市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

議事録残さずハワイに行こう・・・安中市の秘密体質を象徴する碓氷病院を巡る贈収賄事件が発覚

2013-10-22 22:40:00 | 困ったちゃん岡田義弘・元市政

■せっかく10月20日20時からのNHK大河ドラマ『八重の桜』の最後の「紀行」で、我らが安中が紹介されたのに、その翌日に、イメージを台無しにする事件が起きてしまいました。我らが安中市の本質を如実に示すこの事件を報じた本日のマスコミの報道ぶりを見てみましょう。

**********上毛新聞2013年10月22日
碓氷病院職員を逮捕 収賄容疑 機器選定でハワイ接待 県警
 安中市が運営する公立碓氷病院の医療機器選定をめぐりハワイ旅行の接待があったとして、県警捜査2課と高崎、安中両署は21日、収賄容疑で同病院臨床工学科長の田村秀樹容疑者(47)=安中市原市=を、贈賄容疑で前橋市の医療機器販売会社「ジーエムエス」社長、鈴木武吉容疑者(54)=伊勢崎市東町=を逮捕した。県警は同日、同病院や市役所など関係先数箇所を家宅捜索した。押収資料などを基に動機や便宜供与の実態解明を進める。
 田村容疑者の逮捕容疑は透析室看護師長だった2011年12月21日の入札で透析治療用の水処理装置と粉末自動溶解装置を購入する際、同社が販売代理店になっているメーカーの機器を指定するなど有利になるように便宜を図り、見返りとして12年2月、鈴木容疑者から3泊5日のハワイ旅行(約10万円相当)の接待を受けた疑い。
 県警は「捜査に影響が出る」として認否を明らかにしていない。2人とも旅行は認めているという。
 県警によると、入札参加業者の中で同社だけがこのメーカーの代理店だった。機器選定に強い発言力を持つ立場の田村容疑者がこのメーカーの機器を指定することで同社が有利になり、実質的な便宜供与に当たると判断した。
 職員の逮捕を受け、市と病院は同日、市役所で記者会見した。市と病院によると、入札は水処理装置が3社、溶解装置は5社が参加して行われ、同社が最低価格の895万円と385万円で落札した。ほかの入札価格はそれぞれ910~940万円、420万円~475万円だった。(以上は共同通信と同じ記事)
 田村容疑者は看護師と生命維持装置などを扱う臨床工学技士の資格を持ち、02年7月に透析室の看護師として採用された。10年4月に看護師長になり、ことし4月から機構改革に伴い役職名が現職に変わった。両方の資格を持つ職員は少なく、透析室の中核だった。
 機器購入は野際英司院長や田村容疑者ら16人でつくる購入検討委員会で各部局の要望をもとに協議し、野際院長が最終決定する。ただ、田村容疑者しか透析治療の機器を扱えない時期があったり、看護経験が豊富なことから「機器選定における発言力はあった」(野際院長)という。
■得意分野の強化狙う? 業界反応
 業界関係者によると、県内の医療機器販売市場での「ジーエムエス」の占有率は1%強だが、透析治療の関連機器(市場規模約9億円)に絞ると同社が3分の2を占めているという。関係者は「この業界は得手、不得手の分野がある会社が多い。(同社は)得意分野を強化する意図があったのかもしれない」と話す。
 透析治療の関連機器の製造元は大手メーカー3社で8割を占める。「各メーカーの代理店になれば、安く仕入れることができ、入札で落札価格を有利にできるケースは多い」という。
 民間信用調査会社などによると、同社は1991年設立。透析治療の関連機器販売を主力をしている。12年度は約12億5900万円を売り上げたが、約500万円の純損失だった。
■接待知らせる投書 関係先を家宅捜索
 職員の逮捕を受け、岡田義弘安中市長は21日に緊急記者会見を開き「ご心配とご迷惑をおかけし、おわびしたい」と陳謝した。同席した野際英司病院長は「(田村芳樹用紙者の)生活は派手ではなく、勤務状況も問題なかった」とした。
 碓氷病院によると、田村容疑者が海外旅行の接待を受けたという匿名の投書が2月にあった。本人に確かめると、鈴木武吉容疑者とは前の勤務先から付き合いがあることを認め「6年ほど前に一緒にグアム旅行をしたが代金は自分で払った」と話したという。
 同病院では午後5時15分ごろから約2時間半をかけて捜査員15人ほどが家宅捜索に入り、書類など約30点を押収。同僚の逮捕に職員らは同様を隠さなかった。田村容疑者の自宅や安中市役所、前橋市駒形町の「ジーエムエス」からも書類やパソコンなど証拠物が押収された。田村容疑者の自宅近くの70代男性は「まじめで親切という印象。逮捕されるとは」と驚いている。
 同社の男性関係者は「急なことで驚いた。実際に旅行したかは分からない」と戸惑っていた。社内では鈴木容疑者が強い発言権を持ち、官公庁関係の入札は主に自身で仕切っていたという。


