心理的なものは大きい。ある程度世の中を見ている者は皆実感している筈である。
いよいよ大統領選挙である。その前にもう一度合衆国大統領選挙の世界に与える心理的影響を考えておくのも悪くはない。なぜならば2001年9月以降の心理状態は未だに十分に自己分析出来ていないからである。そして、2008年11月以降は新たな世界観が生まれると予想されるからである。
焦点のバラック・オバマ候補の優位を覆すような大事件が起ることは好まない。経済危機でもう十分である。これに対応する世界秩序作りがまた二人の候補者の政権構想の重要な差異であると言われる。
選挙に向けた国内政策が主の論争になっているのは当然だとしても、自由貿易の枠組み作りにおいて、市場拡大の推進を図りNaftaに続き南米、韓国等との関税協定を推し進めようとしているマケイン候補と、それら諸国との現実的な経済格差から協定を絞め直しもしくは廃棄によって、必要な隔壁を堅持しようとするオバマ候補とでは大差がある。
合衆国は、外国から見れば至極当然な政策すら採用されていない特殊な国であるが、保険やセーフティーネットなどの社会保障面に、また経済上での「裁定」がされることで国民の殆どである中間層は、不安無い新たな挑戦への足場が形成されるのを期待できる。
年間収入二十万ドルは中間層の収入限度として適切で、現在の二十五万ドル以上に恩恵を与えるようなブッシュ政権が過去八年間も君臨した方が本当は不思議なのである。それは、こうした社会体制を採用する社会では、ハリウッドに代表されるような芸能界やプロスポーツにおけるタレントへの高額報酬をそれらの知名度・人気度という楯を用いて社会一般に認めさせている騙しの技法が使われているからに違いない。
そしてそれらの社会的認知がメディアによって虚像として作られていることにいまや気付かぬ者はいまい。そのような見解は、ハイリスクハイリターンと呼ばれるような投機的な符丁と共に、何一つ高額報酬の不公平への論拠とはなり得ないものどころか、生産の価値を愚弄しあり得るべき自由市場をも崩壊させた。
社会心理的に、オバマ候補の政治思想によって大多数の国民は護られて新たな挑戦へ契機となるだけでなく、オバマ候補の当選はアメリカンドリームならず、同時にドリームス・フロム・マイフーァザーの道を意味する。FAZ紙は、この人種問題を作家ジェイムズ・アーサー・ボールドウィン研究家トイビンにオバマ候補との比較で記事を書かせている。
ここでいう人種問題は、被差別者がその血に蓄える怒りである被人種差別意識のルサンチマン意識を指す。被人種差別問題こそが今回の大統領選挙の裏のテーマであったことは隠せない。
合衆国から帰ってきた者は必ずそこの人種差別問題の滑稽さを語る。それほどに歴史的な意味合いが大きかった事を裏づけている実証であるが、今回の選挙にて逆・被差別問題が解決するようなことになれば、合衆国はそうした過去の差別の歴史から初めて心理的に解放されるだろうか。
世界のナショナリズムや愛国運動がこうした非差別意識から生じていることを考えれば、やはりこうした抑圧からの解放の意味は途轍もなく大きい。
合衆国の中産階層は、こうして幻の夢から醒めて、心理的抑圧から解放されると同時に倫理的な被害妄想からも解き放たれてモラールを確立できる。今自らが障壁を乗り越えていかなければならない。
参照:
Wir haben alle diesen Zorn im Blut von Colm Toibin, FAZ vom 25.10,08
Das Wahlkanpf ums Weiße Haus von Claus Tigges, FAZ vom 30.10.08
オバマ・インフォマーシャル (虹コンのサウダージ日記)
Barack Obama The Racist - In His Own Words (YouTube)
希望へ誘うオバマ候補 [ 雑感 ] / 2008-01-15
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変なニュース (たるブログ)
繰り返される「過去の歴史発言」での更迭 (高橋昌之・産経新聞)
いよいよ大統領選挙である。その前にもう一度合衆国大統領選挙の世界に与える心理的影響を考えておくのも悪くはない。なぜならば2001年9月以降の心理状態は未だに十分に自己分析出来ていないからである。そして、2008年11月以降は新たな世界観が生まれると予想されるからである。
焦点のバラック・オバマ候補の優位を覆すような大事件が起ることは好まない。経済危機でもう十分である。これに対応する世界秩序作りがまた二人の候補者の政権構想の重要な差異であると言われる。
選挙に向けた国内政策が主の論争になっているのは当然だとしても、自由貿易の枠組み作りにおいて、市場拡大の推進を図りNaftaに続き南米、韓国等との関税協定を推し進めようとしているマケイン候補と、それら諸国との現実的な経済格差から協定を絞め直しもしくは廃棄によって、必要な隔壁を堅持しようとするオバマ候補とでは大差がある。
合衆国は、外国から見れば至極当然な政策すら採用されていない特殊な国であるが、保険やセーフティーネットなどの社会保障面に、また経済上での「裁定」がされることで国民の殆どである中間層は、不安無い新たな挑戦への足場が形成されるのを期待できる。
年間収入二十万ドルは中間層の収入限度として適切で、現在の二十五万ドル以上に恩恵を与えるようなブッシュ政権が過去八年間も君臨した方が本当は不思議なのである。それは、こうした社会体制を採用する社会では、ハリウッドに代表されるような芸能界やプロスポーツにおけるタレントへの高額報酬をそれらの知名度・人気度という楯を用いて社会一般に認めさせている騙しの技法が使われているからに違いない。
そしてそれらの社会的認知がメディアによって虚像として作られていることにいまや気付かぬ者はいまい。そのような見解は、ハイリスクハイリターンと呼ばれるような投機的な符丁と共に、何一つ高額報酬の不公平への論拠とはなり得ないものどころか、生産の価値を愚弄しあり得るべき自由市場をも崩壊させた。
社会心理的に、オバマ候補の政治思想によって大多数の国民は護られて新たな挑戦へ契機となるだけでなく、オバマ候補の当選はアメリカンドリームならず、同時にドリームス・フロム・マイフーァザーの道を意味する。FAZ紙は、この人種問題を作家ジェイムズ・アーサー・ボールドウィン研究家トイビンにオバマ候補との比較で記事を書かせている。
ここでいう人種問題は、被差別者がその血に蓄える怒りである被人種差別意識のルサンチマン意識を指す。被人種差別問題こそが今回の大統領選挙の裏のテーマであったことは隠せない。
合衆国から帰ってきた者は必ずそこの人種差別問題の滑稽さを語る。それほどに歴史的な意味合いが大きかった事を裏づけている実証であるが、今回の選挙にて逆・被差別問題が解決するようなことになれば、合衆国はそうした過去の差別の歴史から初めて心理的に解放されるだろうか。
世界のナショナリズムや愛国運動がこうした非差別意識から生じていることを考えれば、やはりこうした抑圧からの解放の意味は途轍もなく大きい。
合衆国の中産階層は、こうして幻の夢から醒めて、心理的抑圧から解放されると同時に倫理的な被害妄想からも解き放たれてモラールを確立できる。今自らが障壁を乗り越えていかなければならない。
参照:
Wir haben alle diesen Zorn im Blut von Colm Toibin, FAZ vom 25.10,08
Das Wahlkanpf ums Weiße Haus von Claus Tigges, FAZ vom 30.10.08
オバマ・インフォマーシャル (虹コンのサウダージ日記)
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希望へ誘うオバマ候補 [ 雑感 ] / 2008-01-15
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太地イルカ猟とKorus [ 文化一般 ] / 2008-10-23
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