須川湖の静かな湖面。背後の山は、栗駒・・ですか。
穀倉地帯に育ったボクには、灌漑用ため池ほどにしか見えないけど、なんと、火口湖。
県境挟んで、秋田県側には「栗駒山荘」。岩手県側には、ここ、「須川温泉」。
日本海側に眺望が開ける「栗駒山荘」の露天が有名だけど、今日のボクは、須川。
入浴料金は、晴れれば鳥海山まで見えるほどの絶景分、栗駒が100円高い。
泉質は変わらないけれど、野趣あふれる須川の魅力は、眺望の栗駒山荘を越えた。
凄い熱さを感じるわけじゃないけど、一分とかからず、身体があったまる。
湯から出れば、秋風にさらされ、すぐに冷え込み、また、入る。
一昨年の「ふけの湯」を思い出す。この時季の露天風呂の風情ってえもんだ。
峠の頂上は、冬枯れの風情。
澄んだ空の青さと白い冬木立のコントラスト。
表側特有の初冬の景色がいい。
路肩に立つ一本の標柱が目に留まった。
朽ちてはいるけど、「岩手・宮城内陸地震 大規模崩落個所 須川6」と読めた。
地滑り地形だったのかなあ、それもあって被害も甚大だったのかもしれない。
谷に沿って道が大きく湾曲し、谷に向かって幾つもの渓流が流れ込む。
遅きに失したと思ったけど、標高が低くなるにつれ、まだ、鮮やかさが残っていた。
きれいだなあ・・・。
山々が、優しい笑みを浮かべているよう。
ここは、いつ来ても、人が絶えない。
ボクも、水筒代わりに持ち歩いているペットボトルを取り出した。
春の桜だって、満開の時が一番美しいとは限らない。
光り輝く紅葉もいいけど、セピアがかった色合いも、落ち着きがあっていい。
岩手県側に下りてきて、ここが一番心が安らいだ場所です。
谷底を流れるのは、磐井川の源流でしょうか。
S字カーブが続く。細い道路の崖下に広がる絶景に、走っては停まり、また、走る。
御一人様のバイク旅は、身軽で気まま。
「被災地展望の丘」の案内板が目に留まり 、バイクを停めた。
広場の一画の小高い丘に上がる・・・、「おっ!」と思わず声が出た。
里まで下りてきたら、「骨寺村荘園」の文字があちこちに見える。
荘園ですか・・・。興味をそそられ、骨寺村荘園交流館に寄ってみた。
農産物の産直施設だけかなと思ったら、奥の通路の先に展示室らしきものがあった。
学芸員のようなオジサンが説明してくれそうだったけど・・、時間がない。
余裕で着くと思っていた午後四時まで、あと、二十分ほど。ぶらぶらし過ぎた。
個人的印象ですが、この辺りは鄙びていても、どこか雅な感じがします。
そこに「荘園」とくれば、ゆっくり見学したかった。次回に取っておこう。
さあ、あとは真っすぐ一関。コン先輩・キクちゃん、お世話になりま~す。