新聞の記事を読んで唖然とした。
奈良といえば興福寺。興福寺といえば猿沢池。
その猿沢池で行われる放生会(ほうじょうえ)に,生態系原理主義者が「金魚やらを放流するな」と文句をつけてきたのだという。
しかも興福寺は,猿沢池は私有地であって生態系など語れないにも関わらず,この意見を飲みクチボソなどを放流したという。
お寺の担当者も「放生会とは,衆生救済の意」と語っていたが,その通りなのに。
僕は,神社仏閣の池や環境に文句をいう人間は「生態系原理主義者」であり,危険であると断言する。
自分たちが生まれるはるか昔から存在するお寺。そこに何が住もうが・どうしようが,究極は持ち主の判断でよい。
然るに,第三者が生態系”破壊”と誤った言葉で脅す。
何度も書いているが,正しくは生態系”撹乱”である。高校生の常識でもある。
そして,放生会の「衆生救済」という考えを理解せず,排他的に外来種を差別。
TV東京に有名な加藤英明は首謀者の一人といって過言でない。「池の水全部抜く」という荒唐無稽な番組で,何度忌まわしい思いをしてきたか。
生き物を差別する。差別しておいて「グリル厄介」なるもので「美味しい」といって食べている。
食べたいからとる,というのなら話は純粋だ。それは否定しない。
しかし,「生態系を破壊する」というでっち上げの元で,知識なき人々を巻き込み,歴史を蝕む行為は許しがたい。
ウシガエルは1918年に日本に移入された。すでに102年も前である。もうしっかり各地に馴染んでいる。アメリカザリガニも同様,ソウギョ・レンギョ・アオウオ・バスもまた同様である。
そうした生き物たちを差別しない放生会に「救い」を感じていた。
しかし,歴史を「勘定」で覆そうとする原理主義者。
神社仏閣・お城,いずれも所有者が判断して好きなようにやる限り問題はない。
ただし。
宗教法人であれば,その宗教的に合理性のある行為であることを,くれぐれも肝に銘じてほしいと思う。
「万物に命宿る」と考えるオズマの宗教観念。アミニズムともいうらしい。
僕の信念はゆらがない。