単気筒ライダー(だった男)のひとりごと

愛犬チビ と CB400SSライダーだった前期高齢者の日々

大鰐で見つけたもの

2016-01-04 | 盛岡・岩手・ラグビー仲間

 

JR奥羽本線の大館駅。弘前・青森や、花輪線で八幡平・盛岡へ向かう乗換駅。

二十分ほどの待ち合せの間、途中下車。十数年振りかの再会。

 


 

ハチ公のふるさと。この銅像の型は、渋谷の「ハチ公」と同じなんだとか。

ここから、花輪線に乗り換え、湯瀬温泉で雪見風呂もいいけど、更に北へ。

 


 

秋田県最後の駅「陣場」。ここから、日景温泉・矢立温泉は、徒歩40分ほど。

18切符で何度も訪ねた名湯「日景温泉」が、一昨年の夏、廃業。残念!!

 


 

青森県大鰐温泉。冬の静かな温泉町の情緒を感じたくて、やってきました。

驚くほど雪が少ない。それで情緒が削がれるかといえば、そんなことはない。

 


 

駅から温泉街へのメイン・ストリート。初めて訪れたのは大学三年の秋

名古屋瑞穂の予選が弘前であった時、ボク等の宿はここにあった国鉄の保養所だった。

 


 

おっ!!あった、あった。平川に架かる橋の袂に建つ古い食堂。

社会人になって国体予選で訪れた時、岩手の諸先輩と食事をご一緒した。

 


 

おお!「太宰治」の雰囲気を十分にかもし出す、風格のある建物ですねえ。

津軽に来ると、つい、なんでもかんでも、「太宰」にくっ付けてしまう。

 


 

町の人に目当ての湯を尋ねると、「まだ、営業前。」代わりに紹介された「赤湯」。

共同浴場らしからぬ大きな建物に圧倒され、気後れしつつ、「立ち寄り湯ですが・・」

 


 

以前、訪れた「青柳会館」しかり、大鰐の共同浴場は「会館」の名のつくところが多い。

銭湯の他にも、食事や宴会、宿泊もできるサービス施設なのかもしれません。

 


 

ほのかに硫黄臭の混じった、いい香りがします。何の成分なんだろ。

大鰐は熱いという印象があったのですが、心地よい温かさ。いや、汗が噴き出てきた。

脱衣所にいた若い男性がいなくなると、上がるまでの三十分、ボクひとり。

 


 

「赤湯」を出ると、超湿った雪が激しく降っていて、溶けた雪がGパンを通す。

三時の電車時刻まで一時間。昼食を後回しにしていたので、駅前の食堂に飛び込んだ。

「元祖大鰐温泉もやしラーメン」、大鰐もやしは、温泉を利用した大鰐のソウル・フード。

 


 

入る前から、もう、煮干しスープのいい香り。これは間違いない。

この店の感じ、なんか、いいでしょう。これぞ、津軽ですねえ。

ボクも東北人、ある程度は理解できますが、店のご老人の津軽弁はいいとこ半分。

 


 

もやしを噛んで、まあ!ビックリ!。あくの強さ、「野性味」を感じます。

クセになる、間違いなく。これ食べたら、普通のもやしじゃ、物足りなくなる。

ただ、麺と一緒に食べると、歯触り・食味に勝るもやしのせいで、麺の食感が消えた。

頬ばる時の、麺ともやしのバランス、大事です。大鰐温泉もやし、恐るべし。

 


 

JR大鰐駅の横に建つ、弘南鉄道の駅舎。大鰐~中央弘前をつなぐ私鉄。

雪の駅舎を見た瞬間、ある記憶が、突然、フラッシュバック。

 


 

1974年11月3日、雪の朝。

この駅から電車に乗り、試合会場となった弘前の自衛隊グランドに向かった。 

逆転負け。そのあとボクは思いもかけない重圧に潰され、結局、そこまでだった。

 


 

試合のことは今でも先輩達と口にすることはあるけど、こんなにリアルに蘇るのは初めて。

大鰐が、ボクのラグビーの終焉の地であったことを、今、初めて認識した。

 


 

雪の駅舎には、あの時の時間が止まったままに漂う。

当時のままの仲間が、そこにいる。

 


 

帰りの電車には、悔恨の情を話す21歳のボクと、彼の話をじっと聞く今のボクがいた。

ねえ、キミ。 ボクは、もう、わかってしまっているけど、結局、弱かったんだよ、キミが。

 


 

ボクの中の何かの時間が、今も、ここで止まってしまっている。

みんなに、会いたい。



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