てすさび日誌

哀しき宮仕えを早期リタイアし、“サンデー毎日”のomorinが生活の一コマや雑感を認めた日誌です(2005/4/20~)

母にも似たぬくもり

2007-09-12 18:09:43 | ホビー
 岡山高島屋で開催中の「与勇輝人形芸術の世界展」へ行き、戸外の厳しい残暑を忘れて、ひと時の安らぎに浸って来た。

 そもそも与勇輝さんのことは、mariさんのブログ「2007-03-18人形芸術の世界」の記事を拝読して知り、以後気になっていた。そこへ岡山でも展覧会の報を聞き、是非とも鑑賞したいと願っていた。そしてサイン会も目当てに、今日の鑑賞とあいなった。

 「布の彫刻」と称される氏の作品は木綿布を素材に、精巧にして実にリアルに表現されている。会場の一角では作品の制作工程がビデオで紹介されていた。人形の衣装、帽子や靴・下駄、手にする小物に至るまですべて手作りである。

 今回の楽しみの一つは、小津ファンの一人として、小津映画をどのように表現されているかということであった。果せるかな「東京物語」、「秋刀魚の味」などのワンシーンや、登場人物の中に与さん独特の感性が見事に息づいていた。
 「東京物語」は繰り返し観た映画だが、クライマックスの老夫婦が海岸に、寄り添って腰を下ろし「もう帰ろうか」のシーンは、二人のつぶやきが聞こえて来るような錯覚に陥った。何とも味わいのある作品だった。
 氏の作品に共通して言えるのは、人形の素材が木綿の古布であるが故に、母にも似たぬくもりを醸し出しているということ。そして、昔懐かしい郷愁を呼び起こしてくれる。

 頬がぷっくりとふくれ、目尻が上がった表情が、孫のひとりとそっくりな人形を、何かで見かけて以来親近感を抱き、是非とも拝顔したかったのだが、展示作品の中には見つからなかった。

 鑑賞の後には、お待ちかねのサイン会へかみさんを促した。「ミーハーのようで余り好きではない」と言いながらも、長い順番の列に並んだ甲斐があって、記念写真に収まった上に、握手までして頂いた。さぞや作業で荒れた、節くれだった無骨な手を想像していたらしく、「女性のような手触りだった。この柔らかな手で、あの優しい人形たちは産み出されるんだ」と、甚く感動していた。

<script language="JavaScript" src="http://www.magicalmaker.com/js/mm.js.php?upwh=861590-1189594520-216-262"></script>

気安く記念写真に応じる与さん

サインの順番を待つ列

**********************************
 祝開店

 8月9日に、親友の息子がコンビニを新装オープンした。人形展会場である高島屋の近所なのでのぞいて見た。

 経営者である息子自ら「いらっしゃいませ」の威勢の良い掛け声と共に、陳列棚を整理したり、入口ドアガラスの拭き掃除などに余念がない。

 昼前で客入りはまずまずと思えたが、所期の目標には及ばない様子。ロケーションは抜群なので、将来が楽しみだ。

 かみさんと二人で弁当を求め、店内の飲食コーナーで客筋ウオッチングをしながら美味しく頂いた。

 T士君、開店おめでとう。益々の繁栄とご健闘を祈る。


駅前の一等地に構える店舗
コメント (6)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする