ワインの経済。フランスのシャトーワインがスーパーに並んでいる。ドイツ国内では、フランスワインはここ数年20%近い消費の落ち込みがあるようだ。特にボルドーは、同時にその生産力から日常消費ワインの王国でもあるので、その最低価格を減産で探っていたが、どうも思わしくないらしい。
オーストラリアと南米ワインの成長が、過去十年間で1900%の輸出拡大とあるのに対して、同じ期間欧州からの輸出の伸び率は僅か20%に留まっている。また、EU内でも輸入が伸びる反面ワイン消費は、僅か年間0.65%の伸びとなっており、輸入超過の傾向は続いている。
EU内消費量128Mioヘクトリッター中、フランスの26%、イタリアの22%、ドイツの16%の消費に対して、生産量174Mioヘクトリッターの内訳は、32%はフランス産、29%はイタリア産、24%はスペイン産、因みに6%のドイツ産となっている。このことから最もグローバル化の影響を受けているのはフランスなのだろう。
そこで、ブリュッセルのEU本部で最大の問題となっているのが、来年早々から施行されるワインに関するEUの新規制である。現在も様々な思惑から政治的調整が進められている。新世界が求めるコカコーラワインがワイン文化を崩壊させる事を憂慮している。特に加糖によるアルコールの添加は「果実酒化」への道を開くとして、ドイツ語圏からの批判が強い。注目の新提案は、現在まで許されていた全体のアルコール度数の4%分までの加糖を、2%へと引き下げると言うものである。こうする事によって、太陽の恵みの薄い北方の白ワインが、 本 物 のワイン醸造酒として、EU市場にも残り続ける事が出来ると言う思惑である。
EU全域としては、こうした事から減産を実施して、国際的競争力を維持したいところである。そうなると、量で有利に立っていたワイン王国は苦労が多いだけでなく、高級ワイン市場への影響も無視出来ない。その際たるものが、ブルゴーニュやボルドーの名門シャトーワインで、永くネゴシアン制度の商業網を支えて来たワインでもある。これらの多くの末裔のユダヤ資本は、現在のグローバリズムの権化でもある。因みに独前首相シュレーダーは、現在ロートシルト・インヴェスティメントの欧州相談役に納まっている。
しかしそれらのグランクリュワインは、生産量に限りがあり、尚且つ新鮮な内には消費出来ない事から、資本の投下と回収の効率からすると、近代の経済になんらの意味を持たないだけでなく、そのワインの質と供給量から価格の上限は計算される。品質と希少価値は元来異なるが、品質も条件に恵まれた南米などのワインと比較されることで、その希少価値すらが瓦解して来ている。これは、昨今のスーパーでの安売り投売りの現象に現れている。
具体的にもともとの価格が上限100ユーロ程度までなので、その質が10ユーロの商品とあまり変わらない場合、その商品が流通する事で実質価値が正しく値踏みされる事となって、そのブランドの希少価値さえ危うくする。こうしたネットの情報網が広まると、ネット競などの投機的な煽りも淘汰されて効力を失うだろう。
ドイツワインの半世紀以上前のヴィンテージにも関心が集まっているようであるが、こうなると長持ちするワインの醸造にもよりいっそう留意されるようになる。つまり減反出来ない醸造所には将来は無くて、既に質への転換が成功裏に完了出来て居なければ見通しは暗い。
今後の進展を大まかに予想すると、一般消費ワインの需要は中国などの人口の多い新市場に依存する形となり、高級ワインは従来の小さな市場へと収斂して行き淘汰が進む。中堅の醸造所はだけでなく、伝統的な名門の醸造所も、隅々までの資本主義化が進んだ今日、その存続は厳しい。
参照:
平均化を避ける意識 [ ワイン ] / 2006-05-08
政治的棲み分けの土壌 [ アウトドーア・環境 ] / 2005-09-22
オーストラリアと南米ワインの成長が、過去十年間で1900%の輸出拡大とあるのに対して、同じ期間欧州からの輸出の伸び率は僅か20%に留まっている。また、EU内でも輸入が伸びる反面ワイン消費は、僅か年間0.65%の伸びとなっており、輸入超過の傾向は続いている。
EU内消費量128Mioヘクトリッター中、フランスの26%、イタリアの22%、ドイツの16%の消費に対して、生産量174Mioヘクトリッターの内訳は、32%はフランス産、29%はイタリア産、24%はスペイン産、因みに6%のドイツ産となっている。このことから最もグローバル化の影響を受けているのはフランスなのだろう。
