Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

豪快にまどろっこしく登る

2014-10-05 | アウトドーア・環境
先日書こうと思っていた。以前は年に何回かは体調不十分で寝ているのも辛い思いをすることがあったのだが、最近は運動量の増加とともに寝ている暇さえなくなっていたことを。しかし週末の疲れで背中が張り、あちこちの筋肉や筋が痛んで疲れが残った。原因は分からないが慢性的な疲れが出たような感じである。それに精神的なものが加味されているのだろう。

お馴染みの岩場でまだリードで登ったことのないところで、嵌めた楔の回収で苦労してから、同じように南プェルツァーヴァルトでもっとも素晴らしい一般ルートと呼ばれる場所を登った。ここも頂上まで昨年の秋に行き着けなかった。理由は至極簡単で、岩頭最後の頭部で足が届かなかったからである。そして方法も見つからなく、相棒に代わってもらって登ってもらっても駄目だった。夕暮れが迫っていた。

今回はケフラーの棒のようになるシュリンゲをその場所の杭に引っ掛けて、人口登攀で一歩登り、中間支点をかけて、そこで徐に反対側の岩に突っ張ることで超えた。その予定でいたのだが、杭にシュリンゲをかける作業も一歩上に登らなければ不可能だった。これが不可能ならば投げ縄しか方法はなかったであろう。流石にクラシックルートである。

結局私が率いた支部の経理担当の十分に大きな男もフリーで超えられなかった。しかし流石に後続した家族部指導員はそれほど大きくないが見事にこなした。それを頂上から撮影した。彼はそこの写真を見ていたのでどうしても登りたくて、希望がかないとても喜んでいた。彼の後続はさらに大きく190CMほどあるので綺麗に突っ張っていた。これだけは致し方ないのである。練習ではどうしようもない。

それでも頂上からの景色は素晴らしく、頂上まで一気に登れたので満足した。この岩頭に登るには一般的に中間で切って、二ピッチとすることが普通であるが、前回の経験から一気に登れたら素晴らしいことが分かっていたので、十分に中間支点の細引きを伸ばしてザイルを伸ばした。その技術難易度に比較してあまり十分に中間支点が取れないことから、初心者向きではないので私が先行した訳である。

当然のことながら降りるには私の60Mザイルだけでは二度降りなければいけないが、後続のパーティーの70Mのザイルと結び合わせて、一気に地上へと降り立った。60M以上の岩頭を一気に登る豪快さとさらに限られた中間支点を有効に安全に使うにはこうして一気に登る方が遥かに安全度が高いのである。

所謂クラシックルートは、テラスからテラスへと繋げて弱点を縫ってルートが開かれているので、それに合わせてショートカットすることがよいとされている。しかし、アルプスの大ルートを視野に入れるとき重要なのは往年のそれを偲んだり、アルプスごっこをするのではなく、ザイルが伸びるような中間支店の設定や延長の練習が登る技術そのものよりも重要になり、場合によってはまどろっこしいように見えてもこうした練習を繰り返さなければ意味がないのである。



参照:
ケブラーでしゃっきっと 2013-10-01 | アウトドーア・環境
いってしまい勝ちな銀の楔 2014-10-02 | 生活
コメント
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