Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

押し寄せる不景気の煙

2008-11-21 | 雑感
いよいよ実質経済に強い影響が出てきたようである。プファルツにとっては最も重要な経済主体である化学最大手BASFが来年一月までの生産縮小計画を出した。

 デュポンやダウケミカル、セラネーゼなどの競争相手が同じく売り上げの悪化を示している一方先月までは十分な収益が発表されていたのだが、ここ暫らくで急激に供給過剰状態となり注文などが激減したという。

誰もが考えるように自動車業界へのプラスチック、触媒、塗料の需要のみならず、建築業界へのコンクリート附加材、塗装材、断熱材も落ちているようで、繊維関係でも合繊材料や染料も落ちている。アジア市場によって維持して来た売り上げも単価の下落からあまりそれを補填する事が出来ず、今回は本来ならばガスやオイルのエネルギー部門で営業上の悪化が避けられたのだが二重の売り上げ低下要因にはなすすべがない。その分、運転経費の削減は当然の事ながら計算できる。

そこで最も手っ取り早い方法が人員整理であるが、本拠地ルートヴィヒスハーフェンの労働協定では2010年までは解雇が出来ないこととなっている。つまり今回も、先ずは休暇やフレックスをいれた就業調整で、全200プラントの中五分の一にあたる40プラントを止めて、25プラントの能力を落とした人員調整とする。従業員数にして全三万二千人中五千人がその人員に当たる。

全世界四百箇所に及ぶ九万五千人の従業員の二万人がこの人員調整に当たり、80プラントが操業停止、そして40箇所の工場で生産調整が行なわれる。2001年から2002年への生産調整と比較されている。

さて、GM倒産の悪影響を逃れるためにソーラーシステムのボンの会社ソーラーワールドが将来のエコ自動車開発を目指してオペルの身請けをGMに打診してデトロイトから即断わられたようである。勿論実際にそのような買収が成功したかどうかは大変窺わしい話であるが、経済文化的には十分なアドバルーン効果があったであろう。
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