**********読売新聞2013年10月22日
安中市職員、収賄容疑逮捕…碓氷病院の機器選定巡り

↑捜索を終え、押収した資料を運び出す捜査員(21日午後2時37分、前橋市駒形町の株式会社ジーエムエスで)
 安中市が運営する公立碓氷病院に導入する人工透析機器の選定に際し、業者に有利な取り計らいをした見返りにハワイ旅行の接待を受けたとして、県警捜査2課などは21日、同市原市、同市職員で同病院診療技術部臨床工学科長の田村秀樹容疑者(47)を収賄容疑で逮捕した。田村容疑者を接待したとして前橋市駒形町の医療機器販売会社「ジーエムエス」社長鈴木武吉容疑者(54)(伊勢崎市東町)を贈賄容疑で逮捕した。
 発表によると、田村容疑者は安中市が実施した人工透析機器の指名競争入札に関し、ジー社が代理店を務める医療機器メーカーの機種を指定した見返りに、2012年2月中旬頃、鈴木容疑者から3泊5日のハワイ旅行(代金約10万円分)の接待を受けた疑い。鈴木容疑者は田村容疑者と2人で旅行し、接待した疑い。
 調べに対し2人は、旅行をした事実を認めているが、県警は容疑の認否を明らかにしていない
 入札は11年12月21日に2件実施され、それぞれ3社と5社が参加。いずれもジー社が落札し、同26日にそれぞれ約900万円と約400万円で契約を結んだ。
 県警は、入札参加業者の中に田村容疑者が選定したメーカーの代理店がジー社しかなく、同社に有利に働いていたとみている。
 田村容疑者は02年7月に同病院に採用され、10年4月1日~今年3月31日、同病院看護部透析室看護師長を務め、導入機器の選定に発言権があった。捜査関係者によると、2人は田村容疑者が以前に勤務していた民間病院で、先輩と後輩の関係だったという。
 安中市の岡田義弘市長は21日記者会見し、「市民にご心配とご迷惑をおかけして申し訳ない。病院の意見も聞きながら抜本的な見直しをしたい」と謝罪した。


**********NHK2013年10月21日 17時57分
海外旅行接待 収賄容疑で看護師逮捕

田村科長 その見返りに訳0万円のハワイ旅行の設定受けた収賄の疑い。
群馬県安中市にある公立碓氷病院で、人工透析室の責任者を務める47歳の看護師が、透析用の機器の入札を巡って便宜を図った見返りに医療機器販売会社から海外旅行の接待を受けたとして、販売会社の社長と共に贈収賄の疑いで逮捕されました。
逮捕されたのは、収賄側が、安中市が運営する「公立碓氷病院」の臨床工学科長で、看護師の田村秀樹容疑者(47)で、贈賄側が前橋市の医療機器販売会社「ジーエムエス」の社長、鈴木武吉容疑者(54)です。
警察によりますと、田村科長はおととし12月、およそ1300万円になる人工透析用の医療機器2点の入札を巡って、「ジーエムエス」が代理店契約を結ぶメーカーの機器を指定し、その見返りに費用およそ10万円のハワイ旅行の接待を受けたとして収賄の疑いが持たれています。
警察は、21日病院や安中市役所などを捜索するなどして、捜査を進めることにしています。
察は、2人の認否を明らかにしていませんが、これまでの調べによりますと、2人は、田村科長がかつて民間病院にいた時に知り合い、ハワイ旅行には2人で行ったということです。
公立碓氷病院は、病床数およそ200床の病院で、田村科長は3年前から透析室の看護師長など医療機器の選定に関わる立場だったということで、警察が詳しいいきさつを調べています。
■医療機器選定検討の議事録作成せず
碓氷病院の職員が逮捕されたことを受けて、病院を運営する安中市の岡田義弘市長が記者会見し、「市民の皆様にご心配とご迷惑をかけたことをおわびします」と謝罪しました。
市によりますと、碓氷病院では、医療機器を選定する場合、病院幹部による検討委員会が開かれ、田村科長も参加していましたが、議事録を作成しておらず、具体的な発言内容は分からないということです。
碓氷病院の野際英司院長は記者会見で「医療機器の購入は、専門性が高いために、できるだけ現場に任せていた。今後は議事録の作成も含めて、選定手続きの透明化を進めたい」と話しました。

**********朝日新聞デジタル2013年10月21日17時28分
医療機器選定めぐりハワイ旅行接待 贈収賄容疑2人逮捕
医療機器選定の便宜を図った見返りに業者から海外旅行の接待を受けたとして、群馬県警は21日、同県安中市、公立碓氷病院臨床工学科長田村秀樹容疑者(47)を収賄の疑いで、同県伊勢崎市、医療機器販売会社社長鈴木武吉容疑者(54)を贈賄の疑いで逮捕し、発表した。県警は認否を明らかにしていない
 捜査2課などによると、2011年12月にあった同病院の透析用医療機器購入の入札をめぐって、田村容疑者は、鈴木容疑者の会社が代理店を務めるメーカーの機器を選定して便宜を図り、見返りとして12年2月にハワイ旅行(代金約10万円相当)の接待を受けた疑いがある。田村容疑者は当時、透析室看護師長で機器選定に発言権があったという。

**********朝日新聞2013年10月22日
医療機器選定巡り収賄容疑 碓氷病院科長を逮捕
医療機器選定の便宜を図った見返りに業者から海外旅行の接待を受けたとして、群馬県警は21日、同県安中市、公立碓氷病院臨床工学科長田村秀樹容疑者(47)を収賄の疑いで、同県伊勢崎市、医療機器販売会社社長鈴木武吉容疑者(54)を贈賄の疑いで逮捕し、発表した。県警は認否を明らかにしていない。
■業者 ハワイ旅行の接待容疑
 捜査2課と高崎、安中両署によると、2011年12月にあった同病院の透析用医療機器購入の入札に際し、田村容疑者がジーエムエスが代理店を務めるメーカーの機器を選定して落札できるように便宜を図り、謝礼として12年2月、3泊5日のハワイ旅行(代金約10万円相当)の接待を受けた疑いがある。調べに対し、2人で旅行をしたことは認めているという。
 病院側が納品機種を指定したうえで、市が指名業者による競争入札を実施した。田村容疑者は当時、透析室看護師長で機器選定に発言権があったという。機器2台で、契約額は計1300万円だったという。
 県警は同日、ジーエムエス、碓氷病院、安中市役所などを家宅捜索し、押収物を運び出した。
■機種選定 現場任せ 院長
 碓氷病院の野際英司院長は記者会見し、透析用の医療機器購入で、田村容疑者の機種の提案がそのまま通っていたと明らかにした。
 同病院では、各科が次年度に購入を希望する医療機器の見積もりを出し、院内の検討委員会で購入の可否を決めていた。田村容疑者は委員の1人で、今年4月に臨床工学科長に昇格。透析機器や人工透析器をメンテナンスできる臨床工学技士の資格も持っていた。
 安中市の記録によると、ジーエムエスは、田村容疑者が看護師長だった透析室の医療機器を複数回、落札していた。透析用監視装置(591万円)や逆浸透法精製水製造装置(895万円)、多人数用重炭酸透析液供給装置(628万円)、電動ベッド(706万円)などだ。
 病院関係者によると、田村容疑者は検討委に購入の可否を諮る段階で、同社に見積もりを作らせていたという。納入業者は複数の指名業者による入札で決まるが、有利に働いた可能性がある。
 野際院長は「(田村容疑者は)看護師と機械の両方の資格と知識があり、信頼していた。機種選定は使い勝手もあり、現場に任せていた」と述べた。また、検討委の議事録に購入の是非などの結果しか書かれず、委員の発言が残っていなかったため、今後は議事録を残すなど機器の選定過程を透明化するとした。
 記者会見に同席した岡田義弘・安中市長は「市民にご心配をかけおわび申し上げる」と謝罪し、「全庁的に再発防止策を研究、検討する」と話した。
     (井上怜、遠藤雄二)


