アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

大地が純白に覆われて ~大雪の日に~

2010年12月01日 | Weblog
11月30日…午前5時。除雪車の音を床の中で聴いた。除雪車の出動は、積雪量による。20センチほどなら出動しない。
 「と、いうことは…積もっているのかぁ…車庫から車を出すために除雪しなければならない…」
 湯たんぽを布団から蹴出し、起きだした。
 積雪は50センチほど。大雪であった。車庫から、公道までの約10メートル区間を自力で除雪する。この時期は湿雪なので、重い。除雪車が撥ね上げた道路沿いの雪の高さはおよそ1メートル。その上に雪を投げ上げる。汗だくになる。1時間後ようやく車を出す道を確保。

 大地が純白に覆われた朝…吉兆…かな?
 テレビのニュースは、「高速道路の通行止め」「列車の遅れ」…吉兆とは言いがたい。
 朝食準備の台所では、コーヒーメーカーが大変なことになっていた。ドリッパーが作用せず、コーヒーになりかけのお湯と粉末が溢れ出ていた。家人は、「寝ぼけてセットしたので…」と照れ笑い。吉兆とは程遠い単なるドジだが、いつもの朝とは違う…何かが起こる…

 早朝、除雪しなければならなかったのは、車で家人を勤務先の保育園まで送るため。
 …登園の園児や帰宅する園児を観察するのが私の楽しみの一つになっている。完全に怪しいオジサンである。特に好きなのは、夕刻、親に迎えられ意気揚々と引き上げていく園児を見ること。子供は掛け値なしに可愛い。
 両親揃って迎えに来ている子など、天下をとったようなはしゃぎよう。母子家庭、父子家庭の子も母親、父親の手にぶら下がって帰る。「親子ってこういうものだ」とつくづく思う。
 両親がいるにはいるが、祖父母に引き取られて暮らしている子も。都合があるのでしょうが、両親がいるなら、少なくても中学を卒業するまでは両親が一緒に暮らし、しっかり育てていただきたい。

 人は目標があるから生き生きと生きられる。目標のない人生は、ズブズブと底なし沼へ沈んで行くのみ。
 国民の三大義務を果たしている最中は、それ自体が目標だったから敢えて次の目標は…と考える必要がなかった。
 定年退職してからは、自分で目標設定しなければならなくなった。
 「○月×日 内科受診。よーし、それまでアルコールを少なめにするぞー!」
 「△月□日 泌尿器科受診。よーし、それまでハルンケアをたくさん飲むぞー!」…こんなんばっか!でも、目標には違いないので、その日を目指して生き生きと生きるわけで…。

 親として、子供がいくつになっても楽しみは、「子供の成長」。我が家の子供達は、皆遠くにいる。が、今の日本は、どこにいても、簡単に行き来できる。子供達の近況を聴くのは本当に楽しい。

 雪晴れとなった正午頃、長男から電話が入った。平日の真っ昼間の電話…何か異変が起きたのだろうか?恐る恐る、受話器をとった。
 「あ、お父さん!」(弾んだ声なので一安心)
 「実は!・・・!」(吉報は、予告なくやってくる!)
 お嫁さんの懐妊の知らせでした。お嫁さんも電話に出てくれた。柄にもなく、涙が出ました。テレビドラマを見て流す涙とは、全く違う種類の涙で…ジワーッと眼球のうしろあたりから出て来ました。

 大雪の日、おめでたい知らせを頂きました。