぐれも第2、第3志望を書くように」との強い示唆というか、ほとんど要請がありました。推薦入試自体は1つの学科を専願するもので第2志望以下は意味がありませんが、不合格時には願書ごと一般入試受験者に振り分けられることから、あらかじめ書いておけという指示です。なお、今年の新入生の場合、第2、第3志望で合格したのが全体の15%、つまり200名中30名にのぼったことが紹介されました。
というわけで、冒頭で紹介したような入試改悪の数々が、完全に既成事実として受験生・保護者・中学教諭らに語られている実態がわかりました。説明を聞いても、各変更の問題点に触れないのはもちろんのこと、「なぜこのように変えたのか?」ということも一切説明されず、ただ変更したという事実だけをつらつら伝えるだけの不思議な説明でした。
もっとも、変更点を伝えて受験生の情報アップデートを促すこと自体に文句はありません。しかし後ほど群馬高専の入試関連ページを確認しても、やはり入試変更について未だに注意書きひとつ書いてありません。この重大事項を、学校見学会まで実際に足を運び、説明会に出席した人間のみが知ることのできる情報にするのは、あまりに不案内です。
■最後に、9時40分から中島学生課長補佐による「募集要項について」の説明がありました。
学校側の説明がすべて終わったのが9時58分でした。午前10時まであと2分足らずとなり、司会の宮里主任が締めくくりました。
「以上をもちまして、本校で準備をしました説明は全部終了しました。これより、5分未満となりますが、質疑の時間を設けております。ただいま説明を行いました学校の概要、選抜方法、募集要項に関して、この際何かこれは聞いておきたいということがございましたら受け付けたいと思います。まあ、見学の時間もありますので、ひとつかふたつ程度となりますが、皆さんから思われていることは、たぶん他のかたも思われていることだと思います。挙手でお願いします。いかがでございましょうか?」
■この時、間髪をいれず当会調査員が「はい!」と挙手をしました。350名ほどの参加者が、いっせいにこちらを振り向き、学校側のスタッフがマイクをもって小走りにやってきたので、それを受け取るや否や当会調査員が、大きな声で発言しました。
「あのう、学習塾に携わっているものです。えーとですね。大事な塾生、皆さんですとお子様を5年ないし7年間、まあお預けするわけなので、安全安心な学生生活を送るための確証というものが必要だと思います。で、ご案内の通り、数年前にいろいろハラスメント事件が起こりました。それが当時の校長先生は文科省からの天下りの先生だったのですが、まあ、現在の山崎先生は教鞭を取られたご経験があるので、その点はだいぶ変わったと思いますけれども、もし、そういったハラスメントが起きた場合、当時は学生相談室に被害者の方が相談したが機能しなかったんですね。で、今後もしそういった場合に、そのようなことが起きた場合にですね。きちんと……」
そう言いかけたとき、その2、3秒前に、突然4つか5つ前の席からひとりの男性が立ち上がりました。
その男性は、椅子と椅子の間の中央通路をこちらに向かってやってきて、私の脇を通り過ぎる際に、「そういう質問をする場じゃないぞ」と囁きました。当会調査員は「すいません、どなたでしょうか」とマイクを口から離して、通り過ぎた男性に生で声を掛けましたが、その男性は無言のまま座席の最後列の後ろ側をとおって、体育館の入り口のほうに歩き去っていきました。
■途中で話を中断させられた形になった当会調査員ですが、ふたたびマイクを持ち直し「だから、そこのところは、そういったことが起きた場合は、きちんと公表して対処していただきたいと。これが、一番のお願いです。ハラスメントについては、先ほどのご説明の中でそういった問題は(今後)ないようにということで、触れていただきましたけれども、改めて、そこのところをお願いします。大事な塾生を預かる立場として、お願いをさせていただきました。以上です。以上失礼しました」
すると、山崎学校長がマイクをとって立ち上がりました。そして「あの、その、ありがとうございます。さきほども説明したように……」と言いかけた途端、体育館のスピーカーから女性の声で「ただいまより、学校見学会を開始させていただきます……」という音声が放送され始め、出鼻がくじかれた形となりました。放送が終わるのを待ちきれないかのように、山崎学校長が説明を続けました。
「すいません。えーとあの、スケジュールのほうの案内が……ちょっと放送が入りましたので、すいません。えーと、貴重なご意見をよせていただきありがとうございます。さきほども説明がありましたが、ハラスメントにつきましては2年ほど前にガイドラインを設け実施しております。また相談室においても、毎日ですね、ひとりになりますけれどもカウンセラー等を配置しております。情報公開等についても、これは今の時代ですから、きちんと対応をするところであります。もちろん文科省や機構本部とも連携するとともに、私も高専の教員として永く携わっておりますので、子どもたちに対応しておりますので安全安心の確保には最大の努力を払ってまいります」
当会調査員は、場内全員に聞こえるように「ありがとうございます。よろしくお願いします!」と力強く山崎学校長にお願いをしました。
すでに午前10時を3分ほど過ぎています。宮里主任があらためて、司会進行役として閉会のことばを発しました。
