市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

ネット動画発信を目論む一太知事・・・動画スタジオの補正予算1億1684万円の内訳が真っ黒け!!

2019-10-20 22:18:00 | 県内の税金無駄使い実態
■かつて、国際協力事業団(JICA)職員としてニューヨークに駐在していたこともある山本一太新知事ですが、ブログなどを駆使して、その発信力は政界屈指と言われています。その人物が7月27日に群馬県の第20代知事に就任して3か月半が過ぎようとしています。その新知事が得意とするネット動画配信のためのスタジオを、県庁最上階に設置する計画が8月23日に発表されて以来、当会は、前知事が愛人と週末を頻繁に過ごしていた県庁近くの副知事公舎を活用して、そこに設置するよう群馬県総務部広報課と管財課に9月2日に文書で申し入れて、さらに、9月4日の時点で、広報課長に「動画スタジオのレイアウトを見せてほしい」とお願いしたところ、広報課長は「県議会で補正予算案が議決する前に、県民に見せるわけにはいかない」と拒否しました。そのため、9月20日に動画スタジオのコスト内訳について開示請求をしていたところ、10月16日に部分開示されました。しかし、実質的には真っ黒けなので、不開示も同然です。

「何かが始まる予算」と題する山本一太の知事コラム(ぐんま広報令和元年10月6日発行P5)。「何か」とは、血税の無駄遣いであってはならない。ましてやそれが、「自我作古」=「自分が歴史を創り出す」=「自らが集団の中で手本となって、周囲に良き道を示し、礎となる」の前例にしてはならない。

 この件の経緯については次のブログも参照ください。
○2019年8月27日:ネット動画発信を目論む山本一太新知事が県庁内に動画スタジオを設置検討か!
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3011.html
○2019年9月2日:ネット動画発信を目論む山本一太新知事に動画スタジオは県庁最上階でなく副知事公舎に設置を提唱!
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3014.html
〇2019年9月11日:ネット動画発信を目論む山本一太新知事の動画スタジオに、なんと補正予算1億1684万円!!
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/3018.html

 こうした中、群馬県は9月10日に補正予算案として、動画スタジオの整備費に1億1684万円を盛り込むことを発表し、10月10日に県議会は可決してしまいました。

**********上毛新聞2019年10月10日
動画スタジオ1.2億 可決 知事「重く受け止める」
 県庁23階展望ホールヘの動画スタジオ整備費約1億1700万円を含む補正予算案が県議会本会議で賛成多数で可決された9日、山本一太知事は定例会見で、「(共産党の2人を除く)ほとんどの方から支持していただいたことをうれしく思うし、重く受け止めたい」と述べた。
 スタジオ整備を巡り、県議会の常任委員会で批判的な意見や、費用の適正さを県にただす発言もあった。同日の本会議では反対討論も行われた。こうした議会側の動きに山本知事は「批判が出てくるのはむしろ健全」との受け止めを示し、批判や指摘を踏まえながら来年4月の運用開始に向けて準備を進める考えを強調した。
 会見で、整備後の具体的な目標設定に関する質問には明言を避けつつ、既存のメディアとの連携強化に言及。「群馬県にしかない新しいメディアミックスをつくるという目的もある。そういう総合的な中から目標を紡ぎ出していきたい」とした。

**********毎日新聞2019年10月10日
県議会可決、補正予算案44億5742万円 動画スタジオ費用含む /群馬
 県議会第3回定例会の本会議が9日開かれ、山本一太知事肝いりの動画スタジオ設置費用1億1684万円を含む総額44億5742万円の一般会計9月補正予算案など計33議案を賛成多数で可決した。【西銘研志郎】
 スタジオ設置は山本氏が「県の魅力の発信拠点」と位置づけているもので、議会後の定例記者会見で山本氏は「補正予算案はほとんどの県議から支持してもらいうれしく思うし重く受け止めたい」と語った。
 スタジオは県庁32階に設置予定で、カメラ5台やパソコン4台、スポットライト22台などの機材設備に加え、空調や防音などの施設工事もある。だが具体的な動画の閲覧回数(PV数)の目標値も示されないまま多額の税金を使用してのスタジオ設置には疑問視する声もある。予算採決前の反対討論では、共産党の酒井宏明氏が「何をどのように発信するのか十分な議論がないまま1億円以上の税金を投入するのは県民の理解が得られない」と指摘した。
 定例会見で動画スタジオ設置に反対する意見について問われた山本氏は、「疑問点や批判点があることは賛否両論で良い。議論が出ていることについては真摯(しんし)に受け止め、分析し今後の運営などに生かしていきたい」と語った。
 この他、県議会では県側から豚コレラ対策に関する追加補正予算案が示された。予防ワクチン接種支援や感染野生イノシシの捕獲地点から半径10キロ圏内の「監視対象農場」に指定された養豚場の飼育豚の早期出荷対策など総額約8億9623万円を計上。10日の県議会本会議で採決される。

