「健康状態も分かるからいい」献血続けて50年、846回で卒業 献血制限70歳迎える平良さん
2022年10月3日 (月)配信沖縄タイムス
50年以上前から毎月1、2回、献血を続けてきた西原町の平良竜一さん(69)が26日、那覇市の県赤十字血液センターくもじ献血ルームで846回目となる献血を行った。来月2日、献血の年齢制限となる70歳を迎えるため、この日を最後に卒業する。「寂しいね」とつぶやきながらも、すっかり顔なじみになった献血ルームの看護師たちから「感謝」と書かれた色紙やお菓子をプレゼントされ、うれしそうな表情を浮かべて記念写真に納まった。(社会部・普久原茜)
社会貢献したいという思いで、10代の頃から献血を始めた。スポーツジムに通ったり、好き嫌いなく食事したりすることで健康を維持してきた。「写真関係の仕事で長期間、離島に住んでいた時期は行けなかったけど、それ以外は月に1、2回ほど献血に通っていた」と振り返る。
三線やピアノなど楽器の演奏が趣味だ。楽天的な性格だから、献血に通い続けるのも苦ではなかったと話す。「献血に行くと自分の健康状態も分かるからいい。でも、行かなくなると不健康になってしまうかもね」と苦笑いした。
県赤十字血液センターによると、新型コロナウイルスの影響や台風の相次ぐ接近で、県内の採血量は必要量に足りていない状況が続いている。平良さんは「卒業するけど、自分のことを知って献血してみようという気になる人が出てくれたらうれしいね」と期待をかけた。
くもじ献血ルームの福地隆所長は「長い間、献血を続けてくれた平良さんには心から感謝している」と述べ、最後の献血を終えた平良さんを見送った。