確か、この辺り・・。記憶を呼び起こし、ヤスん家に着いたのは、午後一時半過ぎ。
ヤスん家を見つける前に、「平泉」のナンバープレートが、目に飛び込んできた。
ヤスん家での再会は、あの震災の年以来のこと。
夜の宴までの時間つぶしじゃないけど、ヤスが「なまはげ館」に案内してくれた。
一度来たことのあるボクが、中の様子を伝えると、一同、何となく、パス。
「それじゃあ、真山神社にお参りしましょう。」と、みんなを誘った。
ボクも、神社は行ったことがない。神社まで五分という、杉木立の参道を上る。
境内には、慈覚大師が手植えしたという、樹齢千年を超えるという「榧」の木。
読めない・・。立札の説明書きに振り仮名がふってあるのに、「榧」にだけ、ない。
ヒツ・・ギ、まさか。キクちゃんが思い出した。「カヤだよ!カヤノキ。」
本殿を見つけた。お賽銭を・・と思ったら、賽銭箱がない。
絵馬やお札の無人販売所の様相に、首をかしげながらお参りをしたけど、腑に落ちない。
コン先輩、キクちゃん、ヤスは、「なまはげ体験の時間だ。」と言って、下りて行った。
今頃は、神のお使いに説教されているころ。拾った蓑の藁に、閉口してるだろうな。
三人と離れたボクは、「どこかに、神社本殿があるはず・・」と、先に歩を進めた。
本殿と思しき社殿を見つけた。賽銭箱があるし、参拝の作法も書いてある。
本殿から更に石段を登ったところにも社殿が建つ。
せっかく来たんだから、何でも見てやろう・・。なにやら、仏像が鎮座している。
社務所の宮司さんに「神社に、なぜ、仏像が・・」と訊いたら、その訳を教えてくれた。
神仏習合・・って、いうらしい。からきし、教養不足、勉強不足なもんで。
念願の参拝を終え、スッキリした気分で、山門前の案内板に目をやると、「えっ!!」
本殿は、標高571mの真山頂上にあり、お参りした社殿は、文字通り、拝殿・・。
本殿への登山口の標識もあった。「いつか、きっと・・」の思いが湧いた。
でも、ここでも、クマ対策の課題が残った。