**********産経新聞2013.10.21 16:55
ハワイ旅行接待、収賄容疑で病院職員逮捕 群馬
 医療機器選定をめぐりハワイ旅行の接待があったとして、群馬県警は21日、収賄の疑いで同県安中市の公立碓氷病院臨床工学科長、田村秀樹容疑者(47)=安中市原市=を、贈賄の疑いで前橋市の医療機器販売「ジーエムエス」社長、鈴木武吉容疑者(54)=同県伊勢崎市東町=を逮捕した。
 逮捕容疑は昨年2月ごろ、同社が扱う医療機器メーカーの機種を田村容疑者が選定するなど便宜を図った見返りに、3泊5日のハワイ旅行(10万円相当)の接待を受けたとしている。県警は認否を明らかにしていない。
 県警によると、田村容疑者は平成22年4月以降、同病院の透析治療の医療機器を選定できる立場にあった。鈴木容疑者は23年12月の入札で、医療機器2点(1300万円相当)を落札した。

**********産経新聞2013年10月22日
機器選定で収賄 容疑の職員逮捕 見返りにハワイ旅行 安中の公立碓氷病院
 医療機器の入札に関わるメーカーの選定で有利な取り計らいを行い、ハワイ旅行の接待を受けたとして、県警捜査2課などは21日、収賄の疑いで、安中市原市、公立碓氷病院臨床工学科長、田村秀樹容疑者(47)を、贈賄の疑いで、前橋市の医療機器販売「ジーエムエス」社長、鈴木武吉容疑者(54)を逮捕した。県警は認否を明らかにしていない。
 逮捕容疑は昨年2月ごろ、同社が扱う医療機器メーカーの機種を田村容疑者が選定するなど便宜を図った見返りに、3泊5日のハワイ旅行(飛行機代、宿泊費など計10万円相当)の接待を受けた疑い。
 同課によると、田村容疑者は平成22年4月以降、透析室看護師長として、透析治療の医療機器を選定できる立場にあった。医療機器2点を導入する氏名競争入札で、田村容疑者は入札に参加した計3社のうち、「ジーエムエス」だけが代理店契約を結んでいる医療機器メーカーの製品を選定し、「ジーエムエス」に有利な取り計らいを行った。入札は23年12月21日に行われ、「ジーエムエス」が医療機器2点(約1300万円相当)を落札した。
■唯一の資格者、発言力 岡田市長、野際院長ら謝罪
 田村容疑者逮捕を受け、安中市の岡田義弘市長、公立碓氷病院の野際英司院長らは同日午後、記者会見し「具体的な内容はわからないが、職員逮捕という事態におわび申し上げる」と謝罪した。
 同病院によると、田村容疑者は平成14年7月に透析室の看護師として採用された。22年4月には同室看護師長、25年4月には臨床工学科長に昇進。同院では6年前まで透析関係機器のメンテナンスなどを行う臨床工学士の資格は田村容疑者しか持っておらず、機器選定に当たって発言力があったという。野際院長は「看護師も臨床工学士もできるのは容疑者だけでありがたい人材だった。勤務態度も何の問題もなかった」と話した。
 同病院では医療機器の購入について医院長をはじめ16人で構成する購入検討委員会で具体的な機器名を挙げ次年度の予算化の可否を議論。その後、機器メーカーなどの決定は院長が行うが、各診療科からの要望が通ることも多いという。
 同市によると、平成22~24年度で同病院では16回の指名競争入札が行われ、ジーエムエスは14回応札、6回落札している。
 今後の対応について岡田市長は「再発防止作を全庁的に検討する」と話した。


**********毎日新聞2013年10月22日
碓氷病院 業者から海外旅行接待
医療機器の選定で便宜 収賄容疑で職員逮捕
 医療用機器の選定で便宜を図り、海外旅行の接待を受けたとして県警捜査2課などは21日、安中市原市、公立碓氷病院臨床工学科長、田村秀樹容疑者(47)を収賄容疑で、伊勢崎市東町、医療用機器販売会社「ジーエムエス」社長、鈴木武吉容疑者(54)を贈賄容疑で逮捕した。両容疑者は「海外旅行に行ったことは間違いない」と供述しているというが、県警は認否について明らかにしていない。 【田ノ上達也】
 田村容疑者の逮捕容疑は、2011年12月にあった人工透析用医療機器の入札で、同社が代理店として扱っていたメーカーの機種を選定するなど便宜を図った見返りとして12年2月中旬ごろ、鈴木容疑者から3泊5日のハワイ旅行(約10万円相当)の接待をうけたなどとしている。
 同課によると、田村容疑者は10年4月から今年3月にかけ、同病院の透析看護師長を努めており、同室で使用する医療用機器を選定できる立場にあったという。入札は指名競争入札で複数の社が参加、人工透析用水処理装置など2点(計約1300万円相当)の売買契約を結んだという。
 県警は21日、同病院や安中市など県内数カ所を家宅捜索した。
■検討委、機能せず 部署の意向そのまま採用 機器購入
 公立碓氷病院職員の逮捕を受け21日、同病院を設置する安中市の岡田義弘市長、野際英司院長らが市役所で記者会見した。同病院の機器購入に関しては、担当部署の意向がそのまま通る実態が明らかになった。
 岡田市長は冒頭、市民に心配と迷惑をかけたことをおわびしたい」と陳謝した。
 病院によると、田村容疑者は2002年7月に看護師として採用。国家資格の臨床工学技士の資格を持ち、人工透析の経験を持つことから透析室に配属された。07年に同室主任看護師、09年には同室看護師長補佐、10年からは同室看護師長を努め、今年4月に臨床工学科長に就任。人工透析関係の機器のメンテナンスなどを担当してきたという。
 同病院の機器などの購入に関しては、新年度予算編成前に各部署の所属長による検討委員会で決定するシステムになっており、田村容疑者もメンバーの一人だったという。
 同委員会での決定は次年度の予算付けのために購入する機器の大枠を決めるだけ。記録も採否だけで、委員の発言内容など審議の経過を示すものは残されていないという。最終的な購入機種やメーカーなどは院長が決裁する仕組みにはなってたが、各部署から上がってきたものがそのまま採用され、市の入札にかけられていたという。
 野際院長は再発防止に向けて「機器購入の決定過程を議事録に残すなど透明化を徹底していきたい。1人の判断で決まるようなことがないようにしていきたい」と語った。
     【増田勝彦】


