医療支援に日本の強みを ウクライナ視察の医師
ウクライナの医療支援に向け、現地調査をした認定NPO法人「ピースウィンズ・ジャパン(PWJ)」(広島県)は17日、厚生労働省で報告会を開いた。医療機関を視察した医師の稲葉基高(いなば・もとたか)さん(42)は「物資を支援するだけではなく、ウクライナの医療に日本の強みを役立てていきたい」と話した。
PWJはロシアによる侵攻開始後の2月下旬、ウクライナと国境を接するポーランドに職員を派遣し、情報収集を開始。モルドバにある仮設診療所で医療支援などを続けている。
稲葉さんは6月8~13日、ウクライナの首都キーウ(キエフ)や北部チェルニヒウなどを訪問。視察した医療機関では現在も医薬品が不足しているとの訴えがあった。建物が攻撃を受け、外壁や窓が壊れたままの医療施設もあるという。
稲葉さんは「戦時下でも日常を取り戻すためにできる支援がたくさんある」と強調した。今後、電子カルテや医療機器を管理するシステムなど、日本の強みを医療現場に生かす支援をしていきたいとした。