初めに、お断りしておきます。つまらない「落ち」で、終わりますから、この話。
行ったことがない、どんなところかもわからない。期待を膨らまし、「高瀬峡」へ。
秋田県に接する遊佐町。案内表示に従い、鳥海山の麓の方へ。
道を尋ねたおばさんが、言い忘れたことがあるかのように、後から声をかけてきた。
「昨日も、クマが出た。家の近くまで来たのは、ここに嫁に来て、初めて。」
「人間がバーベキューしているところを、木の上から覗いているんだよ。」
「緊急非常ベルとか、なんか持ってるかい? 気を付けてね・・。」
高瀬峡のある集落で、道を歩くお母さんに、クマのことを尋ねた。
「なんか、昨日も、クマが出たって、村内放送で流れていたねえ。」
止めを刺された。ボクは、完全に、ビビる。
この細道を数キロほど行った先が、高瀬峡。
ボクには見える。この奥で、クマが「おいで、おいで。」している。もう、無理・・。
駆除されるクマには、憐憫の情を抱く。お互い、平和に共存しようよ。
こんな景観に出会えたはず。
多分、永久に、目の当たりにすることはないと思う。