「ありがとうございました。それでは、すいません。放送も入りましたが、学校見学会の時間が始まったので一旦ここで、この会は終了させていただきまして、もし何かご質問等ございましたら、我々スタッフはまだここに残っておりますので、ご相談ください。えー、以上をもちまして、説明会は終了させていただきます。ご参加くださり誠にありがとうございました。先ほども、放送でもありましたが、各学科棟におきまして、各学科の紹介、相談等のコーナー。後ですね、4枚目以降のプリントに細かいことが書いてありますが、中島より紹介させていただきました寮の見学もできるようになっていますので、自由に見学をお願いします。また、各種コーナーでは土足で入れない場所もあります。スリッパに履き替えられた場合には、履き間違いのないようにお願いします。また体調が悪くなった場合は、ご遠慮なく近くに居る職員にお声がけくださるよう、よろしくお願いします。最後になりますが、お配りした資料にアンケートが入っています。今後の本校の見学会の参考にする重要な情報になりますので、記入をしていただきまして、提出箱が体育館の前と、紹介の地図のほうにも印がつけてありますので、箱をご確認いただきまして、投函いただきたいと思います。よろしくお願いいたします。それでは説明会を終わりにいたします。これからご見学よろしくお願いいたします」
■参加者が一斉に席を立ち始め、当会調査員も我慢していたトイレに向かおうとしていたところ、参加していた一人の男性から声をかけられました。
「言いたいことを言ってくれてありがとう。うちは埼玉なんで、あまり(群馬には)馴染みがないんですが。ところで、あの親、なんとバカなことを言っているのかな。今ね、うちの嫁も言っていたんですが、すごいねって。あんな塾の先生がいたら、すごいわねって。言いたいことを言っていただいて素晴らしいって。ありがとうございます。うちもインターネットで見ていたら、言いたかったんですけど、言っちゃうと受験に不利になるんじゃないかって、思っちゃいますよね。とにかくありがとうございます」
これが、参加している保護者のほとんどのかたがたの素直な思いだと思います。そうした受験生側の心理を学校側が知らないはずがありません。
質疑応答になり当会調査員が間髪を入れず「はい!」と挙手した際、350人もの参加者が一斉に注目しました。そして、発言の間中、体育館の中はシーンと静寂に包まれ、当会調査員の声だけが響き渡りました。
そうした中で、突然、4、5列前に座っていた男性がすっと立ち、こちらに向かってきたときには、一瞬実力行使をうけるのではないか、と内心身構えたことは事実です。
おそらくその男性も、親として大事な子息の受験先として、群馬高専を真剣に検討しているのでしょう。しかし、こうした入試説明会の質疑にふさわしい質問なり要望などの意見というのは、どのようなものなのでしょうか。
勿論、当会調査員の発言を不愉快に思う人もいるはずですし、居ることは当然であり、それが健全な状態だと思います。しかし、自由な発言を抑制する行為には疑問を抱かざるを得ません。当会調査員に賛同の声をかけていただいたことで、当会調査員の発言に心中で頷かれた参加者が確かに存在したことがわかり、安堵した次第です。
■本件でもお分かりの通り、「お上に逆らっていちいち波風を立てる行為」に対して一部が持つ偏見と嫌悪感が尋常でないことは、当会も長い活動上身に染みて熟知しています。そして何より、それにも増して、「親が変なことをして子どもが学校に目を付けられてしまっては大変」という思考が、群馬高専に関わる保護者らの気力を削ぎ、倫理観をどんどん歪めている現状があります。
しかし、本来学校運営にコミットしなければならない保護者が、こうした思考から揃いも揃って責任放棄をしていると、結局は学校の腐敗を誰も止められず、最悪の結果として、「守っていた」はずの自分の子どもがいじめやアカハラの毒牙にかけられたり、自殺を選び取る羽目になってしまうという認識がしっかり持たれていく必要があります。このあたりの考察は、以下の記事でも書いたとおりです。
○2018年10月14日:群馬高専アカハラ・寮生連続死問題を追う…当会の再質問状に驚愕の無責任回答をよこした群馬高専後援会の実情↓
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2778.html
■ところで、3年前の夏の学校見学会では、まさにアカハラ・連続自殺や学校側の悪質な対応への注目と不安がピークに達していた時期であり、西尾校長(当時)も、「(アカハラやいじめ、自殺等に関しては)説明会の後で個別に質問を受け付けます」と最初に宣言して、保護者の前で「変な質問」をされないよう徹底的に隔離をしていました。今回山崎校長側がそのような措置を取っていなかったことは評価できますが、逆の見方をすれば、「風化」が進みつつあるためもう特別な措置も要らないだろう、と油断したさなかの出来事だったのかもしれません。
その後、11時35分まで、各学科棟を回り、展示物や進学、就職先の現状、動向を聴取しました。いずれも、学生の皆さんから親切なプレゼンをしてもらい、さらに指導されている教員のかたがたからは、就職先の動静について、詳しく教えていただきました。教え子の将来に責任を感じている様子が強くうかがわれるひとときでした。
あいにく時間の関係で、残念ながらM科の資料のみ入手できませんでしたが、2週間前の工華祭で視察していたこともあり、実情はすでに調べてありました。
参考:当日入手した入試説明会と各学科(M科除く)の説明資料 ZIP ⇒
◆受付で配布していた資料「学校見学会へようこそ」
20191116anx2qnwzw.zip
◆物質工学科で配布していた資料
