Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

女性的エレガンスを求む

2008-11-17 | 試飲百景
日曜日に試飲できて購入できるところは限っている。最大手しかない。開いている時刻やグランクリュワインの有無は電話で確かめてから、一時半ぐらいに一軒目の門を潜る。

奥には、一グループ八人ほどがいて賑やかなのだが一人で対応しているので、こちらは私が奨める事になる。この友人が嘗て大量に日本へと持って返った2002年当時にはまだグローセスゲヴェックスは一般的でなかったので、今試飲出来て将来の偉大なこれらを買って行って貰うことにする。

12本入りを直接日本へと送らせるので、今から飲めるものから数年間楽しめるもの、そしてあと最低二年待ってようやく味が出てきて、保存さえ問題なければ二十年以上問題ないものの二種類を奨めた。

一番軽いワインのラィタープファードが気に入ったようだが、現在はまだ最も美味いと思われるキーセルベルクは酸が強すぎて男性的過ぎたようだ。それならモイスヘーレのミネラル質と酸の強さは全く駄目である。だからといって、ヘアゴットザッカーに戻って試飲すればどうしても物足りない。

結局、グラインヒューベルは元々気に入りの地所だったようで、エレガントな少々女性的なもっとも良いリースリングを六本選ぶ。

そして、あと六本でフォルストの名門の畑の味が微妙に混ざるプローブスを兎に角買ってもらい、ホーヘンモルゲン、イエーズイテンガルテン、ペッヒシュタインを吟味する。最も気に入ったのは、やはり繊細さの強いペッヒシュタインのようで、まだまだ開いていないが最も綺麗なリースリングには違いない。

その勢いを借りて、二件目へと突入するが、やはり同じように送ってもらう事にして、12本を選んでいく。先ずは、ヴァッヘンハイマーオルツリースリングとルッパーツベルクオルツリースリングの対比である。前者の線がスッキリするものに比べて後者はぼやけている印象を持ったようだ。ザウマーゲンには後者ぐらいで良い。

第二試合は、同じくゲリュンペルとホーヘブルクのプルミエクルュ同士の勝負である。やはりゲリュンペルが好みのワインのようである。

そしていよいよ横綱対決が続く。2007年のペッヒシュタインは気に入って貰うと同時に徐々に土壌の個性が見えて来たであろうか。お奨めのウンゲホイヤーは確かに既に愉しめる要素は高いがあまりにボディー感が強すぎるかも知れない。彼にとっては、大変グラマラスなブロンド美女にぐいっと抱き抱かれるようなもので息が止まってしまうようだ。そこで、2001年産のペッヒシュタインを試飲してその円熟した味をみて貰う。

大変気に入って貰えたようで、そうなれば醸造期間の長い乳酸菌発酵に近い2002年産ペッヒシュタイン、そしてもう一年で瓶詰め二年を迎えて最も新鮮に開いたところを愉しめる2006年産ペッヒシュタインを試飲なくして購入して貰う。

また、今飲める物として推薦の2007年産カルクオーフェンも試飲、購入。

ペッヒシュタイン愛好家は多い。魚料理などにもこれをソースにしても大変美味い。白い花系の香りとその清楚な感じが気に入られる。そして上のように購入して貰えれば、毎年少しづつ飲んで料理に合わせて何時も食卓を飾る事が出来る。

先ずは、2001年、そして2006年を、その後に2002年を飲んで、二年後に2007年を開ければ、既にペッヒシュタイン飲みを自称できるだろう。

一本32ユーロ以上の大変高価な商品であるが、保存さえ上手く出来れば長年に渡って食卓を豊かにしてくれるのは間違いない。二十年後ぐらいの感想をまたゆっくりと聞きたいものだ。

因みにフォン・バッサーマンヨルダン醸造所のペッヒシュタインは、一ヘクターあたり28ヘクトリッターの収穫量で、通常のグランクリュの倍の濃さである。六か月以上に渡るステンレス樽での酵母の中での熟成であるが酵母臭さは皆無である。アルコール度、酸、残糖は、其々13%、リッターあたり7.6グラム、5.7グラムと辛口であるが桃、アプリコット、レモンの隠れた果実風味満載である。

ビュルックリン・ヴォルフ醸造所のものは更に半分の収穫量であるが、さらに繊細且つ力強い。アルコール度、酸、残糖は、其々12.3%、リッターあたり7.1グラム、5.4グラム。価格差で3ユーロ高い。しかし早くから長く愉しめるのはこれであろう。

またまた売り上げに協力させて貰ったが、十分過ぎるほどに強い風邪薬を頂きました。
コメント (4)
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