アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

就職内定がもらえない…どうして自分が?

2010年12月29日 | Weblog
 農家に嫁が来ないことについて、農家の跡取り息子がいみじくも言っていた。
 「農家に魅力がないんですかねえ…」
 …唖然としました。全く分かっちゃいない。「魅力がないのは農家ではなく、オ・マ・エだぁーっ!」
 我が身を顧みず、「農家」のせいにする!そんな奴のところに嫁が来るわけない。魅力ある若き農業後継者には嫁が来ています。

 魅力なき農家の「跡取りの嫁」問題は、それでよいとして…何が問題か?大学4年生の企業等への採用内定が約60%。…越年は必至…年度内に就職先が決まらなければ、来年の4月からどうするのか?留年、フリータ-、無職…。これは、人生の大きな問題です。
どうして内定が出ないのか?「オ・マ・エに魅力がないからだーっ!」というのは酷な気がするが…。

 <有効求人倍率の変化> ~リクルートワークス研究所~
 2000年度・・・0.99倍
 就職氷河期・・・・1.3倍前後
 2006年度・・・1.60倍 ※この年は売り手市場といわれた
 2009年度・・・2.14倍
 2010年度・・・1.62倍

 こうして有効求人倍率を比べてみると、2009年度より悪化しているのは確かだが、売り手市場といわれた2006年度と同じじゃないか!
 「就職氷河期再来」という報道は何を根拠にしているのでしょうか?師走に入ってからは、「超氷河期」だと!「超」がついてしまった。
 超氷河期に便乗して、「どうやって内定をとるか」という関連本が出るわ出るわ!さらに、「就活セミナー」の類が雨後の筍のように!人の弱みにつけ込んだ商法…人の不幸がビジネスチャンス。学生たちは、ワラをも掴む思いで、就活本を買いあさり(読んでいるかどうかは不明)、高額な費用を工面してセミナーに参加する。それらの成果はあるのか?皆無とはいわないが、本を読んだり、セミナーに参加して就職が決まるはずがない。
 就活本にしろ、セミナーにしろ、いいことを指導していますよ…。理想的な…。

企業等が採用選考時に重視する要素で、7年連続で1位なのが「コミュニケーション能力」(日本経団連)。
 そんなわけで、就活セミナーなどは、「コミュ力」のオンパレード!
 ○ コミュ力は、挨拶、返事、相手への気遣いだー!
 ○ コミュ力は、傾聴力だー!(本音を聞き出す力、言葉の裏側を読む力、話を整理してまとめる力、対人交渉力)
 ○ コミュ力は、人間力だー!(目配り、気配り、心を飛ばす…)
 どれもこれも正しい。よく考えると同じことを言葉を変えて言っているだけ。

 就活といえばエントリーシート(ES)。これについては採用する側が不満の様子…
 ○「自分の可能性を信じ、困難に打ち勝ってこそ見えてくる世界があり、この精神によって自分は成長することが出来ます」
 …何とも大げさな決意だけど、会社ってあなたを成長させる場ではないんだよなー。あと、抽象的な決意表明…。口先だけということが透けて見える。
 ○ 「チームで何かを成し遂げるには、仲間と本気で向き合い話しあう。この姿勢が大切だと学びました」
 …学んだのは分かった。しかし、BUT!我が社においてアナタは何をしてくれるんでしょう?感動的なことを書いたつもりでも、青春ドラマのセリフじゃあ…本気度ゼロなんだよなあ。

 それにしても、数字上は決して氷河期でも超氷河期でもない。ではなぜ内定が出ないか?一生懸命本を読み、セミナーに出席し、美容院へ行き、ユニクロでもH&Mでもないお店で高価な洋服を買っても…
 その学生に魅力がないということでしょう。では、どうやって魅力を身につける?魅力は、大学3年生の秋から身につけようとしても間に合わない…。
 社会に魅力ある人物の育成…「おぎゃあ→幼→小→中→高→大」で、何を体得したか。付け焼き刃では魅力は出せません。