20191116hw_uiih.zip
20191116hw_nw.zip
◆電子情報工学科で配布していた資料
20191116dqhw_wzw.zip
20191116qn_dqhwpt.zip
◆電子メディア工学科で配布していた資料
20191116dqfbahw_ww.zip
20191116qn_dqfbahwpt.zip
◆環境都市工学科で配布していた資料
20191116sshw_vrgwja.zip
◆群馬高専ロボット研究会で配布していた資料
20191116qnbg.zip
■注目の電子情報工学科棟では、今回は4階から見学をはじめましたが、3階に降りてきたら、女性職員が椅子に「立入禁止」の札を貼っている最中でした。それを横目に奥に歩いて行こうとしたら、「そこは立入禁止です」と女性職員に指摘を受けました。4階に上るときには、何も表示はありませんでしたので、急遽設置が始められたことが分かりました。「オンブズ侵入」を受けての緊急対応であることは明らかですが、そもそも雑賀本人もいないのですから、「立入禁止」にする意味が何もないはずです。
1・2階では、実験コーナーで展示や体験イベントが開かれていました。ところが、気になったことがありました。それは、2週間前(11月3日)の調査の際は、雑賀教員室のある3階のみ監視カメラが設置されていたのですが、2週間後の今回の学校見学会では、1階から4階まで全階のエレベーター脇の天井に、監視カメラがセットされていたことです。
↑今回は電子情報工学科の全階にこれと同様の監視カメラが設置されていた。↑
↑過去参考写真:2週間前は3階のみ監視カメラ設置。11月3日(日)撮影。↑
11月3日の時点では、3階の雑賀の教員室と研究室のある廊下の奥に向けて、セットしてあり、その他の階には、そのような監視カメラはセットされていませんでした。もともと、雑賀の部屋を誰かが覗かないようにと監視しようとする意図があったのだと考えられます。
そうしていたところ、おそらく、11月3日に当会調査員が歩き回る姿を確認し、11月8日にブログでも掲載されたため、急遽1週間で設置したものと思われます。
写真で見ればわかるとおり、これは専門業者が設置したというより、学校側が急遽予算をつけて、監視カメラとケーブル、および録画機を調達し、適当な職員かJ科教員に取付させたものだと考えられます。なぜなら、配線はむき出しの上に固定は即席で、撮影中であることを示す看板もないなど、日曜大工あるいはDIYでやった感じのお手製な取付具合だからです。後ほどこの写真を確認した他高専関係者も、杜撰さに驚いていたほどです。
したがって、電子情報工学科等の各階に現在監視カメラが取り付けられていることになります。なお、監視カメラの取付場所は、エレベーターのドアの左手の柱の天井付近で(写真参照)、そこからエレベーターを出て向かって右手の奥方向が写るようにセットしてあります。 写真にあるのは2階の様子ですが、1階はエレベーター右手の会議室が使えないため、エレベーター左手の部屋の天井の明り取りの隙間からケーブルを室内に引き込んでいました。前回調査において、当会がブログで1-4階全部をチェックしたと報告したことから、今回1、2、4階にも増設したことになります。
しかし、群馬高専側は当会のブログ記事を読んで初めて当会の「侵入」を感知したはずです。前回調査に関する記事掲載は今月8日(金)の夜でした。そうなると群馬高専側が記事内容を察知してアクションに移るのはどんなに早くても11日(月)のはずです。いくらDIYレベルの粗末なものとはいえ、たった5日間で各階への監視カメラ設置までこぎ着けるというのは、迅速とかいうレベルを超えており、はっきり言って異常です。
他の学科棟ではこのようなものものしい監視体制は敷かれていませんでした。群馬高専にとって、よほど雑賀教員室と雑賀研究室のある3階のみならず、電子情報工学科棟全体の監視を強化する理由があるようです。
■今回、当会調査員は、当会事務局長が主催する学習塾の非常勤講師(「海外事情」講座担当)として、事務局長の名代も兼ねて入試説明会に参加しました。というのも、塾生のなかには当然、群馬高専を志望する生徒もいますが、雑賀教授による卑劣なハラスメント事件以降、事務局長が群馬高専の隠ぺい体質に辟易しており、自信をもって群馬高専を進学先として薦め、背中を押すことに躊躇し続けているのも事実だからです。
そのことから、今回の説明会については、山崎校長ら幹部の見解を拝聴するだけでなく、当方から開かれた高専の実現を改めて要請する機会と捉えて参加した側面もありました。当会の質問に対して、山崎校長には、大勢の保護者やその子息の前で、ハラスメントの撲滅と情報開示の積極姿勢を示していただきました。これが有言実行になるのかどうか、今後行っていく質問や要請、情報開示請求について、群馬高専の対応を慎重に見極めてみたいと思います。
【追記】
雑賀にまつわる謎の数々に関する後日談については、以下の記事後半の〈付録〉もご覧下さい。↓
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3096.html
【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】
○2019年11月8日:19秋・潜入調査記in沼津高専…アカハラ犯・雑賀洋平の「今」とその狙いを探る(1)↓
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3069.html
○2019年11月8日:19秋・潜入調査記in群馬高専…アカハラ犯・雑賀洋平の「今」とその狙いを探る(2)↓
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3070.html
上記調査では雑賀周りの現況の把握を主眼としました。では、アカハラ事件や寮生連続自殺・不審死事件の舞台となり、口封じ脅迫や隠蔽も相まって大騒動が巻き起こり続け、今も諸問題の解決には程遠い位置にある群馬高専そのものの現況は、どうなのでしょうか。今度はその点に着目して現地調査を行ってみることにしました。
調べると、11月16日(土)に2019年度の第2回学校見学会が開催されるようでしたので、当会では早速この機会を利用することにしました。なお、当会が以前に同校の学校見学会に参加したのは、西尾典眞前校長との熾烈な駆け引きが繰り広げられていた真っ最中の2016年8月のことでした。学校見学会への参加は、実に3年3か月ぶりとなります。
○2016年8月11日:アカハラと寮生死亡事件に揺れる群馬高専・・・第1回学校見学会参加報告↓
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↑令和2年度群馬高専入試説明会で同校体育館内に参集した来年入学志望の多数の生徒さん、及びその親御さんら。このほか、中学教諭など教育関係者も参加対象だが、殆ど親子連れ。午前9時の開催直前に優に350名の皆さんが館内を埋め尽くした。↑
■当日はオンブズマンの例会開催日(第3土曜)でした。したがって、昼過ぎまでに本調査を済ませ、午後2時からの当会定例会開催に直接駆けつける段取りで、当日朝、当会調査員が現地に向かいました。念のため、前橋市内の学習塾所属の教育関係者であることを証明する名刺も携帯していきました(なお、詐称ではなく事実です)。
2019年度の第2回目の学校見学会においては、令和2年度入試説明会も同日実施されました。入試説明会は9:00~10:00にかけて、学校見学会は10:00~12:00にかけて自由見学の形で行われ、見学後は自由解散でした。
というわけで、まずは入試説明会で校長らが群馬高専の現状をどのように説明し、アピールを行うのか、ぜひ拝聴することにしました。
群馬高専入試といえば、つい最近に、山崎校長と鶴見副校長(当時)の秘密協議と陰謀に駆動され、自学教員らの意見も聞かず徹底的に捻じ曲げられたばかりです。その背景にあったのは、アカハラ・連続自殺やその隠蔽など諸問題の数々で受験生や保護者らからソッポを向かれ、入学者数が激減していたことです。しかし山崎校長は、根本的な問題解決や体質改善に目を向けず、入試制度そのものをガバガバに改変してしまうという辻褄合わせ対応に飛びついてしまったのです。そこに「改革の提案者としての実績」が欲しかった鶴見氏が乗っかって、たった2か月未満で杜撰な「入試改革案」を1人ででっち上げた挙句、その後「実績」を手に、ホクホク顔で校長候補として東京の機構本部に栄転していきました。
○2019年2月4日:平成最後の入試で念願の志願者数回復?…実は何でもありの入試ルール変更でゴマ化した群馬高専のガタガタ内情↓
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○2019年7月10日:【群馬高専】開示文書から読み解く入試大改変の経緯…その裏に副校長の実績作りがアリアリ!
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2976.html
そんな経緯もさることながら、過去の諸事件や現状にどんな認識を持っているのか、興味がそそられます。
■入試説明会は午前9時の開会時間とともに、体育館で、宮里広報戦略主任による司会で始まりました。
↑司会進行の宮里広報戦略主任の開会の辞。↑
「みなさま、おはようございます。本日はご多用のなかご参加を賜りましてまことにありがとうございます。それではただいまより説明会を開催いたします。私、本日の司会進行を務めさせていただきます広報戦略主任の宮里と申します。どうぞよろしくお願いします。はじめに、皆様にお願いがございます。本校の広報活動に名札を着用した職員が説明会および見学会の写真撮影を行っております。参加されております皆様のお顔が映らないように配慮させていただきますが、さしつかえのある方に置かれましては、正式に申し出てください。また、参加されている皆様の写真撮影につきましてはお控えくださいますようよろしくお願いします。なお、スマートフォン及び携帯電話については、マナーモードに設定、または電源を切っていただくよう協力をお願いいたします。それでは、説明会の開催にあたりまして、本校の学校長であります山崎誠より、ご挨拶申し上げます」
はじめに、学校長の山崎誠氏から8分間ほど挨拶がありました。
「皆様おはようございます。(場内:おはようございます)校長の山崎でございます。今日は、天気はよいのですけども、冷え込みの厳しい中、多数、第2回学校見学会にお越しいただき学校を代表してお礼を申し上げます。実は私、群馬高専に来て3年目になりますけれども、その前は隣りの新潟県の長岡高専に33年間、奉職してまいりました。そうしたわけで、私の仕事の人生のほとんどは高専なんですけれども、第1回学校見学会でも申しあげましたけれども、中学校を卒業してこれから次の進路に向かって、それを考えたときに、技術系あるいは化学、まあ科学技術、その分野で、ですね、将来を考えたときに、高専というのは非常にいい学校だと思っています。一番、やっぱり大きな理由は、中学校や、高校と違って、大学と同じ高等教育機関で専門教育を時間豊かに10代後半から受けられるということ。これは非常に大きなメリットだと思っています。そして高専は、勿論、次の進路のこともございますけれども、通常の、今話題になっている大学入試と、いうものはありません。ですから5年間、専攻科を含めると7年間、自分のやりたい、と言いますかね、自分の学びたいという気持ちのぺースで……自分のペースで、勉強をゆっくり見ていける、ということが非常に大きなメリットではないかと思います。本校の場合は、卒業後の進路についても、就職は希望されるかた、倍率が非常に高いですので、求人倍率が高いですので、100パーセント。それから、その次の勉強をしたいということで、大学、あるいは本校の専攻科、さらには大学院に進むという道もございます。進学率という数値でいきますと大学と専攻科を含めて昨年の平均でいくと77パーセント。これを、昨年の実は、全国の高専の平均で見ていくと42パーセントです。ですから群馬高専は、就職だけでなくて進学も勿論、いろいろな将来について可能性の高い学校だということができます。それから、女子生徒さんにも多く来ていただいております。このリケジョという言葉は長く、もう言われておりますけれども、それでもなかなか活躍するという機会がもっともっと広がらなければいけないと思います。こういう点でもですね、高専は、先ほども言いましたように、若いうちから専門的な、本格的な授業を受けられるチャンスがありますので、大きな機会をご提示することができるかと思います、そして国際性。これも今、日本の技術者、科学者は勿論ですけれども、多くの社会人にとっても必要なことになっています。この点についても、高専には大きなメリット、機会があります。留学生も来ますし、それから、オーストラリアへの現地研修、あるいはアジアの国への海外派遣研修も、希望者には用意してございますので、それに参加する機会もございます。それから、先ほど高専で5年間、あるいは専攻科で7年間、自分の思うように、思う存分、学ぶことができたり、あるいは、学校生活を送ることができますけれども、本校ではそういうことをですね、やはり自分で、自立して決めてほしいということで、学生の自主性を尊重して教育を行っております。とはいっても、これから中学を卒業して高校生の年代ですので、心配になることもあるだろうかと思います。我々もクラスごとにクラス担任、副担任を設けておりますし、先生のほうも大事な生徒様を父母からあずかっていると、そういう気持ちをもって、対応を心掛けてまいります。まあ、いろいろと悩みが多いところでありますけれども、そういうふうな体制をとっております。寮もございますけれども、寮も教育の一環であるという考えでもってやっております。そういうふうに、やっぱり、基本的には、やはり生徒さんを中心に、それからクラス担当、そして、学校の担当者、これらがしっかりと支援させていただき、事にあたりたいと思います。それが一番大事なことと、私は思っており、常々話しておるところであります。まあ、いま述べましたように群馬高専は、理数系に興味を持っている生徒さんにとって、非常に可能性の高い学校でございます。この分野に興味をもって、将来その分野で仕事をしたいと、そう思っている生徒さんには、ぜひ本校への受験をお願いしたいと思っています。本日は、本校の教育の理念をご理解いただき、ぜひ本校への受験につながるようにご理解をお願いします、本日はこれから暖かくなるかと思います。各学科の展示場所はですね、建物ごとに、その間を通っていかなければなりませんけども、ぜひ多くの学科のところを見ていただいて、また図書館等で相談するなど、対応として相談員も配置しておりますので、ぜひ有効に利用していただきたいと思います。本日はよろしくお願いいたします」
↑学校側作成のスライド画面。「群馬高専はこんな人に来てほしい」
「1.アドミッションポリシー
・本校の教育理念及び学習・教育目標を達成するために、総合的な基礎学力を十分にもつ者を求めています。
2.期待される入学者像
・科学技術者になりたいという志を持っている人
・人類の繁栄と地球環境を守るための科学技術に関心のある人
・国際的な場で活躍したいという希望を持っている人
・工業技術に興味があり、自ら進んで学習する意欲のある人
・数学や理科などの自然科学系科目が得意で興味のある人
(令和2年度入学者募集要項P.14)」↑
続いて、司会進行役の宮里広報戦略主任から「群馬高専の概要」と題して、およそ10分間にわたり説明が行われました。
■その後、副校長の碓氷教務主事から「選抜方法」について、詳しく話がありました。
ポイントとしては、前回の入試からそれまでと異なり結構大きく変えた部分があること、この次に、今の中学3年が入試を受けるときは、今年の入試と同じなので、今日はそれまでとの入試要項で大きく変えた点を説明すること。入試には大きくわけて、推薦選抜と一般選抜があること。一般選抜は学力試験の結果を重視して、大きく変えた点はそこの割合を重視するが、大きく変えた点はその区分の割合を変えたこと。推薦選抜の割合、また推薦の出願基準を変えたこと。一般選抜は、併願制度を設けたこと。また第3志望まで書けるようにしたこと。そのあたりが大きく変えたところで、そのほかに、帰国子女特別制度というものを設けたこと。それぞれについて詳しい説明がありました。
また、各学科40名のところ推薦が20、一般が20名。それまでは推薦で15名が募集人員でしたがそれを20名に増やしたこと。また、出願基準を中学校の2年と3年の5教科の5段階評価だと全部で50点満点のところ、42点以上を推薦基準としたこと。
