JR奥羽本線の大館駅。弘前・青森や、花輪線で八幡平・盛岡へ向かう乗換駅。
二十分ほどの待ち合せの間、途中下車。十数年振りかの再会。
ハチ公のふるさと。この銅像の型は、渋谷の「ハチ公」と同じなんだとか。
ここから、花輪線に乗り換え、湯瀬温泉で雪見風呂もいいけど、更に北へ。
秋田県最後の駅「陣場」。ここから、日景温泉・矢立温泉は、徒歩40分ほど。
18切符で何度も訪ねた名湯「日景温泉」が、一昨年の夏、廃業。残念!!
青森県大鰐温泉。冬の静かな温泉町の情緒を感じたくて、やってきました。
驚くほど雪が少ない。それで情緒が削がれるかといえば、そんなことはない。
駅から温泉街へのメイン・ストリート。初めて訪れたのは大学三年の秋。
名古屋瑞穂の予選が弘前であった時、ボク等の宿はここにあった国鉄の保養所だった。
おっ!!あった、あった。平川に架かる橋の袂に建つ古い食堂。
社会人になって国体予選で訪れた時、岩手の諸先輩と食事をご一緒した。
おお!「太宰治」の雰囲気を十分にかもし出す、風格のある建物ですねえ。
津軽に来ると、つい、なんでもかんでも、「太宰」にくっ付けてしまう。
町の人に目当ての湯を尋ねると、「まだ、営業前。」代わりに紹介された「赤湯」。
共同浴場らしからぬ大きな建物に圧倒され、気後れしつつ、「立ち寄り湯ですが・・」
以前、訪れた「青柳会館」しかり、大鰐の共同浴場は「会館」の名のつくところが多い。
銭湯の他にも、食事や宴会、宿泊もできるサービス施設なのかもしれません。
ほのかに硫黄臭の混じった、いい香りがします。何の成分なんだろ。
大鰐は熱いという印象があったのですが、心地よい温かさ。いや、汗が噴き出てきた。
脱衣所にいた若い男性がいなくなると、上がるまでの三十分、ボクひとり。
「赤湯」を出ると、超湿った雪が激しく降っていて、溶けた雪がGパンを通す。
三時の電車時刻まで一時間。昼食を後回しにしていたので、駅前の食堂に飛び込んだ。
「元祖大鰐温泉もやしラーメン」、大鰐もやしは、温泉を利用した大鰐のソウル・フード。
入る前から、もう、煮干しスープのいい香り。これは間違いない。
この店の感じ、なんか、いいでしょう。これぞ、津軽ですねえ。
ボクも東北人、ある程度は理解できますが、店のご老人の津軽弁はいいとこ半分。
もやしを噛んで、まあ!ビックリ!。あくの強さ、「野性味」を感じます。
クセになる、間違いなく。これ食べたら、普通のもやしじゃ、物足りなくなる。
ただ、麺と一緒に食べると、歯触り・食味に勝るもやしのせいで、麺の食感が消えた。
頬ばる時の、麺ともやしのバランス、大事です。大鰐温泉もやし、恐るべし。
JR大鰐駅の横に建つ、弘南鉄道の駅舎。大鰐~中央弘前をつなぐ私鉄。
雪の駅舎を見た瞬間、ある記憶が、突然、フラッシュバック。
1974年11月3日、雪の朝。
この駅から電車に乗り、試合会場となった弘前の自衛隊グランドに向かった。
逆転負け。そのあとボクは思いもかけない重圧に潰され、結局、そこまでだった。
試合のことは今でも先輩達と口にすることはあるけど、こんなにリアルに蘇るのは初めて。
大鰐が、ボクのラグビーの終焉の地であったことを、今、初めて認識した。
雪の駅舎には、あの時の時間が止まったままに漂う。
当時のままの仲間が、そこにいる。
帰りの電車には、悔恨の情を話す21歳のボクと、彼の話をじっと聞く今のボクがいた。
ねえ、キミ。 ボクは、もう、わかってしまっているけど、結局、弱かったんだよ、キミが。
ボクの中の何かの時間が、今も、ここで止まってしまっている。
みんなに、会いたい。
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