そこで、ブリュッセルのEU本部で最大の問題となっているのが、来年早々から施行されるワインに関するEUの新規制である。現在も様々な思惑から政治的調整が進められている。新世界が求めるコカコーラワインがワイン文化を崩壊させる事を憂慮している。特に加糖によるアルコールの添加は「果実酒化」への道を開くとして、ドイツ語圏からの批判が強い。注目の新提案は、現在まで許されていた全体のアルコール度数の4%分までの加糖を、2%へと引き下げると言うものである。こうする事によって、太陽の恵みの薄い北方の白ワインが、 本 物 のワイン醸造酒として、EU市場にも残り続ける事が出来ると言う思惑である。
EU全域としては、こうした事から減産を実施して、国際的競争力を維持したいところである。そうなると、量で有利に立っていたワイン王国は苦労が多いだけでなく、高級ワイン市場への影響も無視出来ない。その際たるものが、ブルゴーニュやボルドーの名門シャトーワインで、永くネゴシアン制度の商業網を支えて来たワインでもある。これらの多くの末裔のユダヤ資本は、現在のグローバリズムの権化でもある。因みに独前首相シュレーダーは、現在ロートシルト・インヴェスティメントの欧州相談役に納まっている。
しかしそれらのグランクリュワインは、生産量に限りがあり、尚且つ新鮮な内には消費出来ない事から、資本の投下と回収の効率からすると、近代の経済になんらの意味を持たないだけでなく、そのワインの質と供給量から価格の上限は計算される。品質と希少価値は元来異なるが、品質も条件に恵まれた南米などのワインと比較されることで、その希少価値すらが瓦解して来ている。これは、昨今のスーパーでの安売り投売りの現象に現れている。
具体的にもともとの価格が上限100ユーロ程度までなので、その質が10ユーロの商品とあまり変わらない場合、その商品が流通する事で実質価値が正しく値踏みされる事となって、そのブランドの希少価値さえ危うくする。こうしたネットの情報網が広まると、ネット競などの投機的な煽りも淘汰されて効力を失うだろう。
ドイツワインの半世紀以上前のヴィンテージにも関心が集まっているようであるが、こうなると長持ちするワインの醸造にもよりいっそう留意されるようになる。つまり減反出来ない醸造所には将来は無くて、既に質への転換が成功裏に完了出来て居なければ見通しは暗い。
今後の進展を大まかに予想すると、一般消費ワインの需要は中国などの人口の多い新市場に依存する形となり、高級ワインは従来の小さな市場へと収斂して行き淘汰が進む。中堅の醸造所はだけでなく、伝統的な名門の醸造所も、隅々までの資本主義化が進んだ今日、その存続は厳しい。
参照:
平均化を避ける意識 [ ワイン ] / 2006-05-08
政治的棲み分けの土壌 [ アウトドーア・環境 ] / 2005-09-22
荒野に生えた葡萄 [ 歴史・時事 ] / 2005-04-29
PEPAさん、そうですね。生産量は今後も落とす傾向にあると思います。淘汰はまだ今後進むでしょう。少しややこしい事を言うと、売り上げ規模も落ちて行って成長は望まれないのですが、何とか伝統を継承していければ良いわけです。富は、ワインに投資する必要は必然性はなくて、違う分野で投資活動をして行くのでしょう。成長が必要なのはいつも新興の勢力です。
振興団体とは違った全国組織の協会などがあるのですね。甘くて廉いドイツワインのイメージを完全に払拭するのは、今後ともその出荷量からして難しいでしょうが、知る人ぞ知るワインとなれば十分でしょうか。
ボックスボイテルのフランケンワインは人気があるみたいですね。
山羊の競り落とされる日(番外2)[ 暦 ] / 2005-05-21
勝手ながら、コメントの場所を動かさせて頂きました。並々のワイングラスをこぼさないように。
今年は、ドイツでワールドカップが開催されることにかこつけて、セゾンカードの広報でも『サッカーだけでなくワインも美味しい!』といったキャッチフレーズでドイツワインを大々的にPRしていました。日本特別仕様のシーボルトのラベルのフランケンワインが3500円くらいでしたが、フランケンワイン好きにはちょっと食指をそそられました。
EU全体としては、名門のところが苦境にたたされていて大変なのですね。そして、安くておいしいので、私もチリワイン愛飲しています(笑)。難しいことはわかりませんが、名門は名門のよさがあるのでみんな生き残ってくれることを祈ります。
いつの世も盛者必衰の理は存在しますから。
「伝統は常に新しい。」
ある服飾ブランドのオーナーのこの言葉が思い出されます。
>末裔のユダヤ資本
今TVで放映中のアニメ「BLOOD+」で
これが何気に題材に取り入れられています。
戦争の血脈を描く、というのがテーマらしいので。