そして、説明の最後に、「推薦の際にはくれぐれも第2、第3志望を書くように」との強い示唆というか、ほとんど要請がありました。推薦入試自体は1つの学科を専願するもので第2志望以下は意味がありませんが、不合格時には願書ごと一般入試受験者に振り分けられることから、あらかじめ書いておけという指示です。なお、今年の新入生の場合、第2、第3志望で合格したのが全体の15%、つまり200名中30名にのぼったことが紹介されました。
というわけで、冒頭で紹介したような入試改悪の数々が、完全に既成事実として受験生・保護者・中学教諭らに語られている実態がわかりました。説明を聞いても、各変更の問題点に触れないのはもちろんのこと、「なぜこのように変えたのか?」ということも一切説明されず、ただ変更したという事実だけをつらつら伝えるだけの不思議な説明でした。
もっとも、変更点を伝えて受験生の情報アップデートを促すこと自体に文句はありません。しかし後ほど群馬高専の入試関連ページを確認しても、やはり入試変更について未だに注意書きひとつ書いてありません。この重大事項を、学校見学会まで実際に足を運び、説明会に出席した人間のみが知ることのできる情報にするのは、あまりに不案内です。
■最後に、9時40分から中島学生課長補佐による「募集要項について」の説明がありました。
学校側の説明がすべて終わったのが9時58分でした。午前10時まであと2分足らずとなり、司会の宮里主任が締めくくりました。
「以上をもちまして、本校で準備をしました説明は全部終了しました。これより、5分未満となりますが、質疑の時間を設けております。ただいま説明を行いました学校の概要、選抜方法、募集要項に関して、この際何かこれは聞いておきたいということがございましたら受け付けたいと思います。まあ、見学の時間もありますので、ひとつかふたつ程度となりますが、皆さんから思われていることは、たぶん他のかたも思われていることだと思います。挙手でお願いします。いかがでございましょうか?」
■この時、間髪をいれず当会調査員が「はい!」と挙手をしました。350名ほどの参加者が、いっせいにこちらを振り向き、学校側のスタッフがマイクをもって小走りにやってきたので、それを受け取るや否や当会調査員が、大きな声で発言しました。
「あのう、学習塾に携わっているものです。えーとですね。大事な塾生、皆さんですとお子様を5年ないし7年間、まあお預けするわけなので、安全安心な学生生活を送るための確証というものが必要だと思います。で、ご案内の通り、数年前にいろいろハラスメント事件が起こりました。それが当時の校長先生は文科省からの天下りの先生だったのですが、まあ、現在の山崎先生は教鞭を取られたご経験があるので、その点はだいぶ変わったと思いますけれども、もし、そういったハラスメントが起きた場合、当時は学生相談室に被害者の方が相談したが機能しなかったんですね。で、今後もしそういった場合に、そのようなことが起きた場合にですね。きちんと……」
そう言いかけたとき、その2、3秒前に、突然4つか5つ前の席からひとりの男性が立ち上がりました。
その男性は、椅子と椅子の間の中央通路をこちらに向かってやってきて、私の脇を通り過ぎる際に、「そういう質問をする場じゃないぞ」と囁きました。当会調査員は「すいません、どなたでしょうか」とマイクを口から離して、通り過ぎた男性に生で声を掛けましたが、その男性は無言のまま座席の最後列の後ろ側をとおって、体育館の入り口のほうに歩き去っていきました。
■途中で話を中断させられた形になった当会調査員ですが、ふたたびマイクを持ち直し「だから、そこのところは、そういったことが起きた場合は、きちんと公表して対処していただきたいと。これが、一番のお願いです。ハラスメントについては、先ほどのご説明の中でそういった問題は(今後)ないようにということで、触れていただきましたけれども、改めて、そこのところをお願いします。大事な塾生を預かる立場として、お願いをさせていただきました。以上です。以上失礼しました」
すると、山崎学校長がマイクをとって立ち上がりました。そして「あの、その、ありがとうございます。さきほども説明したように……」と言いかけた途端、体育館のスピーカーから女性の声で「ただいまより、学校見学会を開始させていただきます……」という音声が放送され始め、出鼻がくじかれた形となりました。放送が終わるのを待ちきれないかのように、山崎学校長が説明を続けました。
「すいません。えーとあの、スケジュールのほうの案内が……ちょっと放送が入りましたので、すいません。えーと、貴重なご意見をよせていただきありがとうございます。さきほども説明がありましたが、ハラスメントにつきましては2年ほど前にガイドラインを設け実施しております。また相談室においても、毎日ですね、ひとりになりますけれどもカウンセラー等を配置しております。情報公開等についても、これは今の時代ですから、きちんと対応をするところであります。もちろん文科省や機構本部とも連携するとともに、私も高専の教員として永く携わっておりますので、子どもたちに対応しておりますので安全安心の確保には最大の努力を払ってまいります」
当会調査員は、場内全員に聞こえるように「ありがとうございます。よろしくお願いします!」と力強く山崎学校長にお願いをしました。
すでに午前10時を3分ほど過ぎています。宮里主任があらためて、司会進行役として閉会のことばを発しました。