**********群馬県HP 「知事記者会見抜粋」2019年10月9日
https://www.youtube.com/watch?v=pSAQobH9tHA&feature=youtu.be
第10回定例記者会見要旨(10月9日)
■日時 令和元年10月9日(水)午後3時02分~3時48分
■会場 記者会見室
■出席者 県:知事、副知事、総務部長ほか
       記者:記者クラブ所属記者等 22人
■記録作成 広報課(報道係)
◆令和元年10月9日記者会見動画(You Tube:外部リンク)
○県庁動画スタジオについて
(記者)
 スタジオの件なんですけれども、今日、整備費を含めた補正予算が可決されました。今でも約1億1700万円は高いっていう声があるんですけれども、その点に関して、改めて知事としてどうお考えですか。
(知事)
 今日の県議会でですね、補正予算の議決をしていただきました。動画スタジオについてもいろんな意見はあるんですが、動画スタジオを含む補正予算について、共産党会派を除く全ての方々が賛成をしていただいたと。要は政治は基本的に議会で支持されるかどうかっていうことだと思うので、それは大勢の方が、ほとんど県議会の方々からこの補正予算を支持していただいたと、このことを本当に嬉しく思いますし、重く受け止めたいと思っています。
 今、おっしゃったように、いろいろ委員会等々でも出た疑問点、あるいは批判、賛否両論ですごくいいんじゃないかっていう人もいるんですが、こういう異論が出たことについては、やはり真摯に受けとめて、そこら辺の指摘はよく分析しながら、これで4月に向けての建設が始まりますから、今後の運営とか、ここからプログラムをどういうものを作っていくかっていうのを全てしっかりと詳細に議論していこうと思うので、その中に生かしていきたいと思います。
 あの、やっぱりこのままスッと行くんじゃなくて、メディアの方でもいろいろ書いていましたけれども、やはり批判があるっていうのは私は当然だと思っていて、こちらが一つの見方をしても、また違う意見の人もいるわけであって、批判が出てくるっていうことは、むしろ健全だと思っていますから、そういうところもしっかり含めて、とにかく動画スタジオで目に見える実績を出す、県民の皆さんから最後は評価を受けるわけで、やっぱり拠点として非常に機能して良かったと思われるような施設にしていきたいと思います。
(記者)
 今ですね、目に見える実績を出すという話だったと思うんですけれども、今の段階で、例えば1日の動画の再生回数が何件だとか、そういう具体的な目標設定は。
(知事)
 それは、現時点ではですね、なかなか申し上げるのは難しいと思うんですけれど、動画の再生回数だけじゃないので、基準は。
 例えば、そこでインターネットの番組作りますよね。私がキャスターをやることもあれば、そうじゃないケースもあると思うんですけれども、ここは、今ある既存のいろんなメディアとのメディアミックス(注:宣伝を効果的にするために、新聞・雑誌・テレビ・インターネット・ダイレクトメールなどのいろいろな広告媒体を組み合わせること)も考えていかなければいけないと。場合によっては、まだちょっと申し上げられませんけれども、今までとちょっと違うメディアと組んだりとか、いろんなことをやる中で総合的に評価されるべきものなんだと思うんです。自民党でやっていた「直滑降ストリーム」、自民党の番組の中では圧倒的な視聴率だったんですが、アクセス数だけではなかなかわからないところもあるので、ただあそこ(県庁32階)にスタジオを作って、インターネットの番組を作るっていうよりは、これを拠点にして、群馬県にしかない新しいメディアミックスを作るっていう目的もあるので、そういう総合的な中から目標をちょっと紡ぎ出していきたいなと思っています。
 それから最上階に作るっていうのは、そこのスペースは本当にもったいないとずっと前から思っていて、やはりあそこに動画スタジオを作る、発信拠点を作るということによって、大勢の方々が来てくれるようにしたいと。別にインバウンド対策じゃないんですが、それでもあそこが発信の拠点だということで、あの32階、この間も申し上げたとおりトリップアドバイザーのいわゆるリピーター満足度でもすごく高いので、そこをもうちょっとうまく活用すればですね、本当にいい発信拠点になるんじゃないかと思っています。
 いずれにしろ、どうやって(効果を)測るのかはなかなか難しくて、例えば、動画スタジオに政府の主要な大臣とか毎月呼ぶとしますよね、その効果をどう測るかっていうのはなかなか難しいなと思ったり。
 しかし、閣僚が頻繁に(群馬)県に来るということはないので、そこから流れも変えたいと思いますし、そういう意味でも、あらゆる意味でいい発信拠点になると思っています。
 いずれにせよ、ちゃんとご批判とかいろんな指摘を踏まえて、これをどうやって克服していくかっていうのがね、すごく良いチャレンジだと思っています。
**********

