アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

カズ、クルム、アーツ…引き際をどうする?

2010年12月23日 | Weblog
 サッカーのカズには頭が下がるというか、レスペクトしかない。43歳、最年長ゴールということも少しはあるが…。なんといっても、静岡学園高校を1学年修了を待たずして中退。15歳にして、単身ブラジルに乗り込んだというところが…陳腐な形容で申し訳ないが、「凄い!」。その手があったかと、今ではブラジルへ渡る少年はめずらしくなくなったが、先鞭をつけたのはカズ。ぬくぬくと湯たんぽを入れて寝ている私など、想像もつかない苦労をしたことは間違いない。ブラジルのプロでは、出だしこそ華々しくはなかったが着実に成果を上げ、ブラジルのサッカー専門誌(プラカー)の表紙を飾るまでになった。

 43歳でゴールを決め、来季も横浜FCでプレーするという。本人は、「練習がきつくなったら辞める」と…。現役にこだわっているのではない。「現役」しか選択肢がないということですね。

 年長者の現役…クルム伊達公子も素晴らしい。5月の全仏オープンで、ディナラ・サフィナ(ロシア)に逆転勝ち。サフィナは、2009年世界ランキング1位。全仏オープン2年連続準優勝の選手。この勝利の時のクルムは、39歳7か月。1968年以降の全仏オープンで歴代2番目の年長白星。クルムの場合、年長者が頑張っているという「悲壮感」がない。そのため見ていても安心…というか、負けても、「頑張ったね」と、声をかけられる雰囲気を持っている。

 悲壮感だらけで頑張ったのが、40歳のピーター・アーツ。K-1ワールドGP(12月11日)に出場。実況のアナが、「アーツ、アーツ!」と言っていたが…えっ?こ、この選手がアーツ?べ、別人みたい?
 アーツは、K-1草創期から参戦。ワールドGPで3度優勝。日本のテレビのCMにも出ていた。そのアーツの姿が…。アーツに似たオジサンが、大男相手に戦っている…。アーツの3度目の優勝から、14年経っている。すっかり年老いてしまった。アーツに似たオジサンがアーツ本人だったのです…。その変貌ぶりに、しばし、「口あんぐり」でした。
準決勝で、セーム・シュルトと対戦。192センチという長身のアーツが子供のようでした。シュルトは、212センチ。体重も140キロを超える。K-1ワールドGPでは、4度優勝している。26歳のアーツなら、シュルトに簡単に勝っていたと思う。しかし、40歳…。と、ところが、アーツは、トンボみたいな戦闘機が軍艦に自爆攻撃をするかのような攻撃を展開。大会最多5度目の優勝を狙ったシュルトに判定勝ちしてしまった。

 決勝では、アリスター・オーフレイムにKO負けしてしまったが、シュルト戦の消耗と負傷がなかっタラ勝っていたでしょう。タラレバで申し訳ないが。アーツもシュルトもオーフレイムもオランダ。オランダはチューリップと風車だけではないということですね。柔道とK-1もある。

 アーツはいつ引退するのであろうか?シュルト戦は凄かったが、衰えは隠せなかった。来月、アムステルダム(オランダ)に、「K―1アーツ道場」を開くという。どうやらもう、日本のK-1ファンに勇姿を見せることはないのかな…。

 西武ライオンズから戦力外通告をうけた、「工藤公康投手、47歳」については書かないのかって?
工藤さんは、「限界の先に見えるものを見てみたい。進むことしかできない自分ですが、限界を決めたら、それで終わりだから(本人ブログ)」と、語っている…。限界の先を見たい?!詩人じゃのう!
 みなさん、生涯現役でやってくださるのはいっこうにかまわない。しかし、できれば悲壮感を漂わせないでいただきたい。見ている方が辛いので…。