「ありがとうございました。それでは、すいません。放送も入りましたが、学校見学会の時間が始まったので一旦ここで、この会は終了させていただきまして、もし何かご質問等ございましたら、我々スタッフはまだここに残っておりますので、ご相談ください。えー、以上をもちまして、説明会は終了させていただきます。ご参加くださり誠にありがとうございました。先ほども、放送でもありましたが、各学科棟におきまして、各学科の紹介、相談等のコーナー。後ですね、4枚目以降のプリントに細かいことが書いてありますが、中島より紹介させていただきました寮の見学もできるようになっていますので、自由に見学をお願いします。また、各種コーナーでは土足で入れない場所もあります。スリッパに履き替えられた場合には、履き間違いのないようにお願いします。また体調が悪くなった場合は、ご遠慮なく近くに居る職員にお声がけくださるよう、よろしくお願いします。最後になりますが、お配りした資料にアンケートが入っています。今後の本校の見学会の参考にする重要な情報になりますので、記入をしていただきまして、提出箱が体育館の前と、紹介の地図のほうにも印がつけてありますので、箱をご確認いただきまして、投函いただきたいと思います。よろしくお願いいたします。それでは説明会を終わりにいたします。これからご見学よろしくお願いいたします」
■参加者が一斉に席を立ち始め、当会調査員も我慢していたトイレに向かおうとしていたところ、参加していた一人の男性から声をかけられました。
「言いたいことを言ってくれてありがとう。うちは埼玉なんで、あまり(群馬には)馴染みがないんですが。ところで、あの親、なんとバカなことを言っているのかな。今ね、うちの嫁も言っていたんですが、すごいねって。あんな塾の先生がいたら、すごいわねって。言いたいことを言っていただいて素晴らしいって。ありがとうございます。うちもインターネットで見ていたら、言いたかったんですけど、言っちゃうと受験に不利になるんじゃないかって、思っちゃいますよね。とにかくありがとうございます」
これが、参加している保護者のほとんどのかたがたの素直な思いだと思います。そうした受験生側の心理を学校側が知らないはずがありません。
質疑応答になり当会調査員が間髪を入れず「はい!」と挙手した際、350人もの参加者が一斉に注目しました。そして、発言の間中、体育館の中はシーンと静寂に包まれ、当会調査員の声だけが響き渡りました。
そうした中で、突然、4、5列前に座っていた男性がすっと立ち、こちらに向かってきたときには、一瞬実力行使をうけるのではないか、と内心身構えたことは事実です。
おそらくその男性も、親として大事な子息の受験先として、群馬高専を真剣に検討しているのでしょう。しかし、こうした入試説明会の質疑にふさわしい質問なり要望などの意見というのは、どのようなものなのでしょうか。
勿論、当会調査員の発言を不愉快に思う人もいるはずですし、居ることは当然であり、それが健全な状態だと思います。しかし、自由な発言を抑制する行為には疑問を抱かざるを得ません。当会調査員に賛同の声をかけていただいたことで、当会調査員の発言に心中で頷かれた参加者が確かに存在したことがわかり、安堵した次第です。
■本件でもお分かりの通り、「お上に逆らっていちいち波風を立てる行為」に対して一部が持つ偏見と嫌悪感が尋常でないことは、当会も長い活動上身に染みて熟知しています。そして何より、それにも増して、「親が変なことをして子どもが学校に目を付けられてしまっては大変」という思考が、群馬高専に関わる保護者らの気力を削ぎ、倫理観をどんどん歪めている現状があります。
しかし、本来学校運営にコミットしなければならない保護者が、こうした思考から揃いも揃って責任放棄をしていると、結局は学校の腐敗を誰も止められず、最悪の結果として、「守っていた」はずの自分の子どもがいじめやアカハラの毒牙にかけられたり、自殺を選び取る羽目になってしまうという認識がしっかり持たれていく必要があります。このあたりの考察は、以下の記事でも書いたとおりです。
○2018年10月14日:群馬高専アカハラ・寮生連続死問題を追う…当会の再質問状に驚愕の無責任回答をよこした群馬高専後援会の実情↓
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2778.html
■ところで、3年前の夏の学校見学会では、まさにアカハラ・連続自殺や学校側の悪質な対応への注目と不安がピークに達していた時期であり、西尾校長(当時)も、「(アカハラやいじめ、自殺等に関しては)説明会の後で個別に質問を受け付けます」と最初に宣言して、保護者の前で「変な質問」をされないよう徹底的に隔離をしていました。今回山崎校長側がそのような措置を取っていなかったことは評価できますが、逆の見方をすれば、「風化」が進みつつあるためもう特別な措置も要らないだろう、と油断したさなかの出来事だったのかもしれません。
その後、11時35分まで、各学科棟を回り、展示物や進学、就職先の現状、動向を聴取しました。いずれも、学生の皆さんから親切なプレゼンをしてもらい、さらに指導されている教員のかたがたからは、就職先の動静について、詳しく教えていただきました。教え子の将来に責任を感じている様子が強くうかがわれるひとときでした。
あいにく時間の関係で、残念ながらM科の資料のみ入手できませんでしたが、2週間前の工華祭で視察していたこともあり、実情はすでに調べてありました。
参考:当日入手した入試説明会と各学科(M科除く)の説明資料 ZIP ⇒