■一太知事の記者会見のコメントを見る限り、「まずは入れ物を新たに作って、来年度からそこに中身を入れる。中身はあとのお楽しみ。“何か”が始まることに議会が指示してくれえたから嬉しい」ということのようです。

 それでは、少なくとも議会に対して、どのような補正予算案を執行部である知事部局は提示し説明したのでしょうか。


場所選定に係る情報公開請求書。

費用請求に係る情報公開請求書。

 9月20日に公文書開示請求をしていたところ、10月2日に県民センターから電話があり、開示日の打診がありましたが、多忙の為10月16日に開示を受けることにしました。

 当日開示されたのは次の資料です。

<総務部広報課テレビ広報係>
◆公文書部分開示決定通知書 ZIP ⇒ 201910172jmiqnlj.zip
・積算データ

・業者見積根拠







◆公文書不存在決定通知書 ZIP ⇒ 201910172jmiqnlj.zip
・発注仕様書
・議案書(県民センターの閲覧室で常時開示しているとの理由で)
・維持管理方法やそのコスト、アドバイザなど番組制作のための人件費の内訳、また、動画発信による広告収入の見通し(人件費などは補正予算ではカバーしいないとの理由で)

<総務部管財課県庁舎保全係>
◆公文書部分開示決定通知書(積算データ) ZIP ⇒ 201910171zf.zip
・群馬県庁32階スタジオ設置工事設計料算定・監理料算定

・県庁舎32階動画スタジオ設置工事改修工事

◆公文書部分開示決定通知書(場所選定) ZIP ⇒ 201910172i.zip
・動画スタジオ設置案

・動画スタジオ検討案


◆公文書非開示決定通知書 ZIP ⇒ 201910171zf.zip
・業者見積根拠

■ご覧いただいた通り、広報課が動画スタジオ用の機器材、管財課が動画スタジオ設置のための改修工事(設計・監理・設置)を見積もっています。

 そして、補正予算の妥当性の基礎となる積算データについては、すべて真っ黒になっています。

 県議会に提出された議案書では、機器材(税込み62,224,063円)と改修工事(設計・監理料税込み7,260,000円+設置コスト税込み47,355,000円=54,615,000円)の合計金額しか記されていないため、県議会としては、内訳の根拠を確かめないまま、可決してしまったことになります。

 しかも機器材については、「県庁用スタジオ配信・収録システム1/3~3/3」として想定機材の見積書が、どこか分からない業者から、「株式会社REDMusic」あてに提出されたものが、そのまま広報課に回されて、積算根拠とされてしまっています。複数社から見積もりをとらないまま、一太知事がアドバイザーとして就任を依頼した関係者の関与する企業が、おそらく懇意にしている納入業者からの見積もりをそのまま広報課に提出し、広報課はそれをもとに補正予算の根拠にしたことになります。
※参考URL:株式会社REDMusic URL ⇒
https://www.facebook.com/pg/%E6%A0%AA%E5%BC%8F%E4%BC%9A%E7%A4%BEREDMusic-186144144866815/about/
住所:東京都港区南青山2-2-15-839
代表取締役:宇佐美友章
取締役:丸山茂雄
監査役:阿部忠樹
設立日:2013/03/18
categories:音楽制作スタジオ · 音楽レッスン・楽器レッスン · イベントプランナー

