Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

被害者意識からの覚醒

2015-08-07 | 歴史・時事
前日のラディオでは、オバマ大統領の広島・長崎への謝罪が流されていた。そしてトップニュースとなった八月六日の朝の番組では、そのこたえが日本特派員の言葉として、原爆投下後のアメリカのラディオ放送音声に続いて、語られていた。つまり、オバマ大統領によって謝罪はなされた、今度は日本が謝罪する番だとして、真珠湾と広島を対等に卑劣な行為としておく言葉を引用しながら、現在の日米同盟を進める安倍政権のあり方はその逆方向にあると批判した。

そして毎年のように繰り返される日本人の被害意識によって自らの罪を直視しない姿勢が、今日本の蛮行を白紙にしようとする安倍政権によって、それどころか美化されて同じ道を繰り返すような方向に進んでいくかに見えるとする危惧が伝えられる。そしてその後のニュースのトップでは、同じ特派員が安倍が聞かざるを得ないところでの広島市長によってパシフィズムが声明されたことを、そして日本国民の大多数は安倍の新たな法案を拒絶していると伝えた。

更に特派員は、日本はその原爆投下によっても敗戦を認めずに、ソヴィエトの参戦によって初めて目が覚めたと歴史を明らかにする。全くもって今生きている日本人の感覚と同じではないか。このようなことが繰り返され続けるのだ。

英米の記事では、既にウィキリークスを引用して、オバマ大統領の謝罪の意思とそれをさせまいとする日本政府の対応が報道されているが、そこまで明らかな事象があるとは知らなかった。ここで、今日本市民に問われていることは明白だ。

どのような防衛構想にしても非核三原則を保持することと、フクシマ以降法的に再定義された原発の安全保障上の位置づけを改めて放棄すること、そして被害者意識を乗り越えて、歴史を現実を直視することだろう。

そのためには、何はともあれ安倍政権に代表されるような修正主義を駆逐して、エネルギー政策や経済的に意味を持たない原発を即廃棄することしかない。嘗ては左翼思想から導かれたようなこうした結論が、広島長崎とその七十年後の世界の視座から見た結論なのである。



参照:
ヒロシマの生き残り 2005-08-06 | 暦
ケロイドの皮膚感を覚える 2007-08-06 | 暦
武器を所持すると言うことは 2010-08-07 | 暦
核後進国の苦悩と悲哀 2012-06-06 | 歴史・時事
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