◆受付で配布していた資料「学校見学会へようこそ」
20191116anx2qnwzw.zip
◆物質工学科で配布していた資料
20191116hw_uiih.zip
20191116hw_nw.zip
◆電子情報工学科で配布していた資料
20191116dqhw_wzw.zip
20191116qn_dqhwpt.zip
◆電子メディア工学科で配布していた資料
20191116dqfbahw_ww.zip
20191116qn_dqfbahwpt.zip
◆環境都市工学科で配布していた資料
20191116sshw_vrgwja.zip
◆群馬高専ロボット研究会で配布していた資料
20191116qnbg.zip
■注目の電子情報工学科棟では、今回は4階から見学をはじめましたが、3階に降りてきたら、女性職員が椅子に「立入禁止」の札を貼っている最中でした。それを横目に奥に歩いて行こうとしたら、「そこは立入禁止です」と女性職員に指摘を受けました。4階に上るときには、何も表示はありませんでしたので、急遽設置が始められたことが分かりました。「オンブズ侵入」を受けての緊急対応であることは明らかですが、そもそも雑賀本人もいないのですから、「立入禁止」にする意味が何もないはずです。
1・2階では、実験コーナーで展示や体験イベントが開かれていました。ところが、気になったことがありました。それは、2週間前(11月3日)の調査の際は、雑賀教員室のある3階のみ監視カメラが設置されていたのですが、2週間後の今回の学校見学会では、1階から4階まで全階のエレベーター脇の天井に、監視カメラがセットされていたことです。
↑今回は電子情報工学科の全階にこれと同様の監視カメラが設置されていた。↑
↑過去参考写真:2週間前は3階のみ監視カメラ設置。11月3日(日)撮影。↑
11月3日の時点では、3階の雑賀の教員室と研究室のある廊下の奥に向けて、セットしてあり、その他の階には、そのような監視カメラはセットされていませんでした。もともと、雑賀の部屋を誰かが覗かないようにと監視しようとする意図があったのだと考えられます。
そうしていたところ、おそらく、11月3日に当会調査員が歩き回る姿を確認し、11月8日にブログでも掲載されたため、急遽1週間で設置したものと思われます。
写真で見ればわかるとおり、これは専門業者が設置したというより、学校側が急遽予算をつけて、監視カメラとケーブル、および録画機を調達し、適当な職員かJ科教員に取付させたものだと考えられます。なぜなら、配線はむき出しの上に固定は即席で、撮影中であることを示す看板もないなど、日曜大工あるいはDIYでやった感じのお手製な取付具合だからです。後ほどこの写真を確認した他高専関係者も、杜撰さに驚いていたほどです。
したがって、電子情報工学科等の各階に現在監視カメラが取り付けられていることになります。なお、監視カメラの取付場所は、エレベーターのドアの左手の柱の天井付近で(写真参照)、そこからエレベーターを出て向かって右手の奥方向が写るようにセットしてあります。 写真にあるのは2階の様子ですが、1階はエレベーター右手の会議室が使えないため、エレベーター左手の部屋の天井の明り取りの隙間からケーブルを室内に引き込んでいました。前回調査において、当会がブログで1-4階全部をチェックしたと報告したことから、今回1、2、4階にも増設したことになります。
しかし、群馬高専側は当会のブログ記事を読んで初めて当会の「侵入」を感知したはずです。前回調査に関する記事掲載は今月8日(金)の夜でした。そうなると群馬高専側が記事内容を察知してアクションに移るのはどんなに早くても11日(月)のはずです。いくらDIYレベルの粗末なものとはいえ、たった5日間で各階への監視カメラ設置までこぎ着けるというのは、迅速とかいうレベルを超えており、はっきり言って異常です。
他の学科棟ではこのようなものものしい監視体制は敷かれていませんでした。群馬高専にとって、よほど雑賀教員室と雑賀研究室のある3階のみならず、電子情報工学科棟全体の監視を強化する理由があるようです。
■今回、当会調査員は、当会事務局長が主催する学習塾の非常勤講師(「海外事情」講座担当)として、事務局長の名代も兼ねて入試説明会に参加しました。というのも、塾生のなかには当然、群馬高専を志望する生徒もいますが、雑賀教授による卑劣なハラスメント事件以降、事務局長が群馬高専の隠ぺい体質に辟易しており、自信をもって群馬高専を進学先として薦め、背中を押すことに躊躇し続けているのも事実だからです。
そのことから、今回の説明会については、山崎校長ら幹部の見解を拝聴するだけでなく、当方から開かれた高専の実現を改めて要請する機会と捉えて参加した側面もありました。当会の質問に対して、山崎校長には、大勢の保護者やその子息の前で、ハラスメントの撲滅と情報開示の積極姿勢を示していただきました。これが有言実行になるのかどうか、今後行っていく質問や要請、情報開示請求について、群馬高専の対応を慎重に見極めてみたいと思います。
【追記】
雑賀にまつわる謎の数々に関する後日談については、以下の記事後半の〈付録〉もご覧下さい。↓
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3096.html
【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】
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