Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

ライフスタイルにそぐわない

2014-10-25 | ワイン
流石に寒くなった。散髪した頭ががんがんとする。朝パンを取りに行くのも億劫だ。そろそろヒーターが必要だろうか。来週、温水計測器を交換するまで我慢するかどうか?

週末の試飲会に合わせて、2010年のグローセスゲヴェックスを開けてみた。世紀の酸の強い年2010年である。本来ならばその強靭な酸で長期保存されるべきなのだが、殆どの醸造所は石灰による除酸作業で悪い年度となってしまった。石灰の混ざったリースリングはその土壌のリースリング同様角が落ちて緩々の締りのない黄色みの進んだ液体となってしまったのだ ― 例外は指を折るほども無い。

そこで、ミュラー・カトワール産のそれを開けてみた。ブリュガーガルテンの「ブロイエルインデンマウエルン」である。その字の如く壁に囲まれているために風通しが悪い筈だ。ラインガウの有名なシュタインベルガーを思い起こす。その歴史的な地所も最近まで造られていたその熱からの熟成の高い甘口リースリングから辛口のテロワーの出るリースリングへと転換した。しかし、その影響が肯定的に出るかどうかはまだ分からない。貴腐の生えない健康なぶどうを収穫するにはこうしたマイクロクリマは否定的に働くからだ。更に冷気が溜まるので霜の被害も出やすい。

つまり歴史的にどのような利点があったかも疑問である。推測されるのは、嘗てのリースリングは貴腐などお構いなくに醸造されていたのだろう。要するに現在の技術力の無いバイオワインのような臭みや汚れ感の多いワインが出来上がっていたに違いない。殆どの天然酵母発酵のリースリングがこうした回顧調の現代の我々の味覚や食生活にはそぐわないテーストとなっているからこそ多くの一流醸造所は培養酵母に拘り続けている意味があるのだ。

さて、カトワールのこれは、その香りからして若干蜂蜜香のようなものがあってあまり清潔な印象がしなかったのは事実であり、味筋もメリハリの薄い幅広の感じである。しかしそれは好みであり、味の深みと言う意味ではそれなりの成果を挙げている。除酸の影響も現時点では最小限であり、ある意味レープホルツ醸造所の2010年産より成功しているかもしれない。アルコール13.5はその分厚さとして感じられるのだが、力強さをモットーとしてワインを醸造所する現在の親方のワインとしてはまずまずである。繊細さが無いのが好みに合わない。少なくとも前任者のシュヴァルツ氏のリースリングにはそれがあった。

発注したCDが届いた。明けて失望したのはモーツァルトの全集がライヴ録音だったことで、少し音を鳴らして直ぐに聞き通すこともなくお蔵行きが決まった ― とは言いながら、ヴァイオリンとヴィオラの協奏曲のようにソロも良いが、現代の楽器では難しい表現がとても良いサウンドとなっている。ネット視聴でそれに気がつかなかったのは情けないが、そもそもこの18世紀啓蒙楽団のサウンドとその冴えない録音などがよくマッチしていたのだ。嘗てのフルート全集の録音は悪くなかったのだが、ライヴ録音となると甚だしく聞き通すだけの明白な表現が適っていない。こうしたぐずぐずした感じは、天然酵母で醸造する回顧調のワインのそれそのものなのだ。話にならない。



参照:
スレンダーながら多層的な23歳 2014-10-16 | ワイン
熟成の可能性を探る 2014-08-12 | ワイン
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