無資格施設長が胃ろう処置 神戸の特養、入浴も少なく
神戸市の特別養護老人ホーム「きしろ荘」で、入所者に対し、医療行為の胃ろうの処置を無資格の施設長が担当していたことが25日、分かった。施設長が取材に認めた。入浴回数も2週間に1~2回の頻度で、国の基準を下回っていた。職員不足が原因で、約50人いた入所者の削減などで既に改善したという。神戸市は介護保険法に基づき監査を実施した。
施設長によると、胃に栄養をチューブで入れる胃ろうは看護師資格を持つ職員が担当していたが、この職員の退職で昨春から今夏まで施設長が代行。無資格の職員によるたんの吸引もあった。
厚生労働省が特養の設置基準として省令で定めた週2回以上の入浴も、数年前から満たさない状態が続いた。介護保険法に基づき入所者の支援内容を定めるケアプランも未整備だった。
施設長は「人手が足りず、職員に長時間労働を強いることもできなかった。入所者に大変申し訳なく、施設長として責任を取ることも考える」と謝罪した。