**********時事通信 10月21日(月)13時37分配信
公立病院科長ら逮捕=透析機器選定で贈収賄容疑―群馬県警
 人工透析で使う機器の選定をめぐり海外旅行の接待を受けたとして、群馬県警捜査第2課などは21日、収賄容疑で同県安中市が運営する公立碓氷病院臨床工学科長田村秀樹容疑者(47)=同市原市=を、贈賄容疑で医療機器販売会社「ジーエムエス」社長鈴木武吉容疑者(54)=同県伊勢崎市東町=を逮捕した。認否は明らかにしていない。 

**********共同通信更新日時:2013年10月22日(火) AM 07:00
碓氷病院職員を逮捕 機器選定でハワイ接待

押収品を運び出す捜査員ら=21日午後7時45分ごろ
 安中市が運営する公立碓氷病院の医療機器選定をめぐりハワイ旅行の接待があったとして、県警捜査2課と高崎、安中両署は21日、収賄容疑で同病院臨床工学科長の田村秀樹容疑者(47)=安中市原市=を、贈賄容疑で前橋市の医療機器販売会社「ジーエムエス」社長、鈴木武吉容疑者(54)=伊勢崎市東町=を逮捕した。県警は同日、同病院や市役所など関係先数カ所を家宅捜索した。押収資料などを基に動機や便宜供与の実態解明を進める。
 田村容疑者の逮捕容疑は透析室看護師長だった2011年12月21日の入札で透析治療用の水処理装置と粉末自動溶解装置を購入する際、同社が販売代理店になっているメーカーの機器を指定するなど有利になるように便宜を図り、見返りとして12年2月、鈴木容疑者から3泊5日のハワイ旅行(約10万円相当)の接待を受けた疑い。
 県警は「捜査に影響が出る」として認否を明らかにしていない。2人とも旅行は認めているという。
 県警によると、入札参加業者の中で同社だけがこのメーカーの代理店だった。機器選定に強い発言力を持つ立場の田村容疑者がこのメーカーの機器を指定することで同社が有利になり、実質的な便宜供与に当たると判断した。
 職員の逮捕を受け、市と病院は同日、市役所で記者会見した。市と病院によると、入札は水処理装置が3社、溶解装置は5社が参加して行われ、同社が最低価格の895万円と385万円で落札した。ほかの入札価格はそれぞれ910~940万円、420万円~475万円だった


**********東京新聞2013年10月22日
碓氷病院科長逮捕
チェック態勢なし 病院側「ありがたい存在」
 医療機器の選定に絡み、業者からハワイ旅行の接待を受けた贈収賄の疑いで、安中市営の公立碓氷病院の臨床工学科長田村秀樹容疑者(四七)らが二十一日、逮捕された事件。病院は医療機器の専門職である田村容疑者を「非常にありがたい存在」とする一方、機器購入では事実上、田村容疑者の要望をチェックする態勢がなかったと認めた。県警は病院や市役所など関係先を捜索した。 (伊藤弘喜、菅原洋、樋口聡)
■田村容疑者「自分の分は払った」
 県警は田村容疑者らの認否を明らかにしていないが、関係者によると、田村容疑者は周囲に「自分の分は払った」と話していたという。
 岡田義弘市長、野際英司院長らは同日午後、緊急記者会見。岡田市長は「市民に心配、迷惑を掛けおわびします」と謝罪した。
 会見によると、田村容疑者は二〇〇二年七月、看護師として採用された。人工透析機器や人工呼吸器の保守点検をする臨床工学技士でもあり、透析液の調整が必要な難易度の高い施術にも対応できたという。
 医療機器購入の予算付けをする検討委員会委員になり、一〇年四月、課長職の透析室看護師長に昇任。今年四月に臨床工学科長になった。
 県警によると田村容疑者は検討委で、以前の勤務先の同僚で医療機器販売「ジーエムエス」社長の鈴木武吉容疑者(五四)が扱う医療機器メーカーの機種の購入を提案したという。
 検討委は院長や各部署長ら十六人。各課の要望を受けて予算付けし、院長が決裁。内容を詳細に確認することはなく、「信頼するしかない」(野際院長)という。
 再発防止策について野際院長は「普段から現場で意見を聴き、人物を見て気付くしかない」とした。
 市によると、病院の医療機器で一〇~一二年度に発注した指名競争入札十六件のうち、ジー社は十三件で入札し、六件を落札した。
■贈賄疑惑会社を捜索 赤字続きで販売に注力
 前橋市駒形町のジー社には午前十時すぎ、捜査員十数人が捜索に入った。捜索は四時間以上にわたり、捜査員らは十数個の段ボール箱を次々に捜査車両ヘ詰め込んだ。主に鈴木容疑者の社長室からパソコンや関係書類を押収したとみられる。
 関係者によると、鈴木容疑者は人当たりは良いが、個人的な話はしなかった。田村容疑者とはかつての同僚で、公立碓氷病院との取引は容疑となった取引を含めて鈴木容疑者が直接一手に仕切っていたという。
 関係者は「社長(鈴木容疑者)はワンマン経営と聞く。ノルマはなかったが、営業マンには売り上げを伸ばすように指示していたらしい」と漏らした。
 信用調査会社によると、ジー社はここ数年、数百万円から数千万円の赤字が続いた。
 一方、売上高は二〇一三年三月期に約十二億六千万円と四年連続で伸ばし、県内の大手病院などとの取引で苦しい経営から脱却しようと力を入れていた。
 業界関係者は同社について「業界団体に未加盟の新興企業。経営が厳しいという見方もあった」と指摘した。

**********

■これらのマスコミ報道から次の疑念が浮き彫りにされてきます。

(1) 接待を知らせる匿名投書が今年2月に碓氷病院にあってから実に8ヶ月が経過していること。この間、どのように警察に相談したのかという経緯が重要なのに、記事からは何も分からない。

(2) 容疑者について、院長や近所のひとは「まじめで親切で勤務状況も問題ない」という評価のようだが、匿名の手紙で告発のあった約1年前の今年2月の3泊5日のハワイ旅行には、どのような理由で休暇をとっていたのだろうか。

(3) 機器購入の際に、通常は同等の性能を有する機器を複数想定して、性能など仕様面を規定して入札にかけるのが常識だと思われるが、なぜ特定の型式の製品を指定して、入札を行ったのだろうか。報道では「ジーエムエス」社だけがメーカーの代理店だったというが、それなら初めから随意契約と同じである。なぜ、そのことを知りながら他の2社が応札し、しかも受注する意欲のみられない高値で札をいれたのか、疑問である。

(4) 容疑者は2人とも旅行したことは認めているというのに、警察が捜査への影響を鑑みて、認否を明らかにしていない背景には、いろいろなことが考えられるが、やはり「共犯者がいる可能性」が最大の理由ではないのだろうか。安中市の入札の談合体質からすれば、警察としてこの線で引続き実態解明をする必要を感じているのかもしれない。であれば、大いにエールを送りたい。

(5) 機器購入は野際院長ら16名でつくる購入検討委員会で各部局の要望をもとに協議し、院長が最終決定すると報じられています。安中市の場合、かならず職員が保身のためにメモを取っているはずですが、このような不祥事が発生すると、必ずといってよいほど、「議事録やメモは作成していなかった」と釈明するのです。今回も院長自ら記者会見で「議事録を作成しておらず、具体的な発言内容は分からない。医療機器の購入は、専門性が高いために、できるだけ現場に任せていた。今後は議事録の作成も含めて、選定手続きの透明化を進めたい」などと話していることから、選定の過程を公表すると都合の悪いことがあるのかもしれない。

(6) このように安中市では、特定の職員が長期配置される理由として、「○○しかその仕事をこなせない」とか「××は経験豊富だから」とか「□□は勤務態度がまじめだから」というわけの分からない理由がまかり通る。これは18年前の巨額横領事件の際に、タゴに対して寄せられた言葉と共通している。タゴ事件では警察の捜査が途中で幕引きとなったが、今回はどこまで確信に迫れるだろうか。

(7) 2011年(平成23年)12月21日に透析治療用の水処理装置と溶解装置の入札が安中市によって執行されたとあるが、安中市のホームページを見ても、当該日の入札実施は見当たらない。機器や装置類の入札情報は、公共事業ではないという理由で、安中市は、このような措置をしているのだろうか。

■当会としても、住民サイド、納税者、あるいは碓氷病院の利用者として、今回の事件を重く受け止め、次の点について情報開示請求を検討していきたいと考えております。

①今回の贈収賄の温床となった機器や装置の仕様とメーカー及び競合品と競合メーカーの情報。

②容疑者がハワイ旅行をした時期と休暇取得の状況がわかる勤怠簿

③今回の摘発の発端となった匿名の手紙の内容

④2011年12月21日に執行された入札に係る調書及び起案・回議等の関連公文書

【ひらく会情報部】

※参考情報
「八重の桜」紀行No.42
http://www9.nhk.or.jp/taiga/kikou/yaenosakura/map42.html
群馬県安中市
二〇一三年十月二十日放送
<街>
1882(明治15)年に、新島襄と八重が訪れた安中。ここは襄の父と母が暮らした町でした。
 アメリカから帰国した襄は、安中の家族が暮らす家へ帰ってきました。襄が安中で最初にキリスト教の説教をした龍昌寺では、多くの僧侶が新しい宗教の教えに耳を傾けたといいます。それから4年後、私設図書館・便覧舎(べんらんしゃ)のなかで30人が襄から洗礼を受け、今の安中教会を設立しました。
 この安中教会には八重も何度か足を運んでいます。襄の没後30年を記念して建てられた「新島襄記念会堂」を訪れた際には、襄の生き方や思い出を生き生きと話して聞かせたといいます。安中は、襄と八重にとって特別な町だったのです。
<新島家旧宅>
JR「安中」より
バス「安中消防署前」下車、徒歩5分
※日・祝日は運休








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遥かなるジブチへの途(その5)

2013-10-21 23:23:00 | 国内外からのトピックス
■数年前までは、全く注目されなかったジブチ国ですが、隣国のソマリアで1991年以降中央政府が存在しなくなり、治安が不安定となったため、ソマリランドとプントランドが面するアデン湾に海賊行為が起きるようになりました。その背景には、無政府状態になったため、外国から密漁船が入ったり、産業廃棄物を運んできて投棄したりして、豊かな漁場が荒らされたため、漁民が自衛のために武装したのが発端だとも言われています。