 そのような1者見積もりによる積算では妥当性の根拠は担保できないはずです。

 当会では、黒塗りの開示情報については審査請求を、根拠のない1者見積もりによる補正予算案の決定については住民監査請求を視野にいれて検討したいと考えています。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

※参考情報「RDMusic」
**********上毛新聞2019年08月30日
民間アドバイザーと首席補佐官に3氏 山本知事が構想固める

ネット番組で菅官房長官と語り合う山本知事(左)=8/19日午後、高崎市(代表撮影)(8月20日付紙面より)

左から片貝和晶氏、森原誠氏、宇佐美友章氏
 群馬県の情報発信や政策立案の強化に向け、外部人材などの活用を検討していた山本一太知事は29日までに、民間人ら3人をアドバイザーや補佐官に据える構想を固めた。ネットメディア戦略アドバイザーに、番組制作などを手掛けるREDMusic(東京都)代表の宇佐美友章氏(55)、政策アドバイザーには民間シンクタンク「青山社中」(同)COO(最高執行責任者)の森原誠氏(39)を起用。知事を補佐する「首席補佐官」も新設し、県財政課次長の片貝和晶氏(48)を抜てきする。
◎民間アドバイザー起用で政策実現へ
 関係者によると、アドバイザー2人は非常勤とし、首席補佐官は現状の仕事と兼務する方向。山本知事は副知事2人の刷新と併せ、アドバイザーを月内に任命する意向を示していた。近く正式発表する。
 ネットメディア関連では既に知事直轄の「G―SNSチーム」が立ち上がり、広報課と秘書課の担当職員が会員制交流サイト(SNS)を活用した情報発信に力を入れている。動画スタジオを県庁32階展望ホールに整備する方針も打ち出しており、今後はより効果的な情報発信に向けた戦略づくりが欠かせない。
 山本知事は自身のネット番組「直滑降ストリーム」や、PR動画の制作などで以前から宇佐美氏と交流があり、長年の信頼関係を踏まえてアドバイザーへの就任を打診したとみられる。
 政策を巡り、山本知事は国内外の先進事例を研究する部署横断的な取り組みを進める方針を示しており、森原氏に関わってもらいながら「群馬モデル」となり得る施策を模索する。
 首席補佐官は知事と幹部らによる協議に立ち会い、知事をサポートする役割を担うとみられる。
 宇佐美氏はニコニコ動画の番組制作など音楽を軸にしたメディアプロデュースを手掛け、ネット技術コンサルティング企業「未来検索ブラジル」の企画部長も務めている。広島大中退。
 森原氏は総務省を経て企業に転職。ボストンコンサルティンググループのアソシエイト・ディレクターの肩書も持つ。東京大卒、米国UCLA法科大学院修了。
 片貝氏は1995年に県庁に入庁。企業局総務課財政係長、総務部財政課交付税係長などを歴任し、2018年4月から現職。筑波大大学院環境科学研究科修士課程修了。
**********


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2 コメント

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Unknown (りんごの県)
2019-10-20 22:55:37
高専機構に負けず劣らずののり弁ぶりに驚かされます。
山本一太知事は議員時代のメディアの露出から、いいイメージを持っていましたが、とんでもない輩だったのかもしれません。
こんなにお金をかけて知事の玩具にだけはしてほしくありません。
使用していないときは、県民に利用料を取って貸し出すなど工夫をしてほしいです。
返信する
Unknown (ひらく会情報部)
2019-10-21 11:38:42
>>「りんごの県」さんへ
 コメント欄へのメッセージありがとうございます。
 広告料などの見込みについても情報開示請求したのですが、役所は税金を使うことしか考えていないようです。使用効率についても、まったく見通しもなく、ただ箱モノをつくることしか眼中にありません。
 大澤正明・前知事が愛人を連れ込めるようにするために3千万円もの血税を投入した副知事公舎が、現在ペンペン草の生い茂る状況にあることから、一太知事のために1億円もの動画発信機器材・施設に1億2000万円を投じても、次の後継知事になれば無用の長物になるのは見え見えです。
 歴代の副知事には総務部長経験者が抜擢されてきたため、今回も総務部が新知事に忖度して、オーバースペックな提案を批判なく受け入れたことが一因です。
 貴提案も参考に、知事部局に計画の適正化を申し入れてまいります。
  市民オンブズマン群馬事務局より
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