昨日の記事では「この塩ビ板にはこれからカメラの位置決め部品を接着剤で貼り付けて完成となります。」 と締めくくった。
「なんじゃ? その位置決めって?」と変な所に拘っているらしい僕の偏執狂ぶりに若干でも興味を持った人向けて、 今日は補足説明をします。
雪の結晶撮影は降雪中の寒冷な環境下で以下の如き一連の作業を繰り返します。
1. 降雪の中に試料ホルダーを置き、
降雪を試料ホルダーで受け止めます。
(数秒間:降雪状況によって変化)
2. 試料ホルダに乗った雪の中から
一片の結晶をルーペを用い、撮影対象に決めます。
およそ5~10 秒程度。
(また撮影対象の結晶が試料ホルダー内の
どの座標位置に在るか? 記憶します)
3. 撮影対象の結晶をカメラの視野内にセット。
(この作業カメラ(約5秒)を容易にする目的で
試料ホルダー・ベースに座標を描いてあります)
4. 照明ランプの明るさを適度にセットし、
フォーカスをあわせます。
5. 最後にシャッターを切ります。
僕の雪の撮影の際、多くの場合、出掛ける先は草津スキー場でした。 草津での外気温はー2℃程度のことも多く有りました。 しかし外気温がその程度の場合、 一枚目のシャッターを切る際、 既に結晶の縁はダレ始め、 みるみる内に溶解して結晶のサイズが縮んで行く姿を見る事が多くありました。
ですから上記一連の作業はどんな場合も可及的速やかに進める必要があるのです。
そんな訳で、 カメラをクイックシューにネジ止めすれば「クイックシューに固定したカメラの視野中心と試料ホルダー・ベース上に描いた座標の中心とが何の補正をしないでもほぼ一致している」 そんな事前準備が出来ている事。 それが撮影を手早く行うにはとても重要な事となるのです。