10月6日給油の為ジブチ港に戻った我が国の護衛艦2隻。
 その後、2005年からアデン湾の海賊の出没回数が急増したため、2008年に国連で海賊対策が決議され、日本を含め、世界各国から海賊対策支援のための艦船の派遣が行われ、現在でも続いています。

中央左が英国海軍のベイ型補助揚陸艦「ライムベイ」。10月14日撮影。ちなみに、この1週間前には中国海軍の揚陸艦「井岡山」がジブチに寄港していた。↑

■以前は日本にとって全くなじみの薄かったジブチですが、その地理的位置は非常に重要です。ジブチの面積は日本の四国くらいの面積で、人口も約80万人程度です。

 しかし、紅海の入口という海運の要衝にあり、ジブチの沖合には年間2万隻の外航船が往来しています。フランスがここをいち早く拠点にしたのもそのためでした。

 日本との関係でいえば、1986年に南イエメン(当時)の内乱により38名の在留邦人がジブチに無事逃げ延びました。更に1994年5月、イエメン内戦により在留邦人と邦人旅行者計75名が急遽対岸のジブチに逃れて、ジブチ経由で帰国したこともあります。

 こうして、日本人をあたたかく保護してくれたジブチに対して、我が国が感謝の意を伝える為に、1995年中学校を日本の資金で建てました。ジブチ政府の教育大臣が来日して「日本の近代化はわが国の手本だ。ぜひ校名に日本の教育者の名をいただきたい」と大臣自らが諭吉の名を挙げ、FUKUZAWAと名付けられたその中学校では、現在3,000名を超える生徒が学び、ジブチ国内有数の優良校として知られています。

 ほかにも、当会取材班が報じたように、2009年10月にはジブチと対岸のオボック及びタジュラを結ぶフェリーが日本政府の資金で建造されました。現在も大勢の住民の大切な足として利用されていることを確認できました。

10月12日、タジュラ港で、日本が供与したフェリーから降りてくる人々。犠牲祭が目前なのでとりわけ賑やかだ。

タジュラ港で、ジブチ行きフェリーに乗り込む人や車。バックで乗り込む車の荷台には犠牲祭で生贄となる羊たちが・・・。

10月13日にオボック港に着いたフェリー。

■このようにジブチと日本との友好関係は着実に続いているのですが、それに割り込むかのように、この2、3年のうちに、ご他聞に漏れずここジブチでも中国の進出が著しいことが分かります。

 2009年当時でも、中国はサッカー場や政府庁舎の建設などを初めていましたが、今回の取材で、その影響範囲は実に広範囲にわたることが判明しました。

 とりわけ、中国は港湾開発に関心を持っています。ジブチの首都には大きな港があり、後背地の内陸国エチオピアなどの玄関港として大量のコンテナ貨物を捌いています。以前はジブチ政府がドバイの資本に港の運営を委託していました。ところが最近になって、中国資本が24%の株式を取得し、ドバイ資本は10%に減ってしまいました。

 もちろんジブチ政府が66%を保有していますが、中国は、ジブチ港に西側にあるドラレ新港のコンテナターミナルを拡張したり、あらたな港湾施設を建設したりする計画や、ソマリアとの国境に近い場所に、ラクダや羊をサウジアラビアなどに輸出するための新港を建設する計画を既に表明しています。また、ジブチ市内ではジブチ政府の外務省職員の研修施設と銘打って、建物を建てています。

ソマリヤ国境近くにある家畜検疫所の沖合に建設予定の家畜出荷を含む多目的港の建設計画を中国が推進中。

中国が建設中の外務省職員研修所。

 さらに驚いたのは、ジブチ北部のイエメン国境に近い土漠に、中国が一大リゾート地を作るというプランが取りざたされていることです。ここは、紅海の入口でもっとも幅が狭く、そこを年間2万隻もの船舶が通過するシーレーンです。

オボックからコールアンガルの自宅まで便乗した女児。

久しぶりに戻る自宅と母親を目がけて嬉しくて思わず駆け出す女児。

コールアンガルの町?というか集落から北にラシアン岬の山が見える。中国はこの付近にリゾート建設を計画中。この辺はエリトリアとの国境に近くオマーン軍などが中立の立場で駐屯しており、一般人は立入り禁止なのだが・・・。

 この喉元に、一大リゾート地を作るというのですから中国の魂胆はみえみえです。

■中国は、インド洋でも、スリランカやモルディブで港湾建設を無償で請け負う計画を政府に提示し、既にスリランカのハンバントゥータでは港湾建設に着手しています。これも、インド洋のシーレーンへの影響行使が目的で、有事の際は中国艦隊を停泊させるための布石だと見られます。

 インド洋の覇権を確保したい中国は、天敵のインドと中の悪いパキスタンに擦りより、パキスタン西部のイランよりのバルチスタン州沿岸の港湾都市のグワーダルで現在行われている大規模な港湾の建設を支援しています。これも建前はパキスタン海軍の基地としても使用できるということですが、有事の場合には、中国海軍が寄港しても、パキスタンは拒否できないことになるでしょう。

 現在、日本の自衛隊関係者ら500名余りをはじめ、海賊取締りのための海上保安庁関係者や、協力隊員など600名以上の日本人がジブチに滞在しているものと見られます。街中のレストランでは、自衛隊員の労作である日本語のメニューを備えた店が沢山ありますが、それ以上に中国の影響力はジブチにも浸透しつつあります。

ビバリーカフェの日本語メニューも成果品のひとつ。

 尖閣諸島問題で、中国の本質を思い知らされた我々は、こうした中国の世界的な長期戦略についてもっともっと関心を抱くべきでは無いでしょうか。

高層?ビルが建ち始めているジブチ市街。

【ひらく会情報部・ジブチ取材班・この項終わり】

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遥かなるジブチへの途(その4)

2013-10-20 23:48:00 | 国内外からのトピックス
■旧宗主国により、その国の料理のレベルが大きく左右されるというのは、定説です。フランス領だったジブチにおいても、ご他聞にもれず、料理のレシピの質は高いと言えます。

