元受験生の女性に順大慰謝料支払いへ、双方控訴せず判決確定
順天堂大学が医学部入試で女性の受験生に対して不合理な差別的扱いを行ったとして、慰謝料などの損害賠償を命じた東京地裁(加本牧子裁判長)の判決は6月6日、被告側の控訴期限を迎え、確定した。原告の元受験生、被告の順大、いずれも控訴しなかった。順大は今後、1年度の受験につき30万円の慰謝料など計約805万円の損害を13人に賠償することになる。医学部入試での得点調整に関する集団訴訟で判決が確定するのは初めて。
東京地裁(加本牧子裁判長)は5月19日、性別による得点調整は「不合理な差別的取り扱いと言うべきだ」などとして、順大に受験料や慰謝料など計約805万円の支払いを命じていた(『元受験生集団訴訟、順大に慰謝料支払い命じる、東京地裁』参照)。
弁護団は判決当日、「原告の中には、これから医師になる者もいる。それでも、さまざまな葛藤を抱えながら、自身のことだけでなく後に続く女性たちのために差別をなくしたいと本件訴訟に参加した原告らの想いに応えるためには、この判決の内容を広く社会に投げかけ、その当否を幅広く議論していただきたい」とのコメントを発表。判決確定を受けた声明などは出していないが、原告以外にも、損害を被った元受験生がいるとして、順大の対応を注視していく考えだ。9月9日には東京医大に対する集団訴訟の判決も予定されている(『東京医大集団訴訟、9月に判決』参照)。
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