単気筒ライダー(だった男)のひとりごと

愛犬チビ と CB400SSライダーだった前期高齢者の日々

縁の季節

2017-06-29 | ちょこっと旅・温泉

 

後追いをするチビの表情が、胸に突き刺さる。

でも、行くからね。

 


 

チビを振り切り、出てきたものの、ノー・プランのまま、雄勝まで来た。

秋ノ宮温泉郷への分岐点。ここで一考・・、温泉に入りたい気分じゃない。

 


 

道の駅の地図を見上げながら、国道107号への最短ルートを確認している。

もう、戻ろう。今なら、「ちどりの中華そば」で、ちょっと遅めの昼食も、可能です。

雄勝ICの一時閉鎖が、帰る気持ちを後押しした。久し振りに「下道」を走った。

 


  

早々に、「羽後町」と書かれた案内標識を左折。雄物川を渡る。

これから越える出羽丘陵。随分、緑が濃くなったなあ。

 


 

梅雨に入ったばかりだというのに、真夏の様相。

今の時季は、田んぼに、どんどん、水を引っ張り込んでるんだろうしね・・。

なんてことを思いながら、遠くを眺めています。

 


 

ほたるとこまち。いい組み合わせじゃないですか。里と郷の使い分けが気になるけど。

秋田美人、いいッスなあ。希、夏樹、あやこに、淳子・・。ちょっと、違うんだなあ・・。

なんてことを思いながら、走っています。

 


 

緩やかな稜線を日本海に落とす姿を見慣れていると、これはこれで、存在感がある。

なんてことを思いながら、走っています。

 


 

峠道に入って間もなく、木陰が優しい、小さな駐車スポット。

キャンプ場・・? いや、キャンコ渕。「由来」には、こう、書いてあります。

山峡の渕で「峡(かい)渕」。峡が貝に転訛し、貝は、この辺でキャンコ。で、「キャンコ渕」。

西馬音内盆踊り、仙波番楽、鈴木家住宅・・。この辺り、伝統・文化レベル、高そう。

 


 

「鈴木家住宅」の案内に出くわす。「国指定重要文化財」の文字が増えている。

県道を折れて3キロかあ・・。エイッ!と、ハンドルを切った。

ボクの地元、国宝「羽黒山五重の塔」と、どこか、通じるものがある。

 


 

威容であるけれど、むき出し。そのまんま、そこにある。羽黒山五重の塔と、そこは同じ。

1600年代の建物、源義経の郎党、平泉から落ちて・・、よりも、興味ある話しがあった。

ここの鈴木家の生国・紀州和歌山の鈴木家は、全国の鈴木姓の宗家。

だから、ここは、「東北 鈴木姓発祥の地」だと、和歌山県海南市の宮司さんが記している。

 


 

屋敷向かい側の景色に、「落人の里」的雰囲気があるなあ。

都会人気取ってるわけじゃないけど、蛙の声、久し振りです。

憧れを越えた、こういうところでの暮らし・・、ちょっと、想像できない。

 


 

説明文を読んでいたら、さっき、道を尋ねたオジサンが、ボクを見つけて寄って来た。

「どこから? 致道館、致道博物館、あっどごだな。」 研修で、行ったんだって。

加茂水族館を観て、湯野浜温泉に泊まって、海鮮市場で昼食・・、テッパンです。

 


 

 

国の重文には成り損ねたけど、雰囲気のある民家は、他にもあった。

丘陵地だけど、どこの田んぼも、美しい。稚苗のみどりが、ホントに、鮮やか。

 


 

溜め池らしきものが見えた・・と思ったら、これが「松倉ダム」。

ダムって、土地改良区の灌漑用ため池のことかあ・・。

ん?!熊が出るとな。かなり、怖いけど、見ないことには。

 


 

物凄く、怖かった。すぐだと思ったら、舗装から砂利道に変わり・・。

ホントに引き返そうと思ったし、出てきた時のシュミレーションもしてみたり。

命を懸けてくるほどでもなかった。普通すぎるほどの溜め池! 

 


 

そろそろ、国道107号に出てもいいころでしょう。

田んぼの向こうに、ちょっと、シンボリックな山。

帰って、地図を調べ、 姥井戸山という山だと知った。

 


 

出くわした丁字路の「法体の滝」「鳥海荘」の立て看板に、面食らった。

どこに出てしまったんだあ? 感覚的には、ここを左だけど、右に行くしかない。

107号に出るものと思い込んでいたけど、あの時以来の国道108号だった。

 


 

「緑の色は、心を休める」とよく言いますが、走っていて、そう思いました。

メットを被れば、風切り音しか聞こえないけど、歌っていました。「緑の季節」。

 


 

 

伊勢正三が作詞作曲し、山本潤子が歌っている。

ロッテ・グリーンガムのCMソングにもなった。TVのライヴ版もいい。

ボクが、口ずさむ・・。ちょっと、キモイ。