イスラム圏では10月14~15日は犠牲祭で、ジブチの場合、14日は日中断食をして、15日は羊やヤギなど家畜を生贄として貧者に供出し、その残りを家族、親族で分ち合う。そのため、羊らにとっては受難の日だ。

 とはいえ、食料を確保するにも降雨量が少ないことから、栽培農業の実施は難かしく、食料の殆どはエチオピアを始め外国からの輸入や無償供与に頼っており、食糧自給率はわずか3%だと言われています。

 だから食料の価格は総じて高く、一部自給できるのは、羊やヤギ、牛、ラクダなど家畜の肉と、海で獲れる魚介類くらいです。


■ジブチ市内から空港に向かう道路沿いに、フランス資本のスーパーマーケット「カジノ」ハラムス店(Casino Supermarche Haramous、Route de la Siesta, BP 105 Djibouti, Tel:(253)21 32 72 60)がオープンしました。ジブチ市街の中心部にも昔から本店がありましたが、2011年11月にオープンしたというこの郊外店は、巨大な売り場面積を誇り、品揃えも豊富です。

ギャンブル場ではなくスーパーマーケットです。

 フランスに長く在住した経験がある人も、「まるでパリにいるようだ」と感想を述べています。フランスの著名なワインや加工品、嗜好品がほとんど揃っているからです。


 ただし殆どが輸入品なので、品質はもとより、価格もそれなりにレベルで、一回買い物をするたびに6000ジブチフラン(3600円)程度はいつのまにか超えてしまいます。


■というわけで、やはり同じ金額を食べ物に支払うのであれば、おいしいレストランを探すほうが効率がよいかもしれません。

 今回の取材でお世話になったレストランを幾つか紹介します。

 ジブチ人がご馳走を食べようとする場合に好んで食べるのがヤギ料理。フランスの有名な競馬場の名前を冠したこの「Le Longchamp」は、ジブチ市内の高級住宅エリアのヘロン地区の一角にありますが、朝から夜中まで毎日営業しています。


ヤギ肉のランチは絶品。

 余談ですが、ちょうどジブチ滞在中の10月6日に、本場のフランスのパリにあるロンシャン競馬場では、欧州競馬の最高峰の凱旋門賞で今年こそ日本馬の初制覇なるかと注目を集めたレースが行われていました。日本人も大勢観戦して声援を送りましたが、残念ながら日本から参戦したオルフェーヴル(牡5歳)は2年連続の2着、今年の日本ダービー馬のキズナ(牡3歳)は4着に終わりました。


■次に紹介するのはイエメン料理レストラン「ジャナティン」(Janateyn, Restaurant Yemenite, Route de l'Aeroport, Djibouti, Tel:350 323)。食べたい魚を冷凍ケースで選んでもらい、それをイエメン人の料理人が解凍し、開きにして炭でこんがり焼いて、さらに乗せてテーブルに運んでくれます。最初にサラダが出てきて、薄めのナンのようなパンをちぎって、味のついたトマトピューレに浸して食べているうちに、メインの焼き魚が多さに乗って豪快に供されます。

選んだ魚。

前菜。

ナンのような薄焼きパン。右手のトマトピューレに浸して食べる。右下はグリーンチリのピリ辛ソース。

大皿も隠れそうなサイズだ。

 これをナイフとホークで切り分けて、グリーンチリをまぶして食しますが、食べ終わった後は、2日間くらいは魚を食べたいと思わなくなるほど、ボリュームたっぷりです。

食後のデザートがまた凄い。バナナやデーツやクレープチョコからなるイエメンフウスイーツ。

 たっぷりジブチの海の幸を堪能して一人当たり2500円程度でした。

■地方では、タジュラ湾を挟んでジブチ市の対岸にあるオボックにある「紅海」ホテルでの夕食は海鮮料理を試して見ました。6000ジブチフラン(3600円)の食事は、前座が貝料理で、メインがロブスター(イセエビ)でした。

最初の料理はハマグリ?にしては中身が小さい。

メインディッシュ。

 それまで会話がはずんでいた取材班一同は、途端に無言になり、手のほうが忙しく動いたのは言うまでもありません。

デザートはチョコレートクレープ。

翌朝、野鳥も朝食にやってくる。全く人を怖がらない。

ホテル従業員も朝食タイム。

 紅海にのぼる朝日は、また格別な風情でした。

紅海ホテル(Hotel Mer Rouge)のバンガロー。電気は一応あるが、エアコン、テレビなし。携帯も通じない。シャワー水は頼まないと出てこない。蚊帳を吊って寝る。これで1泊1万ジブチフラン(約6千円)。

【ひらく会情報部・ジブチ取材班・この項続く】

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遥かなるジブチへの途(その3)

2013-10-19 23:33:00 | 国内外からのトピックス
■ジブチ市内の交通信号の整備のおかげで、車が爆発的に増えた割には、渋滞はさほどひどくはありません。一方、道路のほうも、以前は主要道路でさえもデコボコ道だったのが、綺麗に舗装されるようになりました。

EUの資金で作られたエチオピア街道の山岳道路。前回訪問時はまだ工事中だった。


EUの援助を示す看板。

 ジブチ市内の幹線道路はもとより、エチオピアに繋がる大動脈の国道(といっても片側1車線ですが)や、タジュラからオボックの間の道路は、見違えるほどよくなりました。

 ところがせっかく整備された道路も弱点があります。排水設備がまったくないからです。道路の作り方も日本の道路のように、路肩に側溝はなく、道路の横断面の形状も、日本であればセンターラインを両端より少し高くして水が左右に分かれて排水させるという設計をしますが、ここではそういう構造にはなっていません。

 季節がホッターとホッテストの二つしかないと言われる高温で乾燥した厳しい気候のジブチでも、年間降雨量はゼロではなく、数回程度雨が降り、トータルで平均150~180mm前後あります。
 ジブチの月別平均降水量(http://www.klimadiagramme.de/Afrika/djiboutis.html
     1月  8mm
     2月  38mm
     3月  17mm
     4月  25mm
     5月  15mm
     6月  0mm
     7月  6mm
     8月  6mm
     9月  2mm
    10月  25mm
     11月  29mm
     12月  15mm

10月6日午前11時半にジブチ市内に雨が降った。この時、北部のタジュラやオボックにも大雨が降り、後述のワジの氾濫となった。

 そのため、各地で見られる河川は、降雨の後だけ水が流れる、いわゆるワジと呼ばれる涸れ川です。

手前が道路。上流に雨が降ると普段は干からびた川にこのように大量の水が流れてくる。

すると、道路傍は俄かに水遊び場になる。

 この僅かながらの降水量により、ジブチでは完全な砂漠、あるいは土漠ではなく、灌木がところどころに生えていますが、ワジのところは比較的緑の数が多く見えます。これは、降雨が地下に浸透し、地下水脈を形成しているため、水分を求めて灌木が集まっているためです。

暑いのでラクダも潅木の木陰に集まる。

■この貴重な降雨を貯水しておいて、それを灌漑や家畜用の飲み水として利用できればよいのですが、ジブチにはそのような資金がありません。山には緑が殆どありませんから、年に数回、一度に降った雨は、保水力のない山や原野を駆け下りて、大きな濁流というか、傾斜の急な所では土石流になって、海に向かって流れ下ります。

 この時、人や家畜が押し流されて犠牲になることもあります。

 すると、海岸近くの道路は濁流に洗われ、土砂が堆積したり、土石流によって削り取られたりして、道路が寸断されてしまいます。

こうした小規模のワジもあれば・・・

このように大規模なワジもある。

 そのため、雨が降った後、濁流がひと段落したら、道路に堆積している土砂や直径1m以上もある石を重機で取り除かなくてはなりません。毎回、濁流に現れる道路の部分はアスファルトではなく丈夫なコンクリート舗装にしていますが、土石流に曝されると、これでもひとたまりもありません。

普段はカラカラの土漠なのに。

↑四輪駆動車でないと身動きが取れなくなる。

 そのため、降雨の少ない5月~9月頃に補修をしていますが、降雨の多い10~4月にはワジの土石流で石ころ道になり、その繰り返しとなります。ワジの個所だけフライオーバー(高架道路)にするか、トンネルにすればよいのかもしれませんが、初期コストが高い為、ジブチが将来発展してからになるのでしょう。

 適切な場所に貯水池を作ればよいのでしょうが、それと同時に緑化をすることが必要になります。

■現在、ジブチ市内の水道水は、井戸からくみ上げた汽水に淡水化装置で作った純粋を混ぜたものだと言う話ですが、ジブチの淡水化装置を確認していないため、本当のところはよく分かりません。

 この水道水でシャワーを浴びると、口に入った水に少し塩味がするのがわかります。石鹸の泡立ちもいまひとつです。だから、この水道水は飲用には向きません。沸かせばよいのかもしれませんが、塩味はそのまま残します。

 そのため、ジブチでの一大ビジネスはミネラルウォーターです。最もよく目にするのが、「クリスタル」ブランドのミネラルウォーター1.5リットルのペットボトル入りで、90ジブチフラン(約60円)です。その他にもジブチ各地の地下水を水源としたミネラルウォーター業者の製品が多種多様にあります。

いろいろな種類のミネラルウォーター。フランスから輸入したものはジブチ国産より数倍高い。

 さらに、サウジアラビアやイエメン産のものや、フランスのペリエ、エビアン、ボルヴィック、ヴィッテル、イタリアの炭酸水等色とりどりのミネラルウォーターが市内で売られています。

 また、郊外の施設ではかならずFRP製の白色の飲用水タンクが備えられています。水が如何に貴重かを痛感させられます。

白い大きなタンクが飲料用の水タンク。

【ひらく会情報部・ジブチ取材班・この項続く】

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遥かなるジブチへの途(その2)

2013-10-18 23:08:00 | 国内外からのトピックス

■2年9か月ぶりのジブチで、最初に驚かされたのは信号機の数でした。以前はジブチ市内には信号機が殆どありませんでした。記憶ではゼロだったと思います。ところが、今回ジブチ空港から市内に向かって走ってみると、まず空港の入り口のロータリー交差点(ランナバウト)を手始めに、宿泊ホテル脇の交差点に至るまで、交差点に全部LEDの信号機が設置されていたのです。

宿泊ホテル脇の信号機。全て太陽電池で駆動している。日照に恵まれる酷暑の国にふさわしいシステムだ。

 ジブチ市内の交差点に交通信号機が突然現れたのは2011年8月ごろでした。それが、いまでは市内の十字路やT字路のいたるところにあるのです。もともと主要な交差点はロータリー式ですが、一か所のロータリー交差点に信号機がいくつも取り付けられています。

■これだけ短期間に信号機が普及した背景は、やはり自動車の増加です。信号機がこれだけ取り付けられていても、朝昼の出勤・退勤時間はやはり市内の中央部で渋滞が発生するほどです。

 歩行者用の信号機も付いていますが、青信号にならないものも沢山あります。最初は故障しているのかなと思いましたが、余りにも沢山の歩行者用信号機が青信号にならないので、「常に赤信号のつもりで、自分で左右の交通状況に十分気を付けて自己責任で道路を渡るように」という深い意味があると解釈することにしました。

 それにしても、わずか2年間で、運転する側もよく馴染めたと感心するばかりです。やはり最初は、「道路が空いているのになぜ赤信号で停止しなくちゃならないんだ」と思っていたドライバーたちも、次第に、信号機のおかげで、一定の時間がくれば、安全に先に進めるという利点を理解してきたに違いありません。

 なぜ、僅か2年間でこれほどジブチに車が増えたのでしょうか?それは、やはりこの国が海賊対策として世界各国からの支援を積極的に受けてきていることや、内陸国のエチオピアの唯一の玄関港として、物流拠点としての重要性がますます高まっていること、ドバイ資本の流入により、金融センターとしての拠点づくりが着々と進行していることなどが挙げられます。

【ひらく会情報部・ジブチ